梅雨の時期から夏の暑い時期にかけて気が付けば、雑草がどんどん生えてきてしまいがっかりしてしまうこと、ありますよね。さらに、雑草の生命力は素晴らしいもので、抜いても抜いても生えてきて困ってしまいます。
雑草を枯らしてくれる除草剤がホームセンターなどにも売っていますが、小さな子供がいるお家やペットを飼っているお家ではちょっとためらってしまう事もあるでしょう。
そんな時に“熱湯が雑草に効く”と聞けば試してみたくなりますね。
お湯を沸かして雑草にかけるだけで、本当に雑草対策になるのでしょうか…。
そこで今回は、雑草対策に熱湯を使ってみたいけど、その効果ややり方が分からずに困っている人の為に、熱湯の効果とメリット・デメリット、さらに熱湯以外の雑草対策についてをお伝えします。
熱湯で除草!お湯は雑草を枯らす効果があるの?温度は?
結論から言うと、雑草に熱湯をかけると熱により雑草が枯死しますので一応の効果はあります。
その理由は、高温のお湯が雑草のタンパク質を変化させることで、雑草が枯れるという原理です。
例えば、卵をフライパンで焼くと、卵白が固まって白くなります。 これは卵白に含まれるタンパク質が、高温により変性した(性質が変わった)結果、白くなるわけです。
雑草に熱湯をかけた場合、卵と同様に雑草の細胞のタンパク質も変性し、雑草は生きていけなくなるわけです。
除草できる熱湯(お湯)の 温度は何度ぐらい?
では熱湯(お湯)の温度は何度ぐらいで、雑草を枯らすことができるのか?
結論から言うと、基本的には沸騰してからすぐにかけた方が良いので、100℃~90℃前後ぐらいが効果的でしょう。
中には、雑草に熱湯をかけると、温度が60度~70度ほどで、熱湯のかかった部分の雑草は枯死したという事例もあるようです。
雑草に熱湯をかけても根っこまで届かない
地表に出ている雑草には直接熱湯をかけることができるため熱湯がかかった部分の雑草は枯死します。
しかし、地中の根の部分まで枯死させるのは難しいです。
というのは、地面の土が影響しています。
熱湯が根に到達する前に土で熱が奪われてしまいます。そうすると、熱湯の温度が下がるので、根っこを枯らすほどの温度ではなくなります。
また、地中まで熱を伝えるには熱湯の量もたくさん必要となるため、熱湯の熱を雑草の根の部分にまで伝えるのは難しいでしょう。
スギナの駆除や除草も熱湯でできる?
スギナの葉っぱに熱湯をかけると、葉っぱは枯らすことができます。
とはいえ、スギナのように、横に広がる雑草は、広範囲に熱湯をかける必要があるので、効率よく熱湯をかける事が難しくなります。
また、スギナは地下茎(ちかけい)で成長する植物です。※地下茎の雑草とは土の中に茎や根を張り巡らせ、種ではなく茎や根から増えていく雑草のことです。
スギナのような地下茎の雑草に熱湯をかけても、地下茎まで熱湯の熱が届かないので、熱湯だけで完全に根絶させるのは難しいです。
要するに、スギナやドクダミ等の地下茎の雑草は、地上部分を枯死させても地中に残った茎や根で増えていくので、熱湯をかけても根絶することがなかなかできないのです。
熱湯が効果を発揮できるのは地表部分の雑草だけだという事ですね。
【実演】雑草対策で熱湯(お湯)をかけると除草できるか?
では実際に熱湯をかけると、枯れるのかどうか?次の動画が参考になるので、ご覧ください。
雑草に熱湯をかけるメリット
雑草に熱湯をかけて雑草を枯死させるときのメリットは、今すぐおこなえる手軽さです。
雑草対策をするときには、ホームセンターに薬剤を買いに行ったり、専門業者に依頼したりする手間と費用がかかります。
しかし、熱湯はわざわざ買いに行かなくても、蛇口をひねれば水が出て、すぐにお湯をわかすことができます。
また、薬剤のような化学薬品ではないので、ペットや小さなお子さんのいるご家庭では安心できる点もメリットのひとつです。
雑草に熱湯をかけるデメリットについて
反面、雑草に熱湯をかけるデメリットは何でしょう。
雑草に熱湯をかけると、60度ほどで熱湯のかかった部分の雑草は枯死したという事例もあるようです。
という事は、雑草が生えている土壌にも熱湯の熱が伝わり、土の中の細菌や微生物もいなくなってしまう可能性があります。
例えば、熱湯での除草後に花や植木を栽培したいという場合には注意が必要です。そして、熱湯をかけるためにお湯をわかす手間と時間もかかります。
ある程度の量が必要となりますので何度も何度もお湯を沸かす必要があります。
また、熱湯の運搬もキッチンからお庭までの距離を何度も往復しなくてはならないので、それなりの労力が必要ですね。
さらに、熱湯を運んでいるときに気をつけなければならないのが“火傷”です。雑草のためにやけどをしてしまっては、元も子もありません。
熱湯は地上の雑草に効果があるようですが、メリット・デメリットをよく考えてお庭に生えてくる雑草の種類を見極め、効率よく安全に活用できるといいですね。
雑草対策に熱湯使うポイント
雑草対策で熱湯(お湯)を使う場合、広範囲だと手間がかかります。
では、どんな所の雑草に熱湯が効果的か?をお伝えします。
アスファルトの雑草に熱湯をかける
アスファルトのキワや割れ目から雑草が生えているのを見かけて事はないでしょうか?
アスファルトから生えてくる雑草を無理に引き抜くと、アスファルトがボロボロになってしまします。
そこで、熱湯をアスファルトに生えている雑草にかける事で、簡単に駆除することができます。
インターロッキングの目地などの雑草対策に熱湯をかける
インターロッキングの目地などの雑草対策に熱湯を使う事も効果的です。
インターロッキンの目地から生えてくる雑草は、指で引き抜くのが困難な場合があります。
そんな時に、インターロッキングの目地に熱湯をかけると、放置していても雑草が枯れてくれるので、駆除がしやすいです。
注意点として、北側の日が当たらない湿気が溜まりやすい場所に熱湯をかけていると、苔やカビが生えてくるので注意してください。
側溝の雑草に熱湯をかける
側溝から生えてくる雑草に熱湯をかけるのも効果的です。
側溝の目地に生えてくる雑草は、腰を下ろして、しゃがんで取るのが辛いですよね。
そこで、熱湯を使う事で、しゃがまずに枯らして雑草を除去することができます。
こういった、隙間から生えてくる雑草に熱湯をかけると効果てき面なので、おすすめの雑草対策です
木を枯らす方法は?熱湯では無理?
結論から言うと、大きな木を熱湯で枯らすのは難しいです。
理由は、木の大きさや、細胞の構造が雑草とは大きく異なるからです。
木の根や幹は厚い皮で覆われており、熱湯が内部に浸透するのを防ぐ役割を果たします。
例えば、あなたが冬の寒い日に厚着をしていると、その保温効果で外の寒さから身を守ることができますよね?木の厚い皮も同様の働きをしています。
なので、木を枯らすには他の手段(例えば、切り倒す、除草剤を使うなど)を考えるべきです。
熱湯は、表面的な部分にしか影響を与えられず、木全体を枯らすには不十分なわけです。
雑草対策で熱湯(お湯)を芝生にかけると…
芝生に熱湯をかけると、雑草だけでなく、芝生自体も枯れてしまう可能性があります。
なぜかというと、芝生に熱湯をかけると、その温度は芝生の細胞にダメージを与え、その結果、芝生も枯れてしまうのです。
芝生の葉も雑草と同様に、熱湯の高温によって細胞がダメージを受けるというわけです。
なので、雑草対策として熱湯を使う際には、芝生を保護するために、熱湯を雑草にのみ直接注ぐように注意が必要ですですが、実際問題、雑草だけに熱湯を充てるのは困難なので、芝生の雑草駆除は他の方法で行う方が良いでしょう。
熱湯以外の効果的な雑草対策とは?
熱湯を雑草にかけるという雑草対策は、手軽で安価なため挑戦しやすい方法と言えます。
しかし、熱湯だけでは対処できない地中の茎や根の部分はどうすればよいのでしょうか。また、完全に雑草を根絶することが難しいので翌年にはまた生えてくる可能性も否定できません。
そのため、熱湯以外の対策についても考えておくと良いでしょう。
次に、熱湯以外の雑草対策についてお伝えします。
雑草対策でお湯以外の方法1 草むしり
今更、草取りって…と思われたかもしれませんね。
実は、草むしりにもポイントがあり、そのポイントを押さえておくと、草が生えにくくなります。
そのポイントとは何かというと、雑草が生え茂前に草取りを行うという事です。
どういう事かというと雑草は成長すると、種子が地面に落ち、新たな雑草が生えてきます。
そこで、雑草の成長前に草取りを行うことで、種子を飛ばさないようにするわけです。
なるべく早く雑草を取り除けば、新たな雑草が生えてくるのを防ぐことができます。
なので、定期的な草取りは、雑草の問題を長期的に抑制し、綺麗な庭を維持するための優れた手段なわけです。
雑草対策でお湯以外の方法2 除草剤
熱湯以外で効果的な方法として、除草剤が挙げられます。
除草剤は、雑草の成長を阻止し、雑草が再生するのを防ぐ特殊な化学物質が含まれています。
そこで、除草剤と熱湯との最大の違いは、庭の雑草が一時的にではなく、長期的に生えてこなくさせる事ができるという事です。
簡単に言うと、予防接種のようなものです。
除草剤を撒くことで、雑草の再発を防ぎ、庭を守るというわけです。
お湯は、経済的ではありますが、何度もお湯を沸かさないといけない事と、一時的にしか効果がありません。
なので、長期的に庭の雑草を生えなくするためには、熱湯よりも除草剤の使用が効果的と言えます。ただし、適切な使用法と安全対策を確認することが大切です。
雑草対策でお湯以外の方法3 防草シート
防草シートは名前の通り草を防いでくれるシートです。
防草シートが効果的な理由は日光を遮断するという事です。日光を遮断する事により、雑草を発芽させないようにするという事が目的です。
また、防草シートにも大きく分けて2種類あります。
- 1つは繊維を編み込んで作った織布。
- 2つ目は、繊維を科学的に絡み合わせて接着した不織布です。
織布はホームセンターなどでも手軽に購入でき安価なのが魅力ですが、耐久性に乏しく繊維を編み込んだ小さな隙間から日光が入り込み、防草シートの下で雑草が生育してしまいシートを突き破って出てくるという可能性があります。
不織布はインターネットや専門業者で購入しなくてはならず、織布よりも高価ですが、耐久性に優れていて編み目がないので隙間から日光が入り込む心配がありません。さらに遮光性のある素材を選択するとより効果的です。
熱湯以外でやってはいけない雑草対策とは?
熱湯以外でやってはいけない雑草対策1 塩
熱湯以外の雑草対策として塩を使うという話もありますが、庭に塩を撒いて雑草対策を行う事は推奨されません。
なぜかというと、塩は水分を吸収する性質があり、雑草の水分を奪って枯らすことが可能です。
しかし、その影響は雑草だけにとどまらず、土壌の塩分濃度を上げてしまいます。
これは他の植物にも害を及ぼし、庭全体の生態系を破壊する可能性があります。
例えば、 海水浴場で見かけるような塩害がこれに該当します。
海水が引いた後に残る塩分は地面を乾燥させ、植物が生えづらい状態を作り出します。
このように、塩を庭に撒くと同様の現象が起こり、庭全体の植物が成長しにくくなります。
そのような事から、塩を使って雑草を駆除するのは短期的には効果的かもしれませんが、長期的には庭全体の健康を害する可能性があるため、推奨されません。
他の方法、例えば適切に使用した除草剤や防草シートなど、環境に配慮した雑草対策を探すことが重要です。
熱湯以外でやってはいけない雑草対策2 酢
熱湯以外の雑草対策で酢を使うという方法もありますが、雑草対策に使用することはおすすめできません。
なぜかというと、酢は強い酸性で酸の力で、触れた部分を数時間から数日で枯死させます。
しかし、この方法は根本的な解決にはならず、特に多年生の雑草は根から再生します。
また、酢は特に高濃度で使用すると、環境や自身の安全に悪影響を及ぼす可能性があります。
したがって、酢を雑草対策に使用することは、短期的には効果が見られるかもしれませんが、長期的には環境や個人の安全に悪影響を及ぼす可能性があるため、推奨できません。
雑草に熱湯をかける事の結論
熱湯をかけるという雑草対策は地表の雑草には効果的です。
しかし、雑草が生えてくる元となる原因を解決することができません。
そのため、雑草が生えてきたら熱湯をかけるという行為を永遠に繰り返していかなければなりません。
防草シートという雑草対策はそもそも雑草が生えてこないという環境をつくり原因から解決していく方法です。
手間や費用にも差がありますが、どんな方法で雑草と向き合っていったらよいのかよく考えて雑草対策をしていきましょう。
雑草対策について、色々調べけど、結局どうすればよいのか分からな人へ
奈良県にお住いの方へ
あなたが奈良県にお住いの方であれば、次のような経験がないでしょうか?
「ネットで検索して色々情報を調べたけど、自分のお庭の場合、どの方法が適しているのか分らない…」
「調べすぎてどうすれば良いのか分からなくなって、考える事がだんだん面倒になってきた…」
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そこで、造園・外構業者さんにお願いしようと考えてはいるけど、、、
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まとめ
いかがだったでしょうか?
今回熱湯の効果とメリット・デメリット、さらに熱湯以外の雑草対策についてお話しました。
雑草対策に熱湯を使ってみたいけど、その効果ややり方が分からずに困っている時にはまず、熱湯の効果について知ることからはじめましょう。
そして次に、雑草に熱湯をかけた時のメリット・デメリットを知る事も大切です。さらに、熱湯以外の雑草対策を知ることで、ライフスタイルに合わせた雑草対策を選択することができます。
そうする事で、雑草とうまく付き合いながら楽に雑草対策を行うことができるでしょう。
雑草対策に熱湯を使ってみたいけど、その効果ややり方が分からずに困っている方は、是非今回の記事を参考にしてみて下さいね。