「暗渠排水管…どんな仕組みなん…」
こんにちは、奈良県でお庭の管理を楽にして自分時間を奪われないお庭を造る造園業者、西原造園の西原智です。
新築を購入して、いざ住み始めると、思いのほかお庭のお悩みが出てこられているのではないでしょうか?
その中でも、多くの方が悩まれているのが「お庭の水はけが悪く、水たまりができる」とか、「雨が降った後はお庭全体がぐちょぐちょで足を踏み入れられない」とか、「お庭で洗濯物を干そうと思うけど、地面がぬかるんでサンダルが汚れる」「洗濯物が地面に落ちたら一巻の終わり」というような悩みをよく耳にします。
一体どうすれば、お庭の排水がよくなって、お庭に出られるのか?
ここでは、弊社が行った施工事例を元に、お庭の水はけを改善して、子供がお庭で笑顔で遊べるようにする解決策をお伝えします。
暗渠排水管とは?仕組みを解説
暗渠排水管とは?暗渠排水と明渠排水の違いと透水管の仕組みについて
暗渠排水とは、地下に設置された管や溝によって雨水や地下水を排水するシステムです。
対して、明渠排水は地表に設けられた溝や水路によって水を排水する方法です。
暗渠排水管は目立たず、美観を損なわず、さらに土地の有効活用が可能です。
透水管は暗渠排水の一種で、表面に多数の穴が開いており、周囲の水を管内に取り込んで排水します。
暗渠排水 | 明渠排水 | |
---|---|---|
メリット | ・目立たない ・土地の有効活用が可能 ・美観を損なわない |
・整備が容易 ・コストが比較的低い ・水路の確認がしやすい |
デメリット | ・整備や点検が難しい ・設置コストが高い ・汚れが溜まりやすい |
・目立つ ・美観を損なう可能性あり ・土地を占有する |
田んぼ(水田)や畑や土木工事や農業用でよく使われる排水パイプでもある
田んぼや畑、土木工事、農業用で使われる排水パイプは、水の流れを調節し、適切な水位を保つ役割があります。
これらのパイプは、耐久性が高く、施工が簡単で、柔軟性があり、環境に配慮した素材が使われています。
耐久性は、長期間使われるため、耐食性や耐圧性が重要です。
施工の簡便さは、現場での効率を考慮し、継手を使って早く確実に設置できる構造が求められます。
柔軟性は、土地の形状に合わせて設置できるよう、曲がりやすい素材や長さ調節可能なタイプが好まれます。
環境への影響を考慮し、無毒性の素材が使用されています。
適切な排水パイプを使うことで、土地利用効率や環境保全に貢献します。
【暗渠排水のメリット】暗渠排水路や溝を作って庭の水たまりをなくす
暗渠排水路や溝を作ることで、庭の水たまりを解消できます。
理由は、暗渠排水路や溝が雨水や地下水を効果的に排出するためです。
具体例として、庭に水がたまる場所に暗渠排水路を設置し、そこから雨水や地下水を効率的に遠くへ排水します。
これにより、庭の水はけが改善され、水たまりがなくなります。
また、溝を設置する場合は、庭の低い場所に水が流れ込むように、適切な傾斜を持たせることが重要です。
このように、暗渠排水路や溝を適切に設置することで、庭の水たまりを解消できるのです。
結論として、暗渠排水路や溝を作ることは、庭の水たまりをなくす効果的な方法であり、適切な設計や施工を行うことで、庭の水はけを大幅に改善できます。
【暗渠排水のデメリット】暗渠排水は目詰まりする。防止する方法は?
暗渠排水のデメリットの一つは目詰まりの可能性があることですが、適切な対策を行うことで防止できます。
理由は、暗渠排水は地中に埋められているため、土やゴミが侵入しやすく、それが原因で目詰まりが発生することがあります。
しかし、適切な手段を講じることで、目詰まりを防ぐことができます。
具体例として、以下の方法が挙げられます。
- 排水口にゴミや枝葉を防止するためのフィルターやグリッドを設置する。
- 定期的に排水路を点検し、ゴミや土砂がたまっていないか確認し、必要に応じて清掃する。
- 暗渠排水路の周囲に植物を植える際は、根が深く伸びず、排水路に影響を与えない植物を選ぶ。
このように、適切な対策を講じることで暗渠排水の目詰まりを防止できます。
暗渠排水のデメリットは、目詰まり以外にもいくつかあります。以下にその例を挙げます。
施工コストが高い
地中に排水路を設置するため、施工費用が明渠排水よりも高くなることがあります。また、特別な技術や機材が必要な場合もあります。
故障の発見が困難
暗渠排水は地中に埋まっているため、問題が発生した際にその原因を特定しにくく、修理に手間がかかることがあります。
維持管理が大変
定期的な点検や清掃が必要であり、それに伴う手間やコストが発生します。また、目詰まりや故障が発生した場合、迅速に対処する必要があります。
これらのデメリットを考慮しつつ、暗渠排水の利点(見た目の美しさ、安全性向上など)と総合的に判断し、適切な排水設備を選択することが重要です。
また、専門家と相談し、デメリットを最小限に抑えるような設計や施工方法を選択することも効果的です。
暗渠排水管(パイプ)の種類はとは?
暗渠排水パイプの種類1 コルゲート管
結論から言うと、コルゲート管は暗渠排水管の一種で、その特徴は軽量性と高い耐久性にあります。
理由は、コルゲート管は、波状のリブ構造を持つプラスチック製の管で、この構造が強度と軽量性を両立させているからです。
また、プラスチック製であるため、腐食に対する耐性が高く、長期間の使用に適しています。
具体例として、コルゲート管は、道路や駐車場の下に埋設する際によく用いられます。
その軽量性と耐久性から、施工が容易で、耐荷重性も高く、道路などの負荷に耐えることができます。
さらに、コルゲート管は、径の大きなものから小さなものまで様々なサイズがあり、用途に応じて選ぶことができます。
結論として、コルゲート管は暗渠排水管の一種であり、その軽量性と耐久性が特徴です。
道路や駐車場の排水設備に適しており、長期間の使用に対応できるため、暗渠排水において重要な役割を果たしています。
暗渠排水パイプの種類2 有孔管
結論から言うと、有孔管は暗渠排水管の一種で、その特徴は穴が開いていることで、効率的な排水が可能である点にあります。
理由は、有孔管は表面に小さな穴が開いており、これによって周囲の土壌から水を効果的に取り込み、排水することができます。
また、プラスチックやセメント製が一般的で、材料によっては腐食に対する耐性も高くなります。
具体例として、有孔管は、庭や花壇の排水設備に適しています。
土壌からの余分な水分を効率的に排水することで、植物の根腐れを防ぎ、健康的な成長を促すことができます。
また、有孔管は、土壌改良や農業用排水設備にも使用されることがあります。
結論として、有孔管は暗渠排水管の一種であり、その効率的な排水能力が特徴です。
庭や花壇、土壌改良や農業用排水設備など、さまざまな用途で利用されており、水はけを改善する上で重要な役割を果たしています。
有孔管のデメリットについて
目詰まり
有孔管の穴が小さいため、泥や土が詰まりやすく、その結果、排水性能が低下することがあります。
定期的なメンテナンスが必要
目詰まりを防止するため、定期的に清掃や点検が必要となり、手間とコストがかかります。
耐荷重性が低い場合
材質や製造方法によっては、耐荷重性が低く、重い物を支えることができない場合があります。
暗渠排水の砕石の種類
結論から言うと、暗渠排水の砕石には、主に粗砂利、細砂利、角砂利の3つの種類があります。
それぞれ異なる特徴と用途があるため、適切な砕石を選ぶことが重要です。
理由は、砕石の種類によって水はけや透水性が変わるためです。
粗砂利は大きな空隙があるため、水はけが良いですが、細かい土が詰まりやすくなります。
細砂利は空隙が小さく、土の詰まりにくいですが、水はけが悪くなります。
角砂利は空隙が適度で、水はけと土の詰まりにくさのバランスが良いです。
具体例として、粗砂利は暗渠排水路の底に敷くことで、水の流れを促進し、排水性能を向上させます。
細砂利は、砕石と土の間に敷くことで土の侵入を防ぎます。
角砂利は、排水路の周囲に敷くことで、土の詰まりを防ぎつつ、水はけを確保します。
結論として、暗渠排水の砕石には粗砂利、細砂利、角砂利の3つの種類があり、それぞれ異なる特徴と用途があるため、適切な砕石を選んで使用することが重要です。
お庭の暗渠排水管や有孔管の施工方法と手順。diyでもできる暗渠排水の作り方は?
お庭の水はけが悪い問題を解決するため、DIYで暗渠排水の施工が可能です。
しかし、適切な手順と方法を把握していないと、効果が十分に得られない可能性があります。
そこで、適切な暗渠排水の施工方法と手順を理解しましょう。
まず、排水路のルートを計画し、そのルートに沿って溝を掘ります。
深さは、有孔管の直径に合わせたものにし、緩やかな傾斜をつけて水が流れやすくします。
次に、溝の底に砕石を敷き、その上に有孔管を設置します。有孔管は、穴が上を向くように配置しましょう。
その後、有孔管の周りに砕石を詰め、最後に土をかぶせて固定します。
これで、お庭の暗渠排水の施工が完了し、水はけが改善されます。
DIYでの暗渠排水施工は、手順を理解していれば可能ですが、専門知識や技術が必要な場合もあるため、不安な場合はプロに依頼することをおすすめします。
暗渠排水管や透水管の勾配はどれくらい?
暗渠排水管や透水管の適切な勾配は、通常1%~2%です。この勾配が重要な理由は、水の流れを円滑にするためです。
勾配が適切であれば、水は自然な流れを持って排水され、水たまりや水はけの悪さを防ぎます。
例えば、10メートルの排水管の場合、1%の勾配であれば、始点から終点までの高低差は10センチになります。
この高低差が水の流れを促します。
逆に、勾配が不十分だと水の流れが悪くなり、排水管が詰まりやすくなるリスクが高まります。
また、勾配が急すぎる場合も問題が生じることがあり、水が早く流れすぎて透水管の穴から充分に水が浸透できなくなります。
結論として、暗渠排水管や透水管の勾配は1%~2%が適切です。
これにより、水の流れを確保し、排水機能を維持することができます。
暗渠排水の深さ
暗渠排水の適切な深さは、地域や土壌の状況によって異なりますが、一般的には50cm~80cmが目安です。
この深さが重要な理由は、効果的な排水を実現するためです。
適切な深さで設置された暗渠排水は、雨水や地下水を適切に排出し、水害や土壌の浸水を防ぐことができます。
例えば、土壌の水はけが悪い場所では、暗渠排水を深く設置することで、地下水を効果的に排水し、水害のリスクを減らすことができます。
しかし、深さが不十分だと、排水機能が十分に働かず、庭や敷地内に水たまりができやすくなります。
また、深さが過剰に深い場合も、コストや施工時間が増加するデメリットがあります。
結論として、暗渠排水の適切な深さは50cm~80cmが目安ですが、地域や土壌の状況に応じて調整が必要です。
暗渠排水を不織布覆って目詰まりを防止する。
暗渠排水で目詰まりを防止する方法として、不織布を使用して管を覆う方法が効果的です。
不織布を使用する理由は、水は通過させる一方で、土や砂などの固形物を遮断するためです。
これにより、暗渠排水管内に固形物が侵入するのを防ぎ、目詰まりを軽減できます。
具体例として、有孔管を使用した暗渠排水の設置時に、管の周囲に不織布を巻きつけます。
不織布は、土や砂などの固形物を遮断し、管内に入る水だけを通すため、目詰まりが発生しにくくなります。
また、定期的に不織布を交換することで、さらに効果的な目詰まり防止が期待できます。
暗渠排水の排水先は枡にする
: 住宅で暗渠排水管を設置する場合、排水先はお庭の雨水枡にすることが望ましいです。
理由: 暗渠排水管は、家の下水道と排水管を接続するためのものです。
暗渠排水管を設置することで、家から出た廃水を外に排出することができます。
しかし、廃水を外に直接排出することは、地球環境に悪影響を与えることがあります。
そのため、暗渠排水の排水先はお庭の雨水枡にすることが望ましいです。
具体例: 例えば、お庭の雨水枡に暗渠排水を排水することで、家から出た廃水を植物に利用することができます。
植物にとっては、水分と栄養分となり、また、地球環境にも負担をかけずに、廃水を排出することができます。
結論: お庭の雨水枡に暗渠排水を排水することは、地球環境に優しく、植物にとっても有益なことです。
住宅で暗渠排水管を設置する際は、是非お庭の雨水枡を排水先にすることを検討してみてください。
暗渠排水管の接続
暗渠排水管の接続について、正しい方法で行うことが重要です。
適切な接続がなされることで、排水システムの効率が向上し、問題の発生を抑えることができます。
接続方法の選択には、排水管の種類や材質、サイズに応じた適切な接続部品を使用することが重要です。
これにより、管同士の密着性が向上し、漏水や目詰まりのリスクを低減できます。
具体例として、PVC製の暗渠排水管を接続する場合、専用のソケットや接着剤を使用して接続します。
また、コルゲート管や有孔管の場合は、専用の継手を使用して接続することが一般的です。
適切な接続部品を使用することで、管同士の隙間を最小限に抑え、安定した排水システムを構築できます。
暗渠排水にフィルター材として砕石を入れる
暗渠排水溝にフィルター材として砕石を入れることで、暗渠排水管の目詰まりをしにくくさせ、より排水能力を上げる効果があります。
暗渠排水は、庭の水を地下を通って、外に排出しますが、排水時に、細かな泥や汚れなどが含まれています。
これらの汚れが排水管内に溜まり、排水障害を引き起こす可能性があります。
そのため、フィルター材として砕石を入れることで、廃水をクリアにすることができます。
具体例: 例えば、暗渠排水管内に砕石を入れることで、廃水中の泥や汚れが砕石の間に捕まり、排水障害を防ぐことができます。
また、砕石は、汚れを除去するためにも役立ちます。
暗渠排水にフィルター材として砕石を入れることは、廃水をクリアにする効果があり、排水障害を防ぐことができます。
フィルター材としての砕石を使用することをお勧めします。
暗渠排水のメンテナンス
暗渠排水システムは、適切なメンテナンスが必要です。これにより、システムの効率を維持し、長寿命化を実現できます。
メンテナンスが重要である理由は、排水システムが目詰まりや劣化によって機能低下を招く可能性があるからです。
定期的な点検とメンテナンスを行うことで、これらの問題を未然に防ぎ、効率的な排水を維持できます。
具体例として、暗渠排水システムのメンテナンスでは、定期的に管内の泥やゴミの除去、有孔管の穴の詰まりの確認、接続部の漏水チェックなどが挙げられます。
また、不織布を使用している場合は、適切な交換時期を見極めることも大切です。
結論として、暗渠排水システムのメンテナンスは、システムの効率を維持し、長寿命化を実現する上で欠かせません。
適切なメンテナンス方法を理解し、実践することで、安定した排水システムを維持できるでしょう。
定期的な点検とメンテナンスを行うことで、暗渠排水システムの機能低下を防ぎ、快適な生活環境を実現できます。
暗渠排水工事を行った弊社の施工事例
今回ご紹介するのは生駒郡平群町にお住まいの、お庭の水はけが悪くて悩まれていた杉本様です。
杉本様は、新築を購入されてまだ1年ほどになったばかりです。お住まいにならてすぐに、お庭の水はけが悪く、雨が降るとお庭全体がプール状態になって困っていると仰っていました。
水はけの悪いお庭がどのように変身したかというと…
ビフォー
アフター
杉本様に実際にインタビューをしました
杉本様が抱えられていた、お庭の水はけのお悩みと問題点
お庭の水はけが悪く、雨が降った翌日はお庭一面がプール状態になる
草引きをする気にもならないくらい雑草がひどく生えていた
雨の日の翌日に、勝手口からゴミだしに出るとき、お庭に出た瞬間にサンダルがグチョグチョになる
靴のドロで玄関が泥だらけになって、掃除が大変
子供をお庭で遊ばせることができない
こんにちは。西原造園の西原智です。今回は、お庭の水はけが悪いことで悩まれておられた杉本様のお話です。
ご相談頂く前に、杉本様は「お庭の水はけが悪く、雨が降った翌日は庭一面がプール状態になる」という事で悩まれていました。
そこで何とかならいものかと、弊社にご相談頂きました。
現地調査に行って、杉本様のご相談を伺い、実際に裏庭を見てみると、地面は粘土質で凸凹しており、水はけが悪いのがすぐに見てとれましたし。
雨が降った翌日は、庭一面に水がたまり、水が自然にひいていくのにも、3日ほどかかる状態でした。
また、水が引いても地面がグチョグチョなので、お子様をお庭で遊ばせることが困難な状態でした。
杉本様は、水はけ改善以外にも、「お庭に芝生を敷いて、子供達が走り回れるようにしたい」という夢もお持ちでした。
しかし、この状態のお庭に芝生を敷いてしまうと、当然のことながら芝生は上手く成長しません。また、上に綺麗な土を敷いても、元の地面の排水が悪いので芝生が根腐れを起こしてしまったりする可能性もあります。
広いお庭でしたので、芝生を張る量も多くなるため、費用もそれなりにかかります。せっかく芝生を敷いても枯れたりすると、すぐにまた新しい芝生を買わないといけないという状態の繰り返しになってしまうわけです。
そうならないために、杉本様には、暗渠排水を設置する事と、水勾配を十分にとり、土質を良くするというご提案をせて頂きました。
お庭の水はけが悪い3つの原因とは?
杉本様のお庭の水はけが悪い原因は、様々な要因が考えられますが大きく分けると、3つの原因があります。
原因1 水勾配が取れていない
まず一つ目は、水勾配が取れていないという事です。
これはどういう事かというと、新築のお家に多いのですが、ガレージなどは水勾配が取れているけど、お庭の水勾配まで考えられていないという事です。
水捌けを良くするには、水が流れていく経路をつくってあげないといけません。
その経路の一つに「雨水マス(会所 かいしょ)」と言って、プラスチック製の小さなマンホールがあります。
屋根の雨水は、トユを伝ってこの会所に集まり、排水されていきます。
何が言いたいかというと、お庭の地面の水たまりも、この会所に向かって水勾配を取っていると排水されるという事です。
杉本様のお宅では、会所に向かって水勾配が上手くとれていなかったため、ずっと地面に水たまりができたままの状態でした。
また、雨水マスのフタの高さが、地面よりも高かったため、水が上手く排水されないのも原因の1つでした。
原因2 土が粘土質なので地面に浸透していかない
二つ目の原因は、地面がの土が粘土質であった事です。
これはどういうことかというと、粘土質の土は粒子が非常に細かいため、地面に浸透しづらい状態になります。
どちらかというと、地面の浸透よりも、蒸発によって水が無くなっていくのを待つという状況になります。
要するに、粘土質のお庭は、水勾配が取れていない場合はほとんど浸透していかないので、水の蒸発を待つしかないわけです。
杉本様のお庭は、お庭一面が粘土質であったため、蒸発を待つのに3日ほどかかっていたわけです。
最悪の場合、蒸発を待っている間にまた、雨が降るとさらに蒸発を待たないといけなくなり、一向にお庭に出る事が出来なかったというわけですね。
蒸発に関しては次の動画が参考になるので、ご覧ください。
原因3 擁壁やブロック塀の際が窪んでいる
三つ目の原因は、境界の擁壁とブロック塀の際に窪みがある事です。その窪みに水がたまりやすくなっていました。
これはどいう事かというと、お家を建てられる時に、隣地との境界に土留めのために、新たにブロック塀と擁壁を建てられました。
このブロック塀と擁壁を建てる際に、敷地内でガバッと土を掘る必要が出てきます。
一度掘り起した土は、ほぐれて柔らかくなります。ほぐれた土には、空気が入りやすくなっている状態になります。
そして、擁壁とブロック塀が立った後に、そのほぐれた土を使って埋め戻します。
しばらく経つと、ほぐれた土は、雨や上からの重みでだんだんと沈んで行きます。
要するに、土を掘り起こして、埋め戻すと窪みができやすいという事です。
そのような理由から、擁壁やブロック塀の際は水が溜まりやすくなっていたというわけです。
擁壁の埋戻しの様子はこちらの動画が参考になります。
以上が、杉本様のお家の水はけがわるい原因でした。では、どうすれば水はけがよくなるのか?
次に、水はけを劇的によくする3つの方法についてお伝えします。
庭の水はけを暗渠排水で改善した方法
改善策1 暗渠パイプを設置して排水を劇的に改善
杉本様の一番のお悩みは、庭一面の水はけが悪いということでした。また、お庭に芝生を敷き詰めてお子様が走り回れるようにしたいというご希望もありました。
芝生にするとことで、目の届く範囲内でお子様を遊ばせることができますし、わざわざ公園に行く必要もありませんよね。小さなお子様がおられるお宅には芝生はおすすめです!
ですが、現状だと水たまりがあまりにひどいので、芝生を張る事ができません。
着工日の前日に雨が降り、お庭がとんでもない状態になっているのを目の当たりにしました。
この状態では、芝生を敷ける状態にはありません。奥様にお伺いした所、「これでもまだましな方で、ひどい時は、リビングの前一面が水たまりの状態になっているんです」とも仰っていました。
この状態をどうやって解決したのかというと、暗渠排水を設置する事で解決しました。それによって抜群に排水が良くなりました。
暗渠排水とは、地中に排水溝を作り、そこから水が流れていくようにするという排水方法です。
まずは、会所に向かって溝を掘ります。↓
杉本様のお家は、広いお庭だったので、お庭全体に排水溝を掘って行きます。↓
排水口もただ掘るだけではだめで、排水口自体に水勾配をつけながら掘って行きます。※写真の上から下に向かって水が流れていくイメージです。↓
実際に、排水口がどのように流れるか動画をご覧ください。※緑のシートは透水シートといって、溝の際の土の流出を防ぐために使います。※動画は実際の弊社の施工時の動画です。
次に、暗渠パイプと砕石を埋め込みます。砕石を入れる事で水が流れやすくすると共に、上に質の良い土を乗せる事ができます。
しかし、砕石だけでは排水スピードが遅くなってしまいます。そこで、砕石の中に空洞を作って水の通りを良くするために、暗渠パイプを設置します。
暗渠パイプの上にさらに砕石をかぶせます。
次の動画をご覧頂くと分かりやすいです。※動画は実際の弊社の施工時の動画です。
そして、透水シートで砕石を覆います。透水シートを入れる事で上下左右からの土の流出を防ぎます。
透水シートのメリットは、暗渠排水に土が流れこんで目詰まりしないようにするために行うというわけです。
ここまでが暗渠排水の設置です。次に、芝生の生育を良くするために土を入れ替えた方法についてお伝えします。
改善策2 土を入れ替えて雨水を土に浸透させる
杉本様のお庭の水はけが悪い原因は水勾配以外にも、土質が粘土質であるという事も原因でした。
この状態では、水が地面に浸透していかないので、表面にずっと水たまりが出来たままになります。
また、芝生の生育にも良くありません。
そこで、排水性の高い真砂土を入れることで解決しました。それによって安心して芝生を張れる状態になりました。
先ほどの暗渠排水の上に、浸透性が高く、芝生の生育にも良い真砂土を被せました。
真砂土の排水性は次の動画をご覧頂くと分かりやすいです。次の動画は予め作っておいた暗渠排水の上に水を流し込んでいます。その効果も併せてご覧ください。※動画は実際の弊社の施工時の動画です。
こうする事で、地面へ水が排水されるので、水たまりが改善されます。また、芝生の生育にも良い土なので、青々とした芝生を作る事ができます。
解決ポイント3 雨水が効果的に排水されるように、水勾配を十分に取る
杉本様はのお庭の水はけが悪い原因として、水勾配が取れていないという事と、擁壁とブロック塀の際が窪んでいるという事も原因でした。
いくら切れな土を入れたとはいえ、壁際が窪んでいてはまたそこに水が集まり、水たまりができやすくなります。
また、排水先もないので、さらに水たまりができやすくなります。
そこで、壁際の窪みを埋めるとともに、会所に向かって水勾配を作りました。施工前の写真をご覧頂くと分かりやすいですが、ブロックの際の土が高くなっているのがわかるかと思います。
写真左側から右側(ブロック塀から雨水マス)に向かって勾配が取れているかどうかを、水平機を使って確認します。
青い水平機の真ん中の黄色の箇所に、気泡(空気)があります。気泡が右に寄っていれば右側の方が高くなっている証拠です。
こうするこで、壁際に水たまりが出来ないようになり、表面の水は会所に向かって流れて行きます。
暗渠排水の実際の効果は?
ここまでで
・水勾配を取る事で、土の表面の水は雨水マスに向かって流れる。
・基本的に雨水は地面に浸透していくので、水たまりも解消される
・暗渠排水を入れる事で芝生が元気に成長してくれる
というように改善しました。
でも実際の所本当に、水はけがよくなっているの?と思われているかもしれませんよね。そこで、実際に雨が降った日に、どうなっているのか?動画があるので、ご覧ください。
晴れた日のお庭がこちらです。
この上に、今後芝生を敷きつめていきます。