夢のマイホームの庭を手に入れたら、「手入れの楽な人工芝を敷いて、家族や友人とバーベキューを楽しみたい!」と想像しますよね。
「週末はBBQだ!」そんな夢に胸を膨らませて、人工芝の設置を検討している方も多いのではないでしょうか。
しかし同時に、「本当に人工芝の上でバーベキューなんてしても大丈夫なのか?」「高価な人工芝が溶けたり、焦げたりしないか?」「火事のリスクはないのか?」と、強い不安を感じているのではないでしょうか。そのお気持ち、現場を預かるプロとして非常によく分かります。
安易な情報だけを信じて実行し、「こんなはずじゃなかった」と後悔するケースは実際に存在します。大切なのは、リスクを正しく理解し、私たちプロが現場で実際に行っている「必須の対策」を講じることです。
そこでこの記事では、造園業歴20年の私、西原造園の代表 西原智が、実際にそのお悩みを解決した施工事例を基に、人工芝の庭で安全にバーベキューを楽しむための具体的な方法と注意点を、徹底的に解説します。
この記事で得られる内容
- 人工芝でBBQを行う際の「3つの主要なリスク」
- 安全対策として必須の「5つの具体的な手順」
- 対策グッズ(防火シート・コンロ)のプロ目線での選び方
- 人工芝の「上」以外で安全にBBQを行う「5つの代替案」
- 実際に「人工芝とBBQ」を両立させたH様の解決策
- BBQ後の「掃除方法」と万が一の「補修方法」

西原造園の代表で職人歴20年以上の現役の造園・庭・外構の職人。施工実績500件以上。施主様の生活背景や状況を理解し戸建ての庭のリフォームをメインに外構・造園・エクステリアプランを作成したり、特にお庭の問題を解決するのが得意。全国紙ガーデン&エクステリアの掲載歴があり、父は一級造園技能士、母は奈良新聞にも掲載された一級造園施工管理技士。仕える事と書いた仕事ではなく、志す事と書いた「志事」をするがモットー。
「人工芝でBBQをしたい」奈良県斑鳩町のH様のご相談事例

まずはこちらの動画をご覧ください↓↓↓
今回ご紹介するのは、奈良県にお住まいのH様ご夫婦です。H様の最大の悩み、それは春から夏にかけての雑草だったんですよね。
お仕事がお休みの日に、1時間も2時間もしゃがみっぱなしで草を抜く。腰は痛くなるわ、蚊に刺されまくるわで、休日なのに草取りだけでヘトヘトになり、うんざりされていたそうです。
それなのに、どれだけ頑張って抜いてもまたすぐに生えてきてしまう。その繰り返しだったそうです。
ちょっと草取りを休んだだけで、気がつけばお庭は荒れ放題で、ご近所からも「あそこの家、やばいんじゃない?」って思われてるんじゃないかって、そんな不安もあったそうなんですね。
結局、「もうどうしたらいいの、これ…」と、せっかくのお庭が途方に暮れる場所になっていました。
そこでH様は、思い切って人工芝の庭にしようと考えられました。
そう思い立ったH様は、一度は自分達でDIYで何とかできないかって考えられたそうですが、そもそも作り方がよく分からないし、自分たちで上手くできそうにもない。
その結果、何万円もかけたわりに見た目が悪くなって、もうしっちゃかめっちゃかになるんじゃないか…。
そうなるよりはプロに任せた方が失敗しないだろうと考え、私達にご相談頂きました。
H様のご相談は、もちろん「雑草をなんとかしたい」というものでしたが、お話を聞く中で「もしきれいになったら、バーベキューもしてみたい」そういう“夢”も見つかったんです。
でも、人工芝でバーベキューをするには、ある大きな問題が潜んでいたんです。
では、その問題の正体とは何なのか?
ここからは、H様と同じように「人工芝とBBQ、どうしたらいいのか」と悩んでいるあなたのために、プロの視点からそのリスクと具体的な対策のすべてを徹底的に解説していきます。
人工芝でバーベキューはできる?【結論:リスクの理解と対策が必須】
先ほどのH様のように、「人工芝の庭でバーベキューはできるの?」という疑問は、私たちがお客様から本当によくいただくご相談の一つです。
夢のマイホームで、青々とした人工芝の上で楽しむバーベキュー。そのお気持ちは痛いほどわかります。
ここで、造園業歴20年のプロとしての「本音」を正直にお伝えします。私たちは、原則として人工芝の上でのバーベキューは「推奨しません」。
なぜなら、どれだけ最新の注意を払ったつもりでも、人工芝の主原料であるプラスチック(ポリプロピレンやポリエチレン)は「熱」と「火」に非常に弱く、一瞬の不注意で修復困難なダメージに繋がるからです。
例えば、コンロからの輻射熱、あるいはたった一つ落ちた炭火で、せっかく美しく敷き詰めた高価な人工芝が溶けたり、焦げたりするリスクが常につきまといます。
しかし、そのリスクを承知の上で、多くの方が「どうすれば安全にできるか」「それでもやりたい」という強いお気持ちで情報を探されていることも、私たちは重々承知しています。
ですから、私たち専門家からの結論は「リスクを正確に理解し対策を講じること」、これが大切だと考えます。
「これくらい大丈夫だろう」という安易な判断が、取り返しのつかない「後悔」に繋がるのを、私は現場で見てきました。
楽しいはずのBBQが悲劇にならないよう、まずは「なぜ危険なのか」という具体的なリスクから、詳しく知っていく必要があります。
次の章では、私たちが「非推奨」とお伝えする具体的な3つのリスクについて、詳しく解説していきます。
人工芝の上でバーベキューはなぜ危険?3つのリスク
前の章で「リスクの理解が必須」とお伝えしました。
では、私たちプロが具体的に何を懸念しているのか。人工芝の庭でBBQを行う際に、最も起こり得る「3つの重大なリスク」を詳しく見ていきます。これらは「知らなかった」では済まされない、大切な人工芝を守るための重要な知識です。
| リスクの種類 | 具体的な危険性 | 主な原因 |
|---|---|---|
| 1. 熱(溶解) | 芝が溶ける、縮れる、硬化する | コンロの輻射熱、熱いトング |
| 2. 火(火災) | 芝が焦げる、周囲の可燃物に引火 | 落ちた炭火、飛び火 |
| 3. 汚れ(シミ) | シミ、悪臭、カビ、害虫の発生 | 油、タレ、飲みこぼし |
リスク1:人工芝は熱に弱く、火気で溶ける・焦げる

まず、最も警戒すべき「熱」のリスクです。
人工芝の庭でのバーベキューを検討する際、多くの方が「火」だけを気にされますが、実は火が直接触れなくても輻射熱で芝が溶けてしまうのです。
これは、人工芝はポリプロピレンなどのプラスチック(樹脂)でできていることが原因のためです。
製品にもよりますが、人工芝の耐熱温度は約80℃〜100℃程度です。
夏の直射日光程度では溶けませんが、バーベキューコンロ(特に炭火)から発せられる輻射熱(ふくしゃねつ)や、落ちた炭火、熱くなったトングなどは、直射日光の温度を遥かに超えます。
私の現場でも、コンロの真下だけがチリチリと溶けて縮れたり、カチカチに硬化してしまった事例を見てきました。直接火が触れなくても熱だけで溶ける、これが第一のリスクです。
続いて、熱だけでなく「火」そのものが持つ危険性について解説します。
リスク2:炭火や飛び火による火災のリスク
前の項目では、人工芝が「熱」だけで溶けてしまうリスクについてお話ししました。ですが、BBQで本当に怖いのは、やはり「火」そのものですよね。
「うちの人工芝は“防炎認証品”だから燃えない」と安心されている方も多いのではないでしょうか。実はこれが、現場でよくある大きな誤解なんです。
では、なぜ「防炎認証品」なのに火災のリスクがあるのでしょうか? 主な理由は2つあります。
1. 「防炎」は「不燃」ではない
まず知っておいていただきたいのは、「防炎」とは「不燃(燃えない)」という意味ではない、ということです。これは、「火がついても燃え広がりにくい(自己消火性がある)」という性能のことで、火元(例えば落ちた炭火)に接している間は、プラスチックなので当然溶けますし、焦げます。
2. 「火種」が周囲の可燃物に引火する
人工芝そのものが激しく燃え上がることは少ないです。しかし、炭火バーベキューで怖いのは、コンロからこぼれ落ちた「炭火」や「飛び火」が「火種」になることです。
落ちた炭火は人工芝の葉を瞬時に溶かしますが、本当に危険なのは、その火種が、芝の上に溜まった「枯れ葉」や「ホコリ」、あるいは風で飛ばされた紙ナプキンなど、人工芝の“上”にある別の可燃物に引火することです。
このように、人工芝の庭は、私たちが思う以上に火災が起こりやすい環境だということです。
リスク3:油汚れや食べこぼしがシミになりやすい
火や熱のリスクをクリアしても、最後の関門が「汚れ」です。
人工芝の上でバーベキューをすると、油汚れや、タレ、飲みこぼしは、プラスチックの芝葉や下地のシートに染み込み、落ちにくいシミとなります。
特に厄介なのが油です。庭の人工芝に染み込んだ油はベタつき、そこに砂埃が付着して黒ずみます。この汚れを放置すると、カビや悪臭の原因になるだけでなく、最悪の場合、ゴキブリなどの害虫を誘引するエサ場になってしまう可能性も否定できません。
「掃除の手間を増やしたくない」「後片付けが不安」という方にとって、この汚れの問題は見逃せないポイントなのではないでしょうか?
これら3つのリスクを踏まえた上で、次章では「それでもBBQがしたい」という方のために、プロが推奨する具体的な対策を解説します。
人工芝の庭でバーベキューを安全に楽しむための具体的対策5選
前の章までで、人工芝は熱や火に非常に弱く 、私たちプロの立場としては、原則として人工芝の上でのバーベキューは「推奨しない」 と本音でお伝えしました。
しかし、すでに人工芝を敷かれている方にとって、「リスクは分かった。それでも、人工芝の上でしかBBQを楽しめるスペースがないんだ」という方もおられる事と思います 。
そのような方のために、この章では、それでも人工芝の上でBBQ行う場合の安全対策を5つ、具体的にお話しします。
ここで大切なのは、どれか一つだけやれば良いというわけではなく、複数の対策を組み合わせてリスクを最小限にすることです。特に最初にご紹介する「防火シート」と「コンロ選び」は、必須条件とも言える重要なポイントです。
| 対策(5つ) | 目的(防ぐリスク) | 具体的な行動(ToDo) |
|---|---|---|
| 1. 防火シート | 熱・火 | スパッタシートを敷く |
| 2. 脚の長いコンロ | 熱(輻射熱) | 火床40-50cm以上を確保 |
| 3. ガス・電気式 | 火(飛び火) | 炭火の使用を避ける |
| 4. 平らな場所 | 事故(転倒) | 設置前の水平確認 |
| 5. 消火準備 | 被害拡大(火災) | 水バケツ、消火器の用意 |
対策1:【最重要】コンロの下に「焚火シート(防火シート)」を敷く

人工芝の庭でバーベキューを行う際、まず必須となるのが「焚火シート(防火シート)」(耐火シート、BBQマット)をコンロの下に敷くことです 。
これは、コンロから伝わる熱や、万が一落ちた火の粉、食材の油はねから人工芝を守るための最も基本的な防護策です 。
高価な人工芝が溶けたり焦げたりするのを防ぐため、専門業者の間でも「必ず実施してほしい対策」として挙げられています 。
焚火シートを選ぶ際は、「サイズ」と「耐熱温度」が重要です。サイズは、コンロ本体よりも一回り以上大きく、炭や食材がこぼれ落ちる可能性のある範囲までカバーできる大判のものを選びましょう 。
耐熱温度は、炭火の高温にも耐えられるよう最低でも500℃以上、できればガラス繊維製などで耐熱1000℃を超えるような高耐火性の製品だと安心感が高いです 。
設置する際は、芝生の上でシワや隙間ができないよう平らに敷き、風でめくれないように四隅をレンガなど置いてで固定すると万全です 。(ペグなどで地面を差し込んでしまうと、人工芝と防草シートに穴が空いて雑草が生えてくるので、ペグ等での固定はお勧めしません。)
ただし、シートを敷いたからといって過信は禁物です 。シートの範囲外に火の粉が飛べば芝は溶けますし 、シートの上で直接焚き火をすることはできません 。
対策2:「脚の長い」バーベキューコンロを選び、熱源を遠ざける

防火シートと並んで重要なのが、使用するBBQコンロの「高さ」です。
人工芝を熱から守る基本は、「熱源(炭火など)と芝生の距離をできるだけ離す」ことです。
そのため、コンロは可能な限り脚の長いハイスタンド型(立って調理するタイプ)を選んでください 。芝生との物理的な距離が離れるほど、輻射熱による芝生の変形リスクを大幅に減らすことができます 。
ご自宅に卓上型や脚の短いコンロしかない場合、それを人工芝の上(シートを敷いた上でも)に直置きするのは非常に危険です 。
その場合は、コンロを丈夫で安定したアウトドアテーブルの上に乗せて高さを稼ぐ、といった工夫が必要になります 。ただし、そのテーブルが不安定だったり、プラスチック製だとテーブル自体が溶ける事もあるので、そうなると本末転倒ですので、ぐらつきのない安定した設置と、テーブル自体が溶けない素材でできているものである事が大切です。
また、脚が長いタイプを選ぶ際は、そのぶん転倒のリスクも考慮し、脚部がしっかりしていて安定感のある製品を選びましょう 。
もちろん、どんなに脚の長いコンロを使う場合でも、対策1の防火シートとの併用は必須です 。熱源を遠ざけ、かつ、万が一の落下物もシートで受け止める、この二重の対策が安全に楽しむための鍵となります。
対策3:炭火を避け、「ガス式」や「電気式」のコンロを使用する

人工芝BBQで最もリスクが高いのは、やはり「炭火」です。
炭がはぜて火の粉が飛散するリスクをゼロにすることは難しく、これが芝を焦がす最大の原因となります 。
そのため、安全性を最優先するなら、炭火の使用を避け、「ガス式」や「電気式」のコンロを使用するのが最も賢明な選択です 。
電気式のグリル(ホットプレート型)は、火の粉や灰が一切出ないため、人工芝への焦げ付きリスクがほぼゼロになります 。
煙も少ないため、住宅密集地での近隣への配慮という点でも優れています 。電源の確保は必要ですが、安全面では最強と言えるでしょう 。
カセットガス式のグリルも同様に、火の粉が飛ばず着火や火力調整が簡単なため、人工芝との相性が良いです 。炭火に近い高火力を手軽に実現できるため、調理の楽しさと安全性を両立しやすい選択肢です 。
どうしても炭火の風情を楽しみたい場合は、火の粉が飛ぶことを前提とした万全の対策が必要です 。例えば、炭を扱う場所を限定し、常に火消し壺や水バケツをそばに置いておくなど、細心の注意を払う必要があります 。
| 熱源の種類 | 安全性(火の粉) | 人工芝への影響(熱) | 準備・片付けの手間 |
|---|---|---|---|
| 炭火コンロ | △(危険) | △(輻射熱が強い) | ×(大変) |
| ガス式コンロ | ◎(安全) | ◯(熱が少ない) | ◎(簡単) |
| 電気式コンロ | ◎(安全) | ◎(最も熱が少ない) | ◎(簡単) |
対策4:コンロの設置場所は「平ら」で「安定」した場所を選ぶ
防火シートやコンロの種類を選んだら、次に重要なのが「どこに設置するか」です。BBQコンロは重量があるため、必ず水平で安定した場所に設置してください 。
地面が傾いていたり、凸凹していたりすると、調理中にコンロがぐらついて転倒する恐れがあり、非常に危険です 。熱い炭や食材が人工芝の上に散らばれば、大惨事になりかねません。
特にDIYで人工芝を敷設した場合、下地処理が甘く、表面が波打ったり凸凹していることがあります 。
見た目は平らに見えても、重いコンロを置くと沈み込んで傾くケースもあるため 、設置前に必ず安定性を確認してください。もし不安定なら、下に耐熱性のボードやレンガを敷いて水平を確保する工夫が必要です 。
最も安全なのは、コンロ自体を人工芝の上に置かないことです 。
もしお庭にコンクリートやタイルデッキ、インターロッキングなどのスペースがあれば、調理は必ずその不燃性の場所で行うのが理想です 。
火を使う作業は安全な場所で行い、食事や団らんは人工芝の上で楽しむ、という使い分けが賢明ですね 。
対策5:万が一に備え、水バケツや消火器を準備する
ここまでの対策を万全に行っても、「絶対」はありません。万が一、火の粉がシートの外に飛んだり、コンロが転倒したりした場合に備え、初期消火の準備を必ず行ってください 。東京消防庁も、BBQの際は「すぐに消火できるよう水バケツや湿らせた布を用意する」よう強く呼びかけています 。
具体的には、水をたっぷり入れた金属製のバケツ(プラスチック製は熱で溶ける恐れあり)や、濡らした雑巾などを、コンロのすぐそばに常備しましょう 。
火の粉が芝に落ちた瞬間に、すぐに水をかけて消火できれば被害は最小限に抑えられます。可能であれば、家庭用の小型消火器を準備しておくとさらに安心です 。
また、この水バケツはBBQ後の炭の処理にも役立ちます 。使用後の炭は、見た目では火が消えていても中心部が燃え続けていることがあり危険です 。
専用の火消し壺がない場合は、水バケツに炭を完全に沈め、しっかりと消火を確認してから処分するようにしてください 。安全対策を万全にしてこそ、心からBBQを楽しめるのだと思います。
【対策別】人工芝バーベキューにおすすめの「防火シート」や「マット」

ここまで安全対策についてお伝えしてきましたが、安全対策の中でも、特に「何を揃えればいいのか?どんなものがいいのか?」と迷うのが道具選びですよね 。
ここでは、人工芝BBQの必須アイテムである「防火シート類」と、リスクを減らす「BBQコンロ」について、具体的な選び方のポイントとおすすめの製品をご紹介します 。
高価な人工芝を守るためにも、信頼できるメーカーの製品や実績のある商品を選ぶことをおすすめします。
おすすめの「防火シート(バーベキューマット)」3選
防火シートは、人工芝を熱や火の粉から守る最後の砦です。選ぶ際は「サイズ(コンロより十分大きいこと)」「耐熱温度(最低500℃以上)」「素材(ガラス繊維製など)」を必ずチェックしてください 。ここでは、実績があり信頼性の高いおすすめシートを3つご紹介します。
難燃グラスファイバー製 焚き火シート(例: GDUOD製など)

ガラス繊維に難燃コーティングを施したタイプで、耐熱温度が1500℃と非常に高いのが特徴です 。炭や薪が直接落ちても燃え広がりにくく、人工芝の保護用として最適です 。
四隅にペグダウン用のハトメが付いている製品も多く、風でめくれるのを防げます 。50cm角など小さめのものもあるので、お持ちのコンロに合わせて十分なサイズを選んでください 。
ロゴス(LOGOS) 焚き火シート
有名アウトドアブランドであるロゴス製の防火マットも信頼性が高い選択肢です 。もともとキャンプでの焚き火台の下敷き用ですが、人工芝の上でも使用可能な防火シートとして推奨されています 。
耐熱温度は約500〜600℃程度で、厚手のガラス繊維布を採用しており耐久性も実証済みです 。約90×60cmや大型版などサイズ展開もあり、BBQグリルに対応しやすいのも魅力です 。
コールマン ファイアープレースシート
ちらも定番のコールマン社製耐熱シートです 。耐熱温度は約600℃で、焚火台やBBQグリルの下に敷いて地面を保護する目的で広く使われています 。
80cm四方のサイズがあり、一般的な家庭用コンロを十分カバーできます 。軽量で折り畳みやすく、汚れたら洗って繰り返し使える手軽さもポイントです。口コミでも「人工芝の焦げ防止に役立った」との声があり安心感があります 。
「BBQコンロ」の選び方とおすすめ機種
人工芝の上でBBQを行う場合、コンロ選びが安全性に直結します。最優先すべきは「脚付きで高さがあり、熱源を芝から遠ざけられること」 、そして「火の粉が飛びにくい構造であること」 です。
安全性を最優先するなら、炭火は避け、電気式かガス式を選ぶのが賢明です 。
LOGOS ロゴス BBQエレグリル(電気式)
炭を使わず電気ヒーターでプレートを熱するタイプの屋外グリルです。
最大のメリットは、火の粉や灰が一切出ないため、芝が焦げる心配が極めて少ないことです 。脚も高く地面との距離が十分確保されており、人工芝への熱ダメージを最小限に抑えられます。電源コードが必要ですが、安全性は抜群です。
Coleman コールマン ロードトリップグリル(ガス式)
LPガスボンベを使用するスタンド型のガスグリルです。
こちらも炭を使わないので火の粉が飛散しません 。点火や火力調節が簡単で、高火力も得意です。脚も高く安定感があり、ホイール付きで折り畳みも可能なので 、移動や収納がしやすい点も庭でのBBQに向いています。
UNIFLAME ファイアグリル(炭火・直火向け)
どうしても炭火にこだわりたい場合は、こういった脚付きの焚火台を使う選択肢もあります。ただし、他の2機種と比べて火の粉のリスクは格段に上がります 。
使用する場合は、大型の防火シートと、さらにその上に耐火レンガなどで台座を作るなど、二重三重の防護が必須です 。常に人が付きっきりで監視し、消火準備も万全にする必要があり、上級者向けの選択と言えます。
その他:あると便利な関連グッズ(耐熱グローブ・トングなど)
メインの防火シートやコンロ以外にも、安全と快適性を高めるために揃えておきたいグッズがいくつかあります。特に火を扱うBBQでは、油断が火傷や事故につながります。
BBQにあると便利な関連グッズ
- 耐熱グローブ(耐火手袋)
- トング
- 折り畳みテーブル
- 火消し壺
- 消火スプレー
- ランタンなどの照明
耐熱グローブ(耐火手袋)は必須アイテムです 。高温のグリルや網、炭を扱う際、素手や軍手では一瞬で火傷します 。ケブラー繊維などを使った専用の耐熱グローブを必ず用意してください 。
トングも重要です。衛生面と安全面から、「生肉用」と「焼き上がり用」の2本を必ず使い分けるようにしてください 。熱で溶けたり焦げたりする恐れのある木製の菜箸は絶対に使わず 、ステンレス製の長めのトングを準備しましょう。
折り畳みテーブルも、芝生を汚さないために役立ちます 。食材やタレの付いたお皿、飲み物を地面に直置きすると、こぼした時にシミの原因になります 。テーブルの上で作業することで、人工芝への汚れリスクを減らせます 。
このほか、炭火を使うなら安全に消火できる「火消し壺」 、万が一の初期消火に役立つ「消火スプレー」 、夜間のBBQで足元の安全を確保する「ランタンなどの照明」 なども、状況に応じて準備しておくと安心です。
人工芝の「上」以外の選択肢は?安全なBBQスペースの種類と特徴
人工芝の上での対策も重要ですが、最も確実で安全なのは「火気を使う場所を人工芝以外にする」ことです 。
お庭全体を人工芝にするのではなく、一部にBBQができる不燃性のスペースを設けるプランも非常に人気があります。
ここでは、人工芝と組み合わせて設置できる、安全なBBQスペースの代表的な5つの種類と、それぞれの特徴・注意点をご紹介します 。
安全スペース1: タイルデッキ

人工芝の「上」以外の選択肢として、まずご紹介するのが「タイルデッキ」です。磁器タイルやコンクリート平板などで作るテラスは、素材自体が不燃のため、BBQスペースとして最適と言えます 。
火の粉や熱い炭が落ちても焦げたり溶けたりする心配がありません。見た目にも高級感があり、人工芝の鮮やかな緑とのコントラストも美しく仕上がります 。
最大のメリットは、油汚れやタレが染み込みにくい点です 。
表面の吸水性が低いため、BBQ後の掃除が非常に楽で、水でサッと洗い流すだけでキレイな状態を保てます 。また、地面を完全にフラットに仕上げられるため、コンロやテーブル、椅子を置いてもガタつくことがなく安定感も抜群です 。
デメリットとしては、施工費用が高めになる傾向がある点です 。本格的なタイルデッキはコンクリートの下地工事が必要になるため、DIYでの施工は難易度が高いです。
また、タイルによっては夏場に表面が非常に熱くなったり 、雨で濡れると滑りやすい種類もあるため 、表面がザラザラしたノンスリップ仕様のタイルを選ぶことが大切です 。
安全スペース2:レンガなどのインターロッキング

タイルデッキと並んで人気なのが、「レンガ」や「インターロッキングブロック」を敷き詰めたスペースです。これらももちろん不燃性の素材なので、火に対して非常に強く安全です 。
洋風のおしゃれな雰囲気を出しやすく、人工芝とのデザイン的な相性も抜群です 。コンロ周りだけをレンガ敷きにするだけでも、庭の良いアクセントになります 。
メリットは、タイルデッキに比べると比較的安価で、DIYでも挑戦しやすい点です 。地面を掘って下地を作り、砂を敷いてレンガを並べていく作業は、小面積であればご自身でも施工が可能です 。
また、人工芝の高さとピッタリ合わせてフラットに仕上げることもできるので 、段差のない安全な空間を作れます。
ただし、DIYで施工する場合、下地作りが甘いとブロックが沈んだり、ガタつきが出やすいというデメリットがあります 。水平を保つための転圧や水糸を使った高さ調整など、丁寧な作業が求められます 。
また、レンガは吸水性が高いため油ジミが残りやすい点 や、目地から雑草が生えてくる可能性もあるため 、目地には固まる砂を使うなどの対策も有効です 。
安全スペース3:コンクリート

火に対する安全性で言えば、「コンクリート」の土間仕上げが最強と言えるかもしれません。完全に不燃であり、耐久性も抜群です 。
お庭の一角や、駐車場のスペースを活用してBBQコーナーにするご家庭も多いです 。表面が平滑でフラットなため、コンロやテーブルの安定性は最も高いと言えるでしょう 。
メリットは、比較的安価で頑丈な床面を作れることです 。掃除もデッキブラシなどでゴシゴシ水洗いできるためメンテナンスも楽です 。
BBQをしない時も、お子様の遊び場(シャボン玉やストライダーなど)として多目的に使える点も魅力です 。
一方で、コンクリートは吸水性があるため、BBQの油が染み込みやすいという大きなデメリットがあります 。一度染み付いた油汚れは完全に落とすことが難しく、シミとして残ってしまうことが多いです 。
また、見た目が無機質で味気なくなりがちな点や、夏場はタイル以上に日射で表面が高温になる点も考慮が必要です 。
安全スペース4:防草シート+砂利

もっと手軽に、コストを抑えて安全なスペースを作りたい、というDIY志向の方には「砂利敷き」も選択肢になります。もちろん砂利(砕石)は不燃材なので、火の粉が落ちても燃える心配はありません 。
人工芝エリアの一部を防草シートと砂利敷きにしておけば、そこをBBQコンロの置き場所として活用できます 。
最大のメリットは、費用が安く、DIYでの施工が非常に簡単なことです 。防草シートを敷いて砂利を撒くだけなので、専門的な技術もあまり必要ありません 。
透水性が高く水たまりができない点 や、万が一油で汚れても、その部分の砂利を交換すれば元通りになる手軽さも魅力です 。
デメリットは、地面が不安定になりやすいことです 。コンロの脚が砂利に沈んでガタついたり、テーブルや椅子も安定しにくい場合があります 。また、炭や食材が落ちると掃除が非常に大変です 。
小さなお子様が遊ぶスペースとしては活用しにくく 、あくまで「火を使うためだけの場所」と割り切る必要があるかもしれません。
安全スペース5:固まる土

最近DIYでも人気が高まっているのが、「固まる土(防草土)」を使ったスペースです 。これは水をかけるとカチカチに固まる特殊な土で、施工後は雑草が生えにくい舗装面になります 。
見た目は自然な土の風合いですが、表面は固まっているため、もちろん不燃性で火気も使用可能です 。
メリットは、自然な景観を保ちつつ、雑草対策と舗装が同時にできる点です 。人工芝との相性も良く、段差なくフラットに施工すれば一体感のある仕上がりになります 。
テーブルや椅子も安定して置くことができ 、お子様やペットの遊び場としても活用できます 。
ただし、BBQで使う場合、コンクリートと同様に油シミは一度つくと落とすのが非常に難しいという欠点があります 。
また、DIYでの施工が甘いと(特に転圧不足や厚みムラ)、ひび割れが起きたり、そこから雑草が生えてきたりする可能性もあります 。耐久性は製品によって差があるため、信頼できるメーカーの製品を選ぶことが重要です。
(補足)ウッドデッキの上でのバーベキューはOK?

お客様から「ウッドデッキの上でBBQはできますか?」というご質問もよくいただきますが、これについては基本的に推奨しません 。
その理由は、まず天然木のウッドデッキは当然ですが木なので燃えます 。火の粉が落ちれば簡単に黒く焦げ跡が残ってしまいます 。
では、最近主流の「樹脂製ウッドデッキ(人工木)」なら大丈夫かというと、これも注意が必要です。樹脂デッキの材質は、実は人工芝とほぼ同じプラスチック(ポリプロピレンなど)でできています 。
そのため、人工芝同様に熱に弱く、コンロの熱や輻射熱で簡単に溶けたり、変形したりする危険性があるのです 。
もし、どうしてもウッドデッキの上で行う場合は、人工芝の上で行う以上に厳重な対策が求められます 。
デッキ全面に大型の防火シートを敷き、さらにその上に耐火レンガなどでコンロ台を設けるなど、二重三重の防護が必要です。
しかし、万が一デッキに燃え移れば住宅火災に直結するため、火を安全に楽しむためには、やはりBBQスペースはタイルやコンクリートといった不燃性の素材を選ぶのが一番安心です 。
バーベキュー向きの「難燃性・防炎性」人工芝の選び方
これまでは今ある人工芝を「守る」ための対策を中心にお話ししてきましたが、これから人工芝を敷設される場合は、人工芝「自体」の性能に注目することでもリスクを低減できます 。
特にBBQなど火気の使用が想定される場所では、万が一の際にも燃え広がりにくい「防炎性能」を備えた人工芝を選ぶことが重要です 。ここでは、安全性を高めるための人工芝選びのポイントを解説します。
「防炎認証」の有無を確認する
これから人工芝を敷設する方で、お庭でのバーベキューの頻度が高いご家庭なら、「防炎認証」の有無を一つの基準にするのも良い方法です 。
これは、日本防炎協会の定める防炎性能試験に合格した製品に与えられる証で、火がついても燃え広がりにくい性質を持っていることを示しています 。
ここで非常に重要なのは、「防炎=不燃(燃えない)」ではないということです 。あくまで「燃え広がりにくい(自己消火性がある)」という意味であり、防炎認証品であっても炭火が落ちればその部分は溶けたり焦げたりします 。
では意味がないかというと、そんなことはありません。万が一、火の粉が飛んだ場合、非認証品だとそこから燃え広がってしまう可能性がありますが、防炎品であれば被害を最小限に食い止められる可能性が高くなります 。
この「万が一の保険」として、特に小さなお子様がいるご家庭や、ベランダ・屋上など避難経路が限られる場所で使用する場合は、防炎認証品の人工芝を選ぶメリットは大きいと言えます 。
BBQに向く人工芝の素材と特徴
「防炎認証」の有無に加えて、BBQに向く人工芝の素材や特徴についても触れておきます。人工芝の芝葉(パイル)の素材は主にポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)ですが、これらの素材自体よりも、防炎剤が混入されているかどうかの方が安全性には大きく影響します 。
もう一つ、BBQの頻度が高いお庭で考慮したいのが、「ジョイント式(タイル式)」か「ロール式」かという点です。ロール式は継ぎ目が少なく仕上がりが美しいのがメリットですが、もしBBQで一部を焦がしてしまうと、その部分だけを補修するのは難しく、広範囲の張替えが必要になることもあります。
その点、ジョイント式の人工芝であれば、万が一コンロが倒れて広範囲が溶けてしまっても、そのパネルだけを取り外して新しいものと交換することができます 。
ただしジョイント式はリアルな人工芝の質感が出ないため、普段使いとしては印象が少々安っぽくなってしまいます。

補修が非常に簡単なため、火気による損傷リスクが常にある場所では、あえてジョイント式を選ぶというのも合理的な判断だと思います。美観とメンテナンス性を天秤にかけて検討してみてください。
バーベキュー後の人工芝の掃除・メンテナンス方法
バーベキューを存分に楽しんだ後は、大切な人工芝を長持ちさせるための「後片付け」が待っています。
特に油汚れや食べこぼしを放置してしまうと、シミや臭い、カビの原因となり、人工芝の劣化を早めてしまう可能性も否定できません 。
専門業者の間でも「最後の掃除までがBBQ」という意識が大切だと言われています 。ここでは、日常のメンテナンス方法と、万が一焦がしてしまった場合の緊急対処法について解説します。
油汚れ・タレのシミができた場合の掃除手順
BBQで最も厄介なのが、滴る肉汁やこぼしたタレなどの「油汚れ」です。これらは時間が経つとホコリと混じって固着し、落としにくくなってしまいます 。
汚してしまったら、可能な限りその日のうちに対処するのが鉄則です 。
まずは、目に見える食べカスや炭の欠片などを、ほうきとちりとりで丁寧に取り除きます 。小さなゴミは掃除機で吸い取っても大丈夫です 。
次に、タレなどをこぼした場所を中心に、ホースやジョウロで水をかけて洗い流します 。
この時、高圧洗浄機のような強い水流は芝葉を傷めたり、下地を不安定にしたりする可能性があるので、シャワー状の優しい水流で流すのがコツです 。
水洗いだけでベタつきが落ちない頑固な油汚れには、中性洗剤を使います 。食器用洗剤を水で薄め、布やスポンジに含ませて汚れ部分を優しく拭き取ってください 。
この時、洗剤を直接芝に振りかけると濃度が高すぎて変色などの原因になる恐れがあるため、必ず布などに含ませてから使いましょう 。洗剤で拭いた後は、洗剤成分が残らないよう、もう一度たっぷりの水で洗い流し、自然乾燥させれば完了です。
万が一、人工芝を焦がしてしまった場合の補修方法
対策をしていても、不意のアクシデントで「人工芝を焦がしてしまった!」というケースもあるかもしれません。人工芝は一度溶けたり焦げたりすると元には戻りませんが、程度によっては目立たなくする補修が可能です。
まずは焦げの程度を確認します。もし芝葉の表面が軽く黒ずんだ程度であれば、その焦げた芝糸の部分だけをハサミでカットするだけで、意外と目立たなくなることがあります。
しかし、炭が落ちて穴が開いてしまったり、下地の黒いシートが見えてしまったりした場合は、部分的な張り替えが必要です。
もしお使いの人工芝が「ジョイント式(パネル式)」であれば話は簡単で、焦げたパネルだけを取り外して新しいものと交換すれば補修完了です 。
「ロール式」の場合は、カッターナイフで焦げた部分を四角く切り抜き、そこに施工時の余りや同じ製品の人工芝をはめ込みます。
この時、芝の目(向き)を合わせ、屋外用の人工芝専用両面テープや接着剤で固定します。DIYでの補修が難しい場合や、広範囲にわたって損傷した場合は、無理をせず私たちのような施工業者にご相談ください。
【H様邸の解決策】人工芝の横にタイルデッキで安全にBBQ

冒頭でご紹介した奈良県斑鳩町のH様ですが 、当初のご相談は「とにかく雑草をなんとかしたい」というものでした 。
しかし、私たちとのお打ち合わせを重ねる中で、「せっかく庭が綺麗になるなら、家族や友人とバーベキューもしてみたい」という新しい夢が見つかったんです 。
ただ、雑草対策としてお庭全体に人工芝だけを敷いてしまうと、火に弱いためバーベキューができない、という大きな問題にぶつかります 。
そこでH様邸では、「火に弱い人工芝」の美観やメンテナンスフリーの快適さと、「BBQを楽しみたい」という夢を両立させるため、人工芝ゾーンに隣接して耐火性の高い「タイルデッキ」を新設するプランをご提案しました 。
火を使う調理は安全なタイルデッキの上で行い、食事や団らんはふかふかの人工芝の上で楽しむ、という理想的な使い分けを実現する計画です 。
徹底した下地処理が重要
人工芝とタイルデッキ、異なる素材を隣り合わせて美しく仕上げるには、何よりも下地処理が「命」です 。H様邸ではまず、長年H様を悩ませていた雑草と既存の植木をすべて撤去し、庭全体の土を重機で掘削(鋤取り)しました 。

古い土を撤去した後、新しい下地材として「真砂土(まさつち)」を搬入します 。

ただの砂では歩くと沈んでしまいますし、砕石(クラッシャーラン)では表面の細かな高さ調整が非常に難しいのです 。
その点、真砂土は「プレートコンパクター」という機械で強く締め固めるとカチカチに安定し、かつ表面の微調整も可能なため、美しい人工芝の仕上がりには欠かせません 。

特に今回H様が選ばれた人工芝は厚みが薄いタイプで、下地に少しでも凹凸があると、それが全部表面に現れてしまう一切ごまかしの効かない製品でした 。
そのため、私たちはアルミ製の長い定規(棒)を地面に当て 、ミリ単位で隙間ができないよう、土を削ったり足したりしながら徹底的に平坦な下地を追求しました 。もちろん、雨水が溜まらないよう排水のための水勾配も確保し 、防草シートも敷設して雑草対策も万全にしています 。

タイルデッキ(BBQスペース)の設置
H様の「バーベキューがしたい」という夢を叶える、タイルデッキの施工です 。まず、リビングの窓から段差なくスムーズに出入りできるよう高さを計算し、ブロックを積んでデッキの枠(躯体)を作っていきます 。

枠の内側には砕石を敷き詰めて転圧し、デッキの強度を高めるための「メッシュ筋」という鉄筋を配置 。

その後、下地となるコンクリートを流し込みます 。ここでも重要なのが「水勾配」です 。ただ平らに作るだけでは水たまりができてしまうため、雨水がちゃんと外に流れるよう、ごくわずかな傾斜を下地の時点で作っておきます 。
H様邸では、汚れが目立ちにくく人工芝の緑とも調和する、ベージュ系の300mm角ノンスリップ(滑り止め)タイルを採用しました 。

磁器質タイルは吸水率が低く、BBQの油汚れが染み込みにくい最適な素材です 。下地コンクリートの上にこのタイルを丁寧に貼り 、コンロやテーブルをゆとりを持って置けるサイズ(約2m×2m)を確保 。目地にも油染みを防ぐ撥水性の高い材料を使うなど、安全・快適にBBQを楽しめる空間が完成しました 。
平坦に仕上げる防草シートと人工芝の敷設
タイルデッキが完成したら、いよいよ主役の人工芝を敷設していきます 。徹底的に平坦にした下地の上に、まずは雑草対策の要となる高機能な防草シートを敷き詰めます 。

この防草シートの敷き方が甘く、シワが寄ったまま人工芝を敷くと、そのシワがそのまま表面に出てしまい仕上がりが台無しになるため、非常に重要な工程です 。
H様邸では、BBQでの万が一の火の粉も考慮し、燃え広がりにくい「防炎認定付き」のリアル人工芝(芝丈30mm)を選定しました 。

施工で最もこだわったのは、人工芝の下に敷く真砂土の不陸調整で、人工芝にシワが出ないようにフラットなるよう整地を行いました 。
これにより、テーブルや椅子を人工芝に置いてもガタつく心配もありません 。
また、H様邸では1枚で人工芝を敷いたことで、継ぎ目のない美しい人工芝のお庭が完成しました。
H様のお客様の声とビフォー・アフター
こうしてすべての工事が完了したH様邸のお庭が、こちらです 。
あれほどご夫婦を悩ませ、貴重な休日を奪っていた雑草だらけの空間は 、見違えるように鮮やかな緑の人工芝へと生まれ変わりました 。もう、暑い中で腰を痛めながら1時間も2時間も草を抜く必要はなくなったのです 。
そして何より、もし雑草対策のことだけを考えて人工芝だけを敷いていたら、あやうく「バーベキューができない庭」になってしまうところでした 。
火に弱い人工芝の美観とメンテナンスフリーの快適さ、そしてご家族の「バーベキューがしたい」という夢 。
その二つの願いを叶えるために新設されたこのタイルデッキが、H様のこれからの暮らしを豊かに彩ってくれるはずです 。
これからはこのスッキリとしたお庭と安全なタイルデッキで、ご家族やご友人と、夢だったバーベキューを存分に楽しんでいただきたいですね 。
人工芝のバーベキューに関するよくある質問(Q&A)
ここまで人工芝でのBBQ対策について詳しく解説してきましたが、最後にお客様から特によくいただくご質問にお答えします。焚き火はできるのか、シートの代用品はあるのかなど、具体的な疑問をQ&A形式でまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
人工芝生の上でBBQはできますか?
はい、「十分な対策をすれば可能」というのが私たちの答えです 。大前提として、人工芝はプラスチック製で熱に非常に弱いため 、何も対策をせずにコンロを直置きするような行為は絶対にやめてください 。輻射熱だけでも芝は確実に溶けたり焦げたりしてしまいます 。
しかし、これまで解説してきたように、①コンロの下に必ず防火シートを敷く、②脚の長いコンロで熱源を遠ざける、③できれば炭火を避けガスや電気式にする、といった対策をしっかり講じれば、人工芝の上でも安全にBBQを楽しむことは可能です 。専門業者も「しっかり対策すれば安全に楽しめます」と述べていますので 、準備を万全にして楽しんでください。
人工芝の上で焚火はできますか?
いいえ、バーベキュー以上にリスクが高いため、基本的に人工芝の上での焚き火は絶対にできません 。BBQコンロと違い、焚き火は非常に高温の火の粉が広範囲に飛散しやすく、人工芝は火気厳禁が原則です 。
防火シートを敷いたとしても、シートの上で直接薪を燃やすことはできません(シート自体にも耐熱限界があります)し 、地面に伝わる輻射熱だけでも芝が溶ける可能性が非常に高いです。どうしてもお庭で焚き火をしたい場合は、人工芝エリアとは完全に別の場所、例えばコンクリートやレンガ敷きの専用スペースを設け、そこで脚付きの焚火台を使って行うようにしてください 。
防火シートの代わりに段ボールやベニヤ板を使っても良いですか?
絶対にダメです。段ボールやベニヤ板(木板)は、防火シートの代用にはなりません 。それどころか、段ボールや木は非常に燃えやすい可燃物であり、火の粉が落ちればそこから引火し、かえって火災のリスクを爆発的に高めてしまいます 。
キャンプの専門家も、燃えやすい布や段ボールを直火側に置くことは、引火や溶融のリスクが非常に高く危険だと警告しています 。耐火処理がされていない素材は、熱を防ぐどころか燃料になってしまいます 。安全には代えられませんので、必ずガラス繊維製などの市販の専用「防火シート」を使用してください 。
人工芝はバーベキューで溶けますか?
はい、高熱が加われば簡単に溶けます 。人工芝の芝葉はポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)といった樹脂(プラスチック)でできており、約80℃〜100℃程度の熱で柔らかくなり変形し始めます 。
バーベキューの炭火は数百℃に達するため、防火シートなどの対策なしでコンロを置けば、輻射熱だけでも芝は確実に溶けたり焦げたりします 。もちろん、火のついた炭が一つでも芝生に落ちれば、その部分は一瞬で溶けて縮れ、穴が開いてしまいます 。焼き立ての食材をうっかり落とした程度なら大丈夫な場合もありますが 、炭火やコンロ本体の熱は桁違いに危険だと認識し、必ず対策を行ってください。
人工芝でやってはいけないことはありますか?
最も注意すべきなのは、やはり「火気厳禁」です 。人工芝は熱に非常に弱いため、今回テーマになっているバーベキューはもちろん、タバコのポイ捨てや花火も絶対にやめてください 。特に手持ち花火や線香花火でも、火の玉が落ちれば簡単に芝は溶けてしまいます 。
火気以外では、鋭利なもので突き刺す(下地の防草シートまで破れる恐れ)、重い車両を長時間乗り入れる(芝葉が寝て元に戻らなくなる)、ペットのフン尿を長期間放置する(シミや臭いの原因になる)といったことも避けるべきです 。基本的なルールさえ守れば長く快適に使えますが、特に火気の使用には細心の注意が必要です 。
人工芝でBBQをしたいけどどうしたらいいのか分からなくなった人へ
奈良県にお住いの方へ
あなたが奈良県にお住いの方であれば、次のような経験がないでしょうか?
「ネットで検索して色々情報を調べたけど、自分のお庭の場合、どの方法が適しているのか分らない…」
「調べすぎてどうすれば良いのか分からなくなって、考える事がだんだん面倒になってきた…」
そう思っていませんか?
そこで、造園・外構業者さんにお願いしようと考えてはいるけど、、、
「ネットの情報だけでその業者さんを信用していいのか不安だ…」
「ポータルサイトや一括見積りサイトや地元の業者さんのホームページを見たけど、業者さんの対応が悪かったら嫌だな…」
「結局、工事金額はいくらかかるの?」
そう思っていませんか?
これらが分からないと、いくらお庭の問題を解決したくても、不安感から二の足を踏んでしまっていて、ずっと困ったまま過ごさざるを得なくなってしまいますよね。
そこで、もしあなたが奈良県にお住いの方なら、私たち「西原造園の無料相談」がお役に立てるかもしれません。
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