「荒れた庭をどうにかしたい」と思いつつ、背丈まで伸びた雑草やジャングル化した庭木を前に、どこから手を付ければいいか途方に暮れていませんか?
特に一戸建てにお住まいの共働き世代の方や、遠方の実家を管理されている方にとって、放置してしまった庭は、見るたびに心が重くなる大きなストレス源ですよね。
「休日にやろうと思っても体が動かない」「近所の目が気になって窓も開けられない」……そのお気持ち、現場で多くのご相談を受ける私には痛いほどよく分かります。
実は、荒れ果てた庭の解決策は「根性での草むしり」だけではありません。プロの視点で「自分でできる範囲」を冷静に見極め、適切な「庭じまい」の手法を取り入れれば、二度と草むしりに悩まない生活が手に入ります。
この記事では、造園業歴20年の私が、荒れた庭をリセットするための具体的な手順と、業者に頼む際の費用相場、そして管理不要な庭にするリフォーム術までを徹底解説します。もう一人で悩まず、一緒に解決の糸口を見つけましょう。
この記事を読むと以下のことがわかります:
- 放置された庭が招く「特定空家」指定や損害賠償などの深刻なリスク
- 「自分でやる」か「プロに頼む」かの明確な判断基準とチェックリスト
- 荒れた庭をDIYで片付ける際の効率的な手順と必須道具
- 造園業者・便利屋・シルバー人材センターの費用相場と賢い使い分け
- 防草シートやコンクリートなどで「二度と荒れさせない」庭にするリフォーム手法

西原 智(西原造園 代表)
奈良県で庭リフォーム・外構工事を行う現役職人
奈良県を中心に庭リフォーム・外構工事を行う西原造園代表。
職人歴20年以上、奈良県内での施工実績は500件以上。
これまで「雑草管理が限界になった庭」「人工芝を選んだ庭」「生垣をフェンスに変えた庭」など、奈良県特有の土壌・気候・生活背景を踏まえた庭の悩みを数多く解決してきた。
本記事で紹介している内容は、実際の施工現場で判断し、改善してきた事例・経験に基づくものであり、カタログや机上の知識ではなく「現場で結果が出た方法」のみを解説している。
全国紙「ガーデン&エクステリア」掲載歴あり。父は一級造園技能士、母は一級造園施工管理技士。地域に根ざし、「あとで後悔しない庭づくり」を第一に考えることを信条としている。
雑草だらけで荒れた庭を放置する7つのリスク!「庭が荒れている家」が招くトラブル
一戸建ての庭や空き家の敷地で、「荒れた庭をどうにかしたい」と悩みつつも放置を続けてしまうと、単なる美観の問題では済まされない深刻なトラブルに発展することをご存じでしょうか。
雑草や庭木が繁茂した状態は、近隣への実害や防犯リスク、さらには法的なペナルティまで招く恐れがあります。ここでは、現場で実際に見聞きした事例をもとに、放置庭が抱える7つのリスクについて解説します。
⚠️ 放置厳禁!雑草だらけの庭が招く7つのリスク
- 1. 近隣トラブルへの発展
枝の越境や悪臭により、損害賠償問題や人間関係の断絶を招きます。 - 2. 害虫・害獣の住処になる
スズメバチの巣やシロアリ、ネズミの温床となり、家族の健康を脅かします。 - 3. 防犯性が低下しターゲットに
死角が増えて空き巣に入りやすくなり、不法投棄の場所としても狙われます。 - 4. 建物の劣化と資産価値の低下
湿気で外壁や基礎が腐朽し、売却時の査定額が大幅に下がる原因になります。 - 5. 火災(放火)の原因になる
乾燥した枯れ草は燃えやすく、放火犯の標的になりやすいため延焼リスクが高まります。 - 6. 倒木やブロック塀の倒壊事故
台風や地震で倒れ、通行人や隣家に被害を与えれば所有者の責任になります。 - 7. 【要注意】行政指導と税金の増額
「特定空家」に指定されると、固定資産税が最大6倍に跳ね上がるペナルティがあります。
1. 近隣トラブルへの発展(枝の越境・落ち葉・悪臭)
「荒れた庭をどうにかしたい」と焦るきっかけで最も多いのが、近隣からの苦情です。特に住宅密集地の一戸建てや実家の空き家では、境界線を越えて隣家に侵入する枝や雑草が深刻なトラブルの種になります。私の経験でも、伸び放題の枝が隣の敷地や屋根を傷つけたり、大量の落ち葉が雨樋を詰まらせたりして、損害賠償問題に発展しかけたケースがありました。
また、積み重なった落ち葉や枯れ草が腐敗すると、独特の悪臭を放ち始めます。これが「臭いがひどい」と近隣のストレスになり、人間関係を修復不可能なほど悪化させることもあります。ご自身が住んでいない実家の場合、気づかないうちに迷惑をかけ続けていることが多いため、定期的な確認と越境箇所の剪定は待ったなしの課題と言えます。
2. 害虫・害獣の住処になる(スズメバチ・シロアリ・ネズミ)
手入れができず草木が鬱蒼とした庭は、害虫や害獣にとって格好の隠れ家となります。特に小さなお子様がいるご家庭や、しばらく人が立ち入っていない実家の庭では注意が必要です。雑草だらけの湿った場所は蚊のボウフラが湧く温床になるほか、伸びすぎた庭木の中や軒下にはスズメバチが巣を作るリスクが高まります。実際に草刈り中にハチの巣に気づかず刺される事故も多発しています。
さらに恐ろしいのは、放置された枯れ木や切り株がシロアリの発生源となり、大切な家屋の基礎まで食害されるケースです。また、物置の下や積まれた廃材の隙間はネズミやハクビシン、野良猫の住処になりやすく、フン尿による衛生被害も招きます。荒れた庭を放置することは、家族の健康と家そのものを危険に晒すことと同義なのです。
3. 防犯性が低下し空き巣や不法投棄のターゲットに
「荒れた庭をどうにかしたい」とお考えの方にぜひ知っていただきたいのが、防犯面でのリスクです。雑草が生い茂り、郵便受けにチラシが溜まっている家は、外から見て「人が住んでいない」または「管理が行き届いていない」ことが一目瞭然です。空き巣にとっては、高い草木が目隠しとなり、侵入しても誰にも気づかれない絶好のターゲットとなります。
また、管理されていない敷地は不法投棄の場所として狙われやすい傾向にあります。一度誰かがゴミを捨てると、「ここは捨ててもいい場所だ」と認識され、家電や古タイヤなどが次々と投げ込まれ、あっという間にゴミ屋敷化してしまうことも珍しくありません。こうなると撤去費用は所有者の負担となり、経済的にも大きなダメージを負うことになります。庭を整えることは、我が家の安全を守る最初の防波堤なのです。
4. 建物の劣化を早め、資産価値が下がる
庭の荒れは、建物そのものの寿命を縮める直接的な原因になります。庭木が建物に覆いかぶさるように茂ると、日当たりや風通しが悪くなり、外壁に苔やカビが発生しやすくなります。常に湿気が滞留する環境は、木造住宅の外壁や基礎の腐朽を早め、結果として建物の資産価値を著しく低下させてしまいます。
さらに、庭木の根が成長して基礎コンクリートや給排水管を持ち上げ、破損させる事例も現場でよく目にします。また、雨樋に落ち葉が詰まると雨水が溢れ、本来濡れるはずのない外壁内部に水が浸入して雨漏りを引き起こすこともあります。将来的に実家を売却や賃貸に出そうと考えている場合、庭が荒れているだけで「管理されていないボロ家」という印象を与え、相場より大幅に安く買い叩かれる要因にもなりかねません。
5. 火災(放火)の原因になる危険性
空き家や留守がちな家で最も恐ろしいのが火災ですが、その出火原因のトップクラスが「放火」であることをご存じでしょうか。荒れた庭に堆積した枯れ草や落ち葉、放置された雑誌などの可燃物は、放火犯にとって格好の火種となります。夜間に照明もなく、雑草で死角が多い庭は、誰にも見られずに火をつけやすいため、狙われるリスクが格段に高まります。
夏場に乾燥した雑草は、タバコのポイ捨て程度の火でも一瞬で燃え広がり、自宅だけでなく近隣の家屋まで巻き込む大火災につながる危険性があります。もし管理不備(可燃物の放置など)が原因で延焼させた場合、所有者の重過失が問われる可能性もゼロではありません。「荒れた庭をどうにかしたい」という思いを行動に移すことは、火災という取り返しのつかない悲劇を防ぐためにも極めて重要です。
6. 倒木やブロック塀倒壊による事故リスク
長年放置された庭木や老朽化したブロック塀は、台風や地震の際に凶器へと変わります。内部が腐食した高木や、重心が偏った庭木は、強風であっけなく倒れ、隣家の屋根を破壊したり、道路を塞いだりする事故を引き起こします。実際に倒木が隣家の車を直撃し、多額の賠償金を請求された事例も存在します。
また、ひび割れや傾きがあるブロック塀も非常に危険です。大阪北部地震での事故のように、倒壊した塀が通行人を巻き込めば、所有者は法的責任だけでなく、一生消えない後悔を背負うことになります。特にご自身で管理が難しい遠方の実家などの場合、こうした構造物の劣化に気づくのが遅れがちです。他人に危害を加える前に、危険な木や塀を撤去・改修することは、所有者としての重大な責務と言えるでしょう。
7. 【要注意】「空家等対策特別措置法」による行政指導と税金増額
「荒れた庭をどうにかしたい」と考えている方にとって、法的なペナルティは無視できない問題です。2015年に施行された「空家等対策特別措置法」により、倒壊の危険や著しい衛生悪化(害虫発生など)、景観を損なう状態の空き家は「特定空家等」に指定される可能性があります。荒れ放題の庭も、この判断基準の一つとして考慮される重要な要素です。
行政からの指導に従わず、事態が悪化して「勧告」を受けると、その時点で固定資産税の住宅用地特例(税金が6分の1になる減税措置)が解除されてしまいます。つまり、固定資産税が最大で約6倍に跳ね上がるということです。
さらに改善が見られず「命令」に違反した場合は、最大50万円以下の過料が科される可能性があります。最悪のケースでは、行政代執行により強制的に樹木の伐採等が行われ、その費用を全額請求されることもあります。経済的な損失を防ぐためにも、行政から指導が入る前に自主的に対策を講じることが賢明です。
【判断基準】荒れた庭の手入れは自分でできる?プロに頼むべきボーダーライン
「費用を抑えるために自分でやりたいけれど、本当にできるだろうか?」と迷われている方は多いはずです。現場を見ている私の感覚では、DIYでのリカバリーが可能なラインと、無理をして怪我や失敗につながるラインには明確な境界線があります。
特に放置期間が長く、一戸建ての庭全体が荒れている場合は、客観的な基準で判断することが、結果的に時間もお金も守ることになります。ここでは、プロに任せるべきかどうかの具体的な「ボーダーライン」を解説します。

自分でできるケース(草丈50cm未満・範囲が狭い・処分手段がある)
DIYで対応しても安全かつ確実に完了できるのは、主に「雑草の勢いがまだ制御範囲内」のケースです。具体的には、雑草の高さが膝下(約50cm未満)であれば、家庭用の草刈り機や鎌で十分に太刀打ちできます。この高さなら、足元の障害物(石や配管など)も見えやすく、作業中の転倒リスクも比較的低いためです。
また、対象エリアの面積が30㎡(約10坪)未満であることも重要な目安です。これくらいの広さなら、週末を使って少しずつ進めても心が折れずに完了できます。そして何より重要なのが、「ゴミの処分手段があるか」です。刈った草や枝を自治体のゴミ袋(45L袋)に入れて10袋以内で収まる量、もしくはご自身でクリーンセンターへ持ち込める車と体力があるなら、DIYでの解決は十分に可能です。まずは「高さ・広さ・ゴミ」の3点で判断してみてください。
プロに頼むべきケース(背丈以上の雑草・危険生物・ゴミ屋敷化)
一方で、無理をせずプロに依頼すべきなのは、雑草が腰の高さ(約1m)を超え、大人の背丈に達している場合です。こうなると茎が木質化して硬くなり、家庭用の道具では刃が立ちません。また、深い草むらは足元の視界を奪うため、隠れている段差や古井戸、ガラス片などで大怪我をする危険性が跳ね上がります。
さらに、スズメバチの巣がある、マムシが出るといった「危険生物」の存在が疑われる場合や、庭木が高さ3m以上に成長している場合も、装備のない素人作業は命に関わります。加えて、庭に古タイヤや壊れた家電、大量の瓦礫などが散乱して「ゴミ屋敷化」している場合も要注意です。これらは一般ゴミとして出せないため、結局は産廃処理が必要になります。危険と労力が限界を超えている場合は、迷わずプロを頼ってください。
DIYか業者か迷った時のセルフチェックリスト
「うちは微妙なラインかも…」と迷ったときは、以下のリストでセルフチェックをしてみてください。一つでも「YES」があればプロへの相談を、2つ以上なら即依頼を推奨します。
- 雑草の高さ:自分の腰より高い草が密集しているか?
- 面積:手入れしたい範囲は30㎡(駐車場2台分強)を超えているか?
- 庭木:高さ3m以上の木や、幹が太い(直径10cm超)木があるか?
- 放置期間:1年以上、全く手入れをせず放置していたか?
- 危険物:ハチの巣を見かけた、または害虫・害獣の気配があるか?
- 不用品:草木以外に、タイヤやブロックなど処分に困るゴミがあるか?
- 体力・時間:真夏に一人で累計8時間以上の重労働が可能か?
特に「体力・時間」は重要です。私の現場経験上、DIYで始めてみたものの「半分も終わらずに熱中症でダウンし、結局業者に頼んだ」というケースは後を絶ちません。無理のない判断が、早期解決への近道です。
📝 DIYか業者か迷った時の
セルフチェックリスト
以下の項目にいくつ「YES」がありますか?
- ☑ 雑草の高さ:自分の腰より高い草が密集しているか?
- ☑ 面積:手入れ範囲は30㎡(駐車場2台分強)を超えているか?
- ☑ 庭木:高さ3m以上の木や、幹が太い(直径10cm超)木があるか?
- ☑ 放置期間:1年以上、全く手入れをせず放置していたか?
- ☑ 危険物:ハチの巣や、マムシ等の害虫・害獣の気配があるか?
- ☑ 不用品:草木以外に、タイヤやブロックなど処分困難なゴミがあるか?
- ☑ 体力・時間:真夏に一人で累計8時間以上の重労働が可能か?
2つ以上「YES」がある → 無理せず即依頼すべきレベル
【DIY】自分で荒れた庭をどうにかする手順!どこから始める?
「よし、自分でやろう!」と決めたものの、ジャングル化した庭を前に立ち尽くしてしまう……。そんな方のために、プロが実践している「効率的かつ安全に庭をリセットする手順」を伝授します。荒れた庭の攻略には、闇雲に動くのではなく「正しい順序」と「適切な道具選び」が不可欠です。一戸建ての庭を想定し、計画の立て方から難関であるゴミ処分まで、現場の知恵を交えてステップごとに解説します。
作業はどこから?効率的な進め方とスケジュールの立て方

広範囲の荒れ庭作業で失敗する最大の原因は、「いきなり全体をやろうとすること」です。まずは「拠点づくり」から始めましょう。具体的には、玄関周りや勝手口、道具を置くスペースの周辺から手を付けます。
足場を確保し、達成感を得ることでモチベーションを維持するのがコツです。
次に、作業の方向は「上から下へ」「奥から手前へ」が鉄則です。高い庭木の剪定を先に済ませてから地面の草刈りをすることで、落ちた枝葉をまとめて掃除できます。
また、庭の奥から入り口に向かって後退しながら作業すると、刈った草を踏み固めずに済み、ゴミ出しの動線もスムーズになります。日程は「初日は草刈りだけ」「翌週に剪定」と段階的に分け、特に夏場は涼しい朝方の2〜3時間に限定するなど、無理のないスケジュールを組んでください。
草刈り機・鎌・安全装備…状況に合わせた失敗しない「道具」選び

道草刈り機・鎌・安全装備…状況に合わせた失敗しない「道具」選び 道具選びは作業効率を左右します。広い範囲(30㎡以上)には、エンジン式や充電式の「刈払機(草刈り機)」が必須です。景石が多い場所や塀の近くでは、金属刃ではなく「ナイロンコードカッター」を使うと、刃の跳ね返りが少なく安全です。
ただし、砂利や小石が散らばっている場所での使用には注意が必要です。ナイロンコードは高速回転で小石を激しく弾き飛ばすため、足や周囲の物に当たり大変危険です。小石が多いエリアでは使用を避けるか、飛散防止カバーなどの対策を徹底しましょう。
一方、狭い場所や花壇周りには、小回りの利く「手鎌」や、根から抜ける「草抜きフォーク」が役立ちます。 私が現場で必ず確認するのは、道具以上に「身を守る装備」です。高速で回転する刃や飛散する石から目を守る「保護メガネ(ゴーグル)」は絶対着用してください。
手袋は滑り止め付きの厚手のもので、トゲや虫刺されを防ぎます。足元は長靴か安全靴を選び、草刈り機を使う際は「すね当て(脚絆)」もあると安心です。道具への投資は、怪我を防ぐための保険と考えてください。
【除草剤】の種類と効果的な撒き方!時期を逃すと効果半減?
「草刈りをしたけれど、根から抜くのは大変…」という場合、除草剤は強力な味方です。今生えている雑草を枯らすには、葉から吸収させる液体の「茎葉処理剤(グリホサート系など)」を使います。逆に、草を刈った後の更地に新しい草を生やしたくない場合は、土に撒く粒状の「土壌処理剤」が有効です。
効果を最大化するポイントは「タイミング」です。茎葉処理剤は、雑草が元気に成長している時期(春〜初秋)で、かつ晴れた日の午前中に撒くのがベストです。雨上がりで土が湿っている時も薬剤が浸透しやすい好機ですが、散布直後に雨が降ると流れてしまうので天気予報は要確認です。背丈が高い雑草には、一度刈り取ってから新芽が出たタイミングで散布すると、薬剤が根までしっかり届きやすくなります。
自分で伐採して「庭木を減らす」!安全な切り方と注意点

「大きくなりすぎた庭木を減らしたい」という場合、DIYで安全に伐採できる目安は高さ2〜3m以下、幹の太さ20cm以下までです。それ以上の大木や、電線にかかっている枝は、迷わずプロに任せてください。
自分で切る場合のコツは、いきなり根元から倒そうとしないこと。まず枝を払い、幹を上から50cm〜1m程度の輪切りにして、だるま落としのように低くしていきます。これなら周囲への被害を防げます。ノコギリを使う際は、切りたい方向の反対側に切り込み(追い口)を入れるとスムーズです。切り倒した後の「切り株」はシロアリの温床になるため、可能なら抜根するか、ドリルで穴を開けて「抜根剤(スタンプアウトなど)」を注入し、腐らせて処理することをおすすめします。
「庭の手入れ方法」の基本!伸び放題の枝を剪定するコツ

伐採まではしなくても、伸び放題の枝を整理したい場合の「剪定」の基本は、「風通しと日当たり」の改善です。
この時に「忌み枝:徒長枝(とちょうし)、ひこばえ(胴吹き枝)、枯れ枝、交差枝、逆さ枝など」と呼ばれる枝を剪定する事がコツです。
意味枝の種類:素人の方でも見つけやすく、失敗のリスクが少なくて効果が大きい「まずはこれだけ切ればOK」という枝を5つ厳選しました。
- 徒長枝(とちょうし):1本だけビューンと勢いよく「真上」に突き出している枝。
- ひこばえ:木の「根元」から地面のあたりで勢いよく生えている細い枝。
- 胴吹き枝:太い「幹」の途中からチョロチョロと直接生えている細い枝。
- 枯れ枝:枯れてしまって見苦しい枝
- 逆さ枝:木の外側ではなく、「幹の方(内側)」に向かって伸びている枝
まずは、見つけやすく失敗の少ない枯れ枝と、根元から勢いよく生える「ひこばえ」、真上に突き出した「徒長枝」から切り落としましょう。
さらに、内側に向かう「逆さ枝」も切ると、木の内側に空間ができ、虫が発生しにくくなります。
切る際は、枝の途中でぶつ切りにせず、「枝分かれしている付け根付近」で切るのがルールです。途中で切ると、そこから枯れ込んだり、変な方向に枝が伸びたりして樹形が乱れます。
また、一度に葉を落としすぎると木が弱るため、全体の3割程度に留めるのが無難です。剪定は本来冬場が適期ですが、荒れ庭の場合は時期を気にしすぎず、まずは「物理的に邪魔な枝」を減らすことを優先して構いません。
一番の難関!土・石・ブロックなど「大量のゴミ・不用品」の処分方法
DIYで最も頭を悩ませるのが、作業後に出る大量のゴミです。草や細い枝は自治体の燃えるゴミに出せますが、問題は「土・石・砂利・コンクリートブロック」です。これらは多くの自治体で「処理困難物」として回収してもらえません。庭から出た残土を山林や河川敷に捨てるのは不法投棄になるため絶対にNGです。
少量の土なら、ホームセンターの引き取りサービスや、プランターの土再生材を使って再利用する方法があります。しかし、大量の残土やガラ(コンクリート片)が出た場合は、専門の「残土処分業者」や「不用品回収業者」に依頼するのが現実的です。DIYを始める前に、必ずお住まいの自治体のゴミ区分を確認し、「自分では捨てられないもの」がどれくらい出るかを見積もっておくことが、途中で詰まないための重要ポイントです。
自分でやる場合の安全対策(服装・熱中症)
庭作業、特に夏場のDIYは過酷です。プロである私たちでも熱中症対策は最優先事項です。服装は、暑くても長袖・長ズボンが基本です。虫刺され、植物によるかぶれ、切り傷を防ぐため、肌の露出は極力避けてください。帽子と首元のタオルも必須です。
熱中症対策としては、のどが渇く前に水分・塩分を補給し、30分〜1時間ごとに日陰で休憩を取る勇気を持ってください。「あと少しだから」という無理が命取りになります。また、万が一の怪我や蜂刺されに備え、携帯電話を身につけておくこと、ポイズンリムーバーなどの救急セットを近くに置いておくことも、一人作業の際は重要な命綱となります。
荒れた庭の手入れを業者に依頼する費用相場と失敗しない選び方
「やはり自分では無理そうだ…」と判断した場合、次に気になるのは費用ですよね。業者選びは、単に安ければ良いというものではありません。
依頼先によって得意分野や料金体系が異なるため、ご自身の庭の状態や目的に合わせて使い分けることが、賢くコストを抑える鍵となります。ここでは、造園業者、便利屋、シルバー人材センターの特徴と、具体的な費用相場について解説します。
依頼先の種類と使い分け(造園業者・便利屋・シルバー人材センター)
業者選びの第一歩は、それぞれの特徴を理解することです。
| 比較項目 | ① 造園業者 (庭師・専門業者) | ② シルバー人材 (地域の高齢者) | ③ 便利屋 (何でも屋) |
|---|---|---|---|
| 費用感 | △ 高め (技術料含む) | ◎ 安い | ◯ 中〜高 (時間制が多い) |
| 技術力 | ◎ プロ品質 | △ 人による | △ バラつきあり |
| スピード | ◎ 早い (専用機材あり) | △ ゆっくり | ◯ 普通 |
| 対応範囲 | ◎ 広い 高木伐採・抜根 消毒・リフォーム | × 狭い 高所・危険作業は 不可の場合が多い | ◯ 条件付き 不用品処分や 解体も可能 |
| おすすめ な人 | ・根本から綺麗にしたい ・3m以上の木がある ・失敗したくない | ・とにかく安くしたい ・平地の草むしりのみ ・急いでいない | ・ゴミ処分も頼みたい ・物置解体がある ・ついで作業がある |
【雑草処理の費用】1㎡あたりいくら?草刈り・草むしりの単価相場
雑草処理の料金は、主に「面積(㎡)」か「時間」で計算されます。
- 草刈り(機械刈り):
- 相場:1㎡あたり100円〜500円程度。
- (例:30坪/約100㎡で、1万円〜5万円前後)
- ※草丈が50cm未満なら安く、1mを超えると割増料金になるのが一般的です。
- 草むしり(手作業):
- 相場:1㎡あたり500円〜1,500円、または1人1時間2,000円〜3,000円。
- 根から抜く手作業は手間がかかるため、機械刈りの3〜5倍の費用になることも珍しくありません。
これらに加え、「出張費(3,000円〜)」や「ゴミ処分費(軽トラ1台5,000円〜1万円)」が加算される点に注意が必要です。
【庭手入れ業者の費用】作業内容別の業者費用一覧(剪定・抜根・整備)
雑草以外に、庭木や整地が必要な場合の目安です。
これらはあくまで目安で、現場の状況(重機が入れるか、斜面かなど)によって大きく変動します。
荒れた庭の手入れ費用を少しでも安く抑えるポイント
プロに頼みつつ、費用を抑えるためのコツをいくつかご紹介します。
- 「処分」を自分でやる: 見積もりの中で大きな割合を占めるのが「ゴミ処分費」です。刈った草や切った枝を「集めて袋詰めするまで」を業者に頼み、ゴミ出し自体は自分で行えば、数万円単位で節約できることがあります。
- 相見積もりを取る: 必ず2〜3社から見積もりを取りましょう。「他社とも比較しています」と伝えるだけで、適正価格や値引きを引き出しやすくなります。ただし、極端に安い業者は「刈った草を放置していく」などのトラブルもあるので口コミ確認は必須です。
- 繁忙期を避ける: 庭師が忙しい5〜6月(草の成長期)や年末を避け、1月〜3月の閑散期や、真夏の酷暑時期(業者が空いている場合)に依頼すると、価格交渉に応じてくれる可能性があります。
二度と荒れた庭に戻さない!管理を楽にする「庭じまい」リフォーム対策
「せっかく綺麗にしても、またすぐ草が生えてくるのでは…」という不安こそが、最も解決したい悩みではないでしょうか。
荒れた庭からの真の解放は、一時的な清掃ではなく、「管理の手間を極限まで減らすリフォーム(庭じまい)」にあります。将来のご自身の体力や、実家の維持管理を見据え、現場でよく提案する5つの解決策をご紹介します。

荒れた庭をおしゃれに再生!防草シート+砂利敷きでコストを抑える

最もポピュラーで、コストパフォーマンスに優れた方法が「防草シート+砂利敷き」です。光を遮断するシートで雑草の発生を抑え、その上に砂利を敷くことでシートの劣化を防ぎつつ、見た目も整えます。
- メリット: コンクリートに比べて安価(10㎡あたり材料費・施工費で数万円〜)。雨水が地面に染み込むため水はけが良い。歩くと音がするので防犯効果も期待できる。
- 注意点: シートの品質が命です。ホームセンターの安価な織布シートではなく、プロ用の不織布シート(ザバーンなど)を使わないと、数年でスギナなどが突き破ってきます。また、落ち葉が多い庭では掃除がしにくい側面もあります。
駐車場にして有効活用!コンクリート舗装で完全メンテナンスフリーに
「もう絶対に草取りをしたくない!」という方には、土間コンクリート舗装が最強の選択肢です。庭を駐車場としてリフォームすれば、雑草対策と同時にスペースの有効活用も可能になります。
- メリット: 雑草が生える隙間がなく、メンテナンスフリー。掃除もほうきで掃くだけ。駐車スペースが増えれば、来客用や将来の貸し出し用としても資産価値が上がります。
- 注意点: 費用が高額(1㎡あたり1万円前後〜)。一度施工すると撤去が大変。夏場は照り返しで暑くなりやすいため、庭全面ではなく、家の周りや駐車場部分に限定して施工するのが賢い使い方です。
自然な風合いで雑草対策!アプローチなどに使える「固まる土」
「コンクリートだと無機質で冷たい感じがする…」という方には、「固まる土(ガンコマサなど)」がおすすめです。土にセメントや樹脂を混ぜた舗装材で、水をかけると固まり、見た目は土の風合いのまま雑草を防げます。
- メリット: 自然な見た目で庭に馴染む。コンクリートより安価。表面が平らになるので、落ち葉掃除がブロワーやほうきで非常に楽にできます。
- 注意点: 強度はコンクリートに劣るため、駐車場には不向き(ひび割れる)。人が歩くアプローチや、植木の周りなどの雑草対策として部分的に使うのが最適です。
人工芝を敷いて手間なしで緑を楽しむ
「緑は欲しいけれど、芝刈りや草取りは無理」という共働き世帯や子育て世代に人気なのが、高品質な「人工芝」です。最近の製品は見た目が非常にリアルで、クッション性も高いため、お子様やペットの遊び場としても優秀です。
- メリット: 一年中青々とした緑を楽しめる。水やり・肥料・芝刈りが一切不要。防草シートとセットで施工すれば防草効果も高い。
- 注意点: 初期費用がかかる。火気に弱いためBBQ直下はNG。7〜10年程度で劣化(色褪せやへたり)するため、将来的な張り替えコストも考慮が必要です。
「植栽の断捨離」でスッキリ!手入れが楽な木への植え替えや本数の削減
庭木が多すぎて管理できない場合は、思い切って「植栽の断捨離」を行いましょう。「先祖代々の木だから…」と残し続けてジャングルになるより、管理できる数本に絞って大切にする方が、木にとっても幸せです。
- 提案:
- 本数を減らす: 手に負えない高木や、剪定頻度の高い生垣(カイヅカイブキなど)を伐採・抜根し、シンボルツリー1本にする。
- 樹種を変える: 成長が早く毎年剪定が必要な木から、成長が遅く自然樹形で楽しめる木(アオダモ、ソヨゴなど)に植え替える。
- フェンス化: 生垣を撤去し、目隠しフェンスに交換すれば、剪定の手間はゼロになります。
荒れた庭をどうにかしたいけど、自分では出来そうにない人へ
奈良県にお住いの方へ
あなたが奈良県にお住いの方であれば、次のような経験がないでしょうか?
「ネットで検索して色々情報を調べたけど、自分のお庭の場合、どの方法が適しているのか分らない…」
「調べすぎてどうすれば良いのか分からなくなって、考える事がだんだん面倒になってきた…」
そう思っていませんか?
そこで、造園・外構業者さんにお願いしようと考えてはいるけど、、、
「ネットの情報だけでその業者さんを信用していいのか不安だ…」
「ポータルサイトや一括見積りサイトや地元の業者さんのホームページを見たけど、業者さんの対応が悪かったら嫌だな…」
「結局、工事金額はいくらかかるの?」
そう思っていませんか?
これらが分からないと、いくらお庭の問題を解決したくても、不安感から二の足を踏んでしまっていて、ずっと困ったまま過ごさざるを得なくなってしまいますよね。
そこで、もしあなたが奈良県にお住いの方なら、私たち「西原造園の無料相談」がお役に立てるかもしれません。
毎月5名限定なので、今すぐ次のボタンをクリックして詳細を確認してみてください。
今月はあと5名
お問合せフォーム受付時間:24時間 年中無休
荒れた庭の解決に関するよくある質問
荒れた庭をきれいにするには何から始めればいいですか?
まずは「不用品の撤去」と「動線の確保」から始めてください。枯れた鉢植えやゴミを捨て、玄関や勝手口周りの草を刈って足場を作ります。いきなり奥地の草刈りをするのではなく、手前から徐々に攻略範囲を広げていくのが挫折しないコツです。
荒れた庭の整地費用はいくらですか?
草やゴミを取り除いた後、地面を平らにならす整地費用は、1㎡あたり数百円〜1,000円程度が目安です。ただし、凸凹が激しい場合や重機を入れる必要がある場合、残土処分費を含めると、30㎡の庭で5万円〜10万円程度(草刈り費別)かかることもあります。
雑草だらけの庭をなんとかしたいのですがどうすればいいですか?
「現状のリセット(草刈り)」と「再発防止(防草対策)」の2段階で考えてください。今ある草を刈るだけでは数週間で元通りです。除草後に防草シートを敷く、砂利を入れる、除草剤を定期散布するなど、必ず「次生えないための対策」をセットで行うことが解決への近道です。
荒れた庭をDIYできれいにし続けることは可能ですか?
可能ですが、相当な覚悟と継続が必要です。夏場は2週間に1回程度の草取りや薬剤散布が必須となります。「それを続ける自信がない」と感じるなら、防草シートなどの資材を導入して、物理的に草が生えない環境を作ることを強くおすすめします。
庭が荒れている家は風水的にも良くないですか?
風水では、庭は気の入り口とされ、荒れた庭は「陰の気」が溜まり家運を下げると言われます。迷信と思われるかもしれませんが、実際、荒れた庭を見て毎日ため息をつく生活は心理的にもマイナスです。庭を綺麗にすることは、心の健康を取り戻すことにも直結します。
実家の庭が遠方で管理できません。どうすれば良いですか?
自分での管理が無理なら、「空き家管理サービス」を利用するか、思い切って「庭じまい(伐採・舗装)」を行うべきです。年間数万円の管理費を払うか、初期投資でメンテナンスフリーにするかの選択です。放置して近隣トラブルや特定空家指定による増税(数倍になることも)を招くより、コストをかけてでも対策する方が、結果的に安く済みます。
まとめ
荒れた庭の問題は、放置すればするほど解決のハードルが高くなり、精神的にも金銭的にも負担が増していきます。しかし、どんなに荒れ果てた庭でも、必ず再生させる方法はあります。
大切なのは、「すべて自分で完璧にやらなければ」という思い込みを捨てることです。
- 危険な作業やゴミ処分はプロに頼る。
- 維持できない植栽は減らす。
- 草むしりから解放されるために防草資材を使う。
これらは決して「手抜き」ではなく、これからの暮らしを守るための「前向きな選択」です。この記事で紹介したボーダーラインや対策を参考に、まずは小さな一歩、例えば業者に見積もりを取る、あるいは玄関先の一角だけ片付けてみることから始めてみてください。
その一歩が、窓を開けるのが怖かった毎日から、清々しい気持ちで庭を眺められる毎日へと変わるきっかけになるはずです。あなたの庭と心が、一日も早くスッキリ晴れやかになることを、心から応援しています。

