こんにちは、奈良の造園業者西原造園の西原智です。
新築を購入して、いざ住み始めると、思いのほかお庭のお悩みが出てこられているのではないでしょうか?
その中でも、多くの方が悩まれているのが「お庭の水はけが悪く、水たまりができる」とか、「雨が降った後はお庭全体がぐちょぐちょで足を踏み入れられない」とか、「お庭で洗濯物を干そうと思うけど、地面がぬかるんでサンダルが汚れる」「洗濯物が地面に落ちたら一巻の終わり」というような悩みをよく耳にします。
一体どうすれば、お庭の排水がよくなって、お庭に出られるのか?
ここでは、弊社が行った施工事例を元に、お庭の水はけを改善して、子供がお庭で笑顔で遊べるようにする解決策をお伝えします。
目次
庭の水はけを暗渠排水で改善した方法
今回ご紹介するのは生駒郡平群町にお住まいの、お庭の水はけが悪くて悩まれていた杉本様です。
杉本様は、新築を購入されてまだ1年ほどになったばかりです。お住まいにならてすぐに、お庭の水はけが悪く、雨が降るとお庭全体がプール状態になって困っていると仰っていました。
水はけの悪いお庭がどのように変身したかというと…
ビフォー

アフター

杉本様に実際にインタビューをしました
杉本様が抱えられていた、お庭の水はけのお悩みと問題点
お庭の水はけが悪く、雨が降った翌日はお庭一面がプール状態になる
草引きをする気にもならないくらい雑草がひどく生えていた
雨の日の翌日に、勝手口からゴミだしに出るとき、お庭に出た瞬間にサンダルがグチョグチョになる
靴のドロで玄関が泥だらけになって、掃除が大変
子供をお庭で遊ばせることができない

こんにちは。西原造園の西原智です。今回は、お庭の水はけが悪いことで悩まれておられた杉本様のお話です。
ご相談頂く前に、杉本様は「お庭の水はけが悪く、雨が降った翌日は庭一面がプール状態になる」という事で悩まれていました。
そこで何とかならいものかと、弊社にご相談頂きました。
現地調査に行って、杉本様のご相談を伺い、実際に裏庭を見てみると、地面は粘土質で凸凹しており、水はけが悪いのがすぐに見てとれましたし。
雨が降った翌日は、庭一面に水がたまり、水が自然にひいていくのにも、3日ほどかかる状態でした。
また、水が引いても地面がグチョグチョなので、お子様をお庭で遊ばせることが困難な状態でした。

杉本様は、水はけ改善以外にも、「お庭に芝生を敷いて、子供達が走り回れるようにしたい」という夢もお持ちでした。
しかし、この状態のお庭に芝生を敷いてしまうと、当然のことながら芝生は上手く成長しません。また、上に綺麗な土を敷いても、元の地面の排水が悪いので芝生が根腐れを起こしてしまったりする可能性もあります。
広いお庭でしたので、芝生を張る量も多くなるため、費用もそれなりにかかります。せっかく芝生を敷いても枯れたりすると、すぐにまた新しい芝生を買わないといけないという状態の繰り返しになってしまうわけです。
そうならないために、杉本様には、暗渠排水を設置する事と、水勾配を十分にとり、土質を良くするというご提案をせて頂きました。
お庭の水はけが悪い3つの原因とは?
杉本様のお庭の水はけが悪い原因は、様々な要因が考えられますが大きく分けると、3つの原因があります。
原因1 水勾配が取れていない
まず一つ目は、水勾配が取れていないという事です。
これはどういう事かというと、新築のお家に多いのですが、ガレージなどは水勾配が取れているけど、お庭の水勾配まで考えられていないという事です。
水捌けを良くするには、水が流れていく経路をつくってあげないといけません。
その経路の一つに「雨水マス(会所 かいしょ)」と言って、プラスチック製の小さなマンホールがあります。

屋根の雨水は、トユを伝ってこの会所に集まり、排水されていきます。
何が言いたいかというと、お庭の地面の水たまりも、この会所に向かって水勾配を取っていると排水されるという事です。
杉本様のお宅では、会所に向かって水勾配が上手くとれていなかったため、ずっと地面に水たまりができたままの状態でした。
また、雨水マスのフタの高さが、地面よりも高かったため、水が上手く排水されないのも原因の1つでした。
原因2 土が粘土質なので地面に浸透していかない
二つ目の原因は、地面がの土が粘土質であった事です。
これはどういうことかというと、粘土質の土は粒子が非常に細かいため、地面に浸透しづらい状態になります。
どちらかというと、地面の浸透よりも、蒸発によって水が無くなっていくのを待つという状況になります。
要するに、粘土質のお庭は、水勾配が取れていない場合はほとんど浸透していかないので、水の蒸発を待つしかないわけです。
杉本様のお庭は、お庭一面が粘土質であったため、蒸発を待つのに3日ほどかかっていたわけです。
最悪の場合、蒸発を待っている間にまた、雨が降るとさらに蒸発を待たないといけなくなり、一向にお庭に出る事が出来なかったというわけですね。
蒸発に関しては次の動画が参考になるので、ご覧ください。
原因3 擁壁やブロック塀の際が窪んでいる
三つ目の原因は、境界の擁壁とブロック塀の際に窪みがある事です。その窪みに水がたまりやすくなっていました。

これはどいう事かというと、お家を建てられる時に、隣地との境界に土留めのために、新たにブロック塀と擁壁を建てられました。
このブロック塀と擁壁を建てる際に、敷地内でガバッと土を掘る必要が出てきます。
一度掘り起した土は、ほぐれて柔らかくなります。ほぐれた土には、空気が入りやすくなっている状態になります。
そして、擁壁とブロック塀が立った後に、そのほぐれた土を使って埋め戻します。
しばらく経つと、ほぐれた土は、雨や上からの重みでだんだんと沈んで行きます。
要するに、土を掘り起こして、埋め戻すと窪みができやすいという事です。
そのような理由から、擁壁やブロック塀の際は水が溜まりやすくなっていたというわけです。
擁壁の埋戻しの様子はこちらの動画が参考になります。
以上が、杉本様のお家の水はけがわるい原因でした。では、どうすれば水はけがよくなるのか?
次に、水はけを劇的によくする3つの方法についてお伝えします。
庭の水はけを暗渠排水で改善した方法
改善策1 暗渠パイプを設置して排水を劇的に改善
杉本様の一番のお悩みは、庭一面の水はけが悪いということでした。また、お庭に芝生を敷き詰めてお子様が走り回れるようにしたいというご希望もありました。
芝生にするとことで、目の届く範囲内でお子様を遊ばせることができますし、わざわざ公園に行く必要もありませんよね。小さなお子様がおられるお宅には芝生はおすすめです!
ですが、現状だと水たまりがあまりにひどいので、芝生を張る事ができません。
着工日の前日に雨が降り、お庭がとんでもない状態になっているのを目の当たりにしました。

この状態では、芝生を敷ける状態にはありません。奥様にお伺いした所、「これでもまだましな方で、ひどい時は、リビングの前一面が水たまりの状態になっているんです」とも仰っていました。
この状態をどうやって解決したのかというと、暗渠排水を設置する事で解決しました。それによって抜群に排水が良くなりました。
暗渠排水とは、地中に排水溝を作り、そこから水が流れていくようにするという排水方法です。
まずは、会所に向かって溝を掘ります。↓

杉本様のお家は、広いお庭だったので、お庭全体に排水溝を掘って行きます。↓

排水口もただ掘るだけではだめで、排水口自体に水勾配をつけながら掘って行きます。※写真の上から下に向かって水が流れていくイメージです。↓

実際に、排水口がどのように流れるか動画をご覧ください。※緑のシートは透水シートといって、溝の際の土の流出を防ぐために使います。※動画は実際の弊社の施工時の動画です。
次に、暗渠パイプと砕石を埋め込みます。砕石を入れる事で水が流れやすくすると共に、上に質の良い土を乗せる事ができます。
しかし、砕石だけでは排水スピードが遅くなってしまいます。そこで、砕石の中に空洞を作って水の通りを良くするために、暗渠パイプを設置します。

暗渠パイプの上にさらに砕石をかぶせます。

次の動画をご覧頂くと分かりやすいです。※動画は実際の弊社の施工時の動画です。
そして、透水シートで砕石を覆います。透水シートを入れる事で上下左右からの土の流出を防ぎます。
透水シートのメリットは、暗渠排水に土が流れこんで目詰まりしないようにするために行うというわけです。

ここまでが暗渠排水の設置です。次に、芝生の生育を良くするために土を入れ替えた方法についてお伝えします。
改善策2 土を入れ替えて雨水を土に浸透させる
杉本様のお庭の水はけが悪い原因は水勾配以外にも、土質が粘土質であるという事も原因でした。

この状態では、水が地面に浸透していかないので、表面にずっと水たまりが出来たままになります。
また、芝生の生育にも良くありません。
そこで、排水性の高い真砂土を入れることで解決しました。それによって安心して芝生を張れる状態になりました。
先ほどの暗渠排水の上に、浸透性が高く、芝生の生育にも良い真砂土を被せました。

真砂土の排水性は次の動画をご覧頂くと分かりやすいです。次の動画は予め作っておいた暗渠排水の上に水を流し込んでいます。その効果も併せてご覧ください。※動画は実際の弊社の施工時の動画です。
こうする事で、地面へ水が排水されるので、水たまりが改善されます。また、芝生の生育にも良い土なので、青々とした芝生を作る事ができます。
解決ポイント3 雨水が効果的に排水されるように、水勾配を十分に取る
杉本様はのお庭の水はけが悪い原因として、水勾配が取れていないという事と、擁壁とブロック塀の際が窪んでいるという事も原因でした。

いくら切れな土を入れたとはいえ、壁際が窪んでいてはまたそこに水が集まり、水たまりができやすくなります。
また、排水先もないので、さらに水たまりができやすくなります。
そこで、壁際の窪みを埋めるとともに、会所に向かって水勾配を作りました。施工前の写真をご覧頂くと分かりやすいですが、ブロックの際の土が高くなっているのがわかるかと思います。

写真左側から右側(ブロック塀から雨水マス)に向かって勾配が取れているかどうかを、水平機を使って確認します。

青い水平機の真ん中の黄色の箇所に、気泡(空気)があります。気泡が右に寄っていれば右側の方が高くなっている証拠です。
こうするこで、壁際に水たまりが出来ないようになり、表面の水は会所に向かって流れて行きます。
暗渠排水の実際の効果は?
ここまでで
・水勾配を取る事で、土の表面の水は雨水マスに向かって流れる。
・基本的に雨水は地面に浸透していくので、水たまりも解消される
・暗渠排水を入れる事で芝生が元気に成長してくれる
というように改善しました。
でも実際の所本当に、水はけがよくなっているの?と思われているかもしれませんよね。そこで、実際に雨が降った日に、どうなっているのか?動画があるので、ご覧ください。
晴れた日のお庭がこちらです。

この上に、今後芝生を敷きつめていきます。
実際に頂いたお客様の声
