雑草対策でグランドカバー植物を植えたいけれど、種類が多すぎてどれを選べばいいかわからない…」共働きで忙しいご家庭や、体力的に草むしりが辛くなってきた方にとって、庭の雑草は本当に悩みの種ですよね。
貴重な休日が草むしりで終わってしまったり、せっかく植えた植物が逆に繁殖しすぎて手に負えなくなったらどうしよう、と不安に思う気持ち、私も現場でたくさん伺ってきました。間違った植物を選ぶと、雑草以上の手間がかかってしまうことさえあるんです。
でも、ご安心ください。あなたの庭の環境(日当たりや使い方)に合った植物を正しく選べば、雑草の悩みから解放され、手入れが格段に楽になります。大切なのは、見た目だけでなく、その植物の性質をしっかり理解することです。
そこでこの記事では、造園のプロである私が、20年以上の経験から「本当に雑草対策になる植物」の選び方から、具体的なおすすめ品種、そして「植えてはいけない」注意すべき植物まで、徹底的に解説します。
この記事を読むと以下のことがわかります:
- 雑草対策になるグランドカバー植物の選び方
- 【目的別】日陰や踏みつけに強いおすすめ植物15選
- 後悔しないために知っておきたい「植えてはいけない植物」
- グランドカバーの基本的な植え方と手入れのコツ
- 雑草対策に関するよくある質問とプロの回答

西原造園の代表で職人歴20年以上の現役の造園・庭・外構の職人。施工実績500件以上。施主様の生活背景や状況を理解し戸建ての庭のリフォームをメインに外構・造園・エクステリアプランを作成したり、特にお庭の問題を解決するのが得意。全国紙ガーデン&エクステリアの掲載歴があり、父は一級造園技能士、母は奈良新聞にも掲載された一級造園施工管理技士。仕える事と書いた仕事ではなく、志す事と書いた「志事」をするがモットー。
グランドカバーとは?庭の雑草対策になる3つのメリットを解説!

「グラウンドカバー」という言葉、最近よく耳にするようになったのではないでしょうか。これは、その名の通り「地面(Ground)を覆う(Cover)」性質を持つ植物の総称です。
芝生もその一種ですが、より多様な種類があり、芝生ほど手入れを必要としないものも多いのが特徴です。雑草対策で植物を植える場合、このグランドカバープランツが主役になります。
では、なぜグランドカバーが雑草対策になるのか。その仕組みはとてもシンプルで、地面を葉で密に覆うことで、雑草の種が発芽するために必要な太陽光を遮ってしまうからです。
雑草も植物ですから、光がなければ育つことができません。先に地面を覆ってしまえば、後から雑草が生えてくるのを物理的に防ぐことができる、というわけです。
もちろん、メリットはそれだけではありません。まず第一に、面倒な草むしりの手間が劇的に減ります。これが最大のメリットと言えるでしょう。
次に、庭の景観が向上します。緑のじゅうたんが広がったり、季節によっては可愛らしい花が一面に咲いたりと、殺風景だった地面が生き生きとした空間に変わります。
さらに、土壌を保護する役割もあります。雨による泥はねを防いで建物の基礎を汚しにくくしたり、夏の強い日差しから土の乾燥を守ったり、土の流出を抑えたりする効果も期待できるのです。
グランドカバーが雑草対策になる3つのメリット
- 草むしりの手間が減る
→ 地面を植物が覆うことで、雑草が生えるスペースと光を遮断。発芽を抑える。 - 庭の景観が美しくなる
→ 緑のじゅうたんや季節の花が咲くことで、殺風景だった庭が華やかに。 - 土壌を守る効果がある
→ 雨の泥はね防止、夏の乾燥防止、土の流出や風化も防ぐ。
【重要】雑草対策に効く!グランドカバー植物の選び方 3つのポイント

グランドカバー植物を選ぶ際、ただ「見た目が好きだから」という理由だけで決めてしまうのは失敗のもとです。大切なのは、あなたの庭の環境と、あなたが庭をどう使いたいか、という目的に合っているかどうか。
ここでは、私が現場でお客様に必ず確認する3つの重要なポイントをご紹介します。この3つを押さえるだけで、植物選びの成功率は格段に上がりますよ。
庭の日当たりで選ぶ【日向・半日陰・日陰に強い植物】
植物選びで最も基本的ながら、一番重要なのが「日当たり」の確認です。
人間と同じで、植物にもそれぞれ好みの環境があります。一日中日の当たる南向きの庭で元気に育つ植物もあれば、建物の北側のような日陰でこそ生き生きとする植物もあるのです。
例えば、共働きで日中の庭の様子がわからないご家庭では、まず朝・昼・夕の3つの時間帯で、庭のどこにどれくらい日が当たるかを休日にチェックしてみてください。
特に、夏と冬では太陽の高さが違うので、日当たりの範囲も大きく変わります。「日向」「半日陰(一日のうち数時間日が当たる)」「日陰」の3つにエリア分けして、それぞれの場所に合った植物を選ぶことが、雑草対策で植物を育てる上での大前提です。
日陰に日向向きの植物を植えても、うまく育たずに隙間だらけになり、結局そこから雑草が生えてきてしまいますからね。
この日当たりの条件さえ間違えなければ、植物は元気に育ち、密に地面を覆ってくれます。まずはあなたの庭の「光の地図」を作ってみることから始めましょう。
踏みつけの頻度で選ぶ【踏みつけに強い植物】
次に考えていただきたいのが、「その場所を人が歩くかどうか」です。庭は眺めるだけの場所ではなく、洗濯物を干したり、お子様が遊んだり、駐車場から玄関への通り道になったりもしますよね。
こうした人の出入りがある場所に、繊細な植物を植えてしまうと、すぐに踏まれて傷んでしまいます。
グランドカバー植物には、踏まれてもダメージを受けにくい「踏みつけに強い」品種と、そうでない品種があります。
例えば、お子様が走り回るような庭や、日常的に人が歩くアプローチ脇などでは、踏圧に耐えられる植物を選ぶ必要があります。
一方で、花壇の中や、人が立ち入らない建物の裏手などであれば、踏みつけへの耐性はあまり気にする必要はありません。
「この場所は通路として使うか?」「子供やペットの遊び場になるか?」といった、庭の動線を具体的にイメージすることが大切です。
体力的に庭仕事が難しいご高齢の方のお宅でも、通路部分だけは踏みつけに強い品種を選ぶことで、安全で管理のしやすい庭になります。見た目だけでなく、実際の使い方に合わせた植物選びが、後々の満足度に繋がります。
目的で選ぶ【花・常緑・ハーブなど】
日当たりと踏みつけへの耐性をクリアしたら、最後はあなたの「理想の庭」をイメージして、植物の持つ特性で選んでいきましょう。グランドカバーと一言で言っても、その魅力はさまざまです。
例えば、「庭を華やかにしたい」という方なら、春や夏に一面の花畑になるような、開花期間の長い植物がおすすめです。逆に、「冬でも緑の景観を保ちたい」という場合は、葉が枯れ落ちない「常緑性」の植物を選ぶと良いでしょう。
特に、予算を抑えたいDIY志向の方にとっては、一年中緑を保てる常緑のグランドカバーはコストパフォーマンスが高い選択肢になります。
また、お子様やペットがいるご家庭で、できるだけ薬剤を使いたくないという場合は、虫除け効果が期待できるハーブ系の植物も人気です。
良い香りがするだけでなく、庭仕事中の癒やしにもなりますよね。このように、「花」「常緑」「香り」といった目的をはっきりさせることで、数ある候補の中から、あなたの暮らしに本当にフィットする一種類を見つけ出すことができます。
【目的別】庭におすすめ!雑草対策になるグランドカバー植物15選
選び方のポイントがわかったところで、ここからは私が現場の経験から厳選した、雑草対策におすすめのグランドカバー植物を目的別にご紹介します。
あなたの庭の環境や理想のイメージに合わせて、「これだ!」と思える植物がきっと見つかるはずです。それぞれの植物の個性や、育てる上でのちょっとしたコツも解説しますので、ぜひ参考にしてください。
🌿 グランドカバー植物比較表
植物名 | 主な特徴 | 日当たり | 踏みつけ | 開花期 | 管理の手間 |
---|---|---|---|---|---|
アジュガ | 日陰でも広がるカラーリーフ、繁殖旺盛 | 日陰 | 弱い | 春 | 低 |
ヒューケラ | 葉色が豊富で日陰を明るく彩る | 日陰〜半日陰 | 弱い | 初夏 | 中 |
ディコンドラ | 丸葉で密に広がる。優しい印象 | 日陰〜日向 | やや弱い | なし | 低〜中 |
ハツユキカズラ | 新芽の色変化が美しい常緑つる植物 | 日陰〜日向 | 弱い | なし | 低 |
クラピア | 芝生代替。強健で踏圧に強い | 日向 | 非常に強い | 春〜秋 | 中 |
タマリュウ | 踏圧・乾燥・日陰に強く管理ラク | 日陰〜日向 | 強い | なし | 非常に低 |
プラティア | 白い星形の花が可憐で踏圧に強い | 半日陰〜日向 | 強い | 春〜初夏 | 中 |
セダム | 多肉で乾燥に強く、過酷地向け | 日向 | 普通 | 春〜夏 | 低 |
シバザクラ | 芝状に広がり春の花が圧巻 | 日向 | 普通 | 4〜5月 | 低 |
タピアン | 長期間花咲く改良品種、病害虫に強い | 日向 | 普通 | 春〜秋 | 中 |
ベロニカ・オックスフォードブルー | 春に青花。常緑で紅葉も美 | 日向〜半日陰 | 普通 | 早春 | 低 |
リシマキア | ライム葉×黄色花、繁殖力強 | 半日陰 | 普通 | 初夏 | 中〜高 |
クリーピングタイム | 香り良く乾燥に強いハーブ | 日向 | 強い | 初夏 | 中 |
ローズマリー(ほふく性) | 常緑で香り良い。虫除け効果 | 日向 | 弱い | 春〜夏 | 低 |
ローマンカモミール | 香り芝生、花も利用可能 | 日向 | やや強い | 初夏 | 中 |
【日陰に強いグランドカバー】おすすめ植物
「うちの庭は日当たりが悪くて…」と諦めていませんか?建物の北側や大きな木の下など、一日中薄暗い場所は雑草対策も難しいと思われがちですが、そんな日陰環境を好んで元気に育つ頼もしい植物たちがいます。
日陰を逆手にとって、しっとりと落ち着いた雰囲気の庭づくりを楽しみましょう。
アジュガ

日陰のグランドカバーといえば、まず名前が挙がるのがこのアジュガです。春になると、青紫色の花穂をたくさん立ち上げる姿はとても美しいですよ。
非常に強健で、日陰でもランナー(匍匐茎)を伸ばしてどんどん広がってくれるので、雑草が生える隙間を与えません。葉の色も、濃い緑色から銅葉、斑入りのものまであり、カラーリーフプランツとしても楽しめます。
私の現場でも、シェードガーデンの雑草対策としてよく利用します。特に、和風・洋風どちらの庭にも馴染みやすいのが嬉しいポイントですね。
ただし、繁殖力が旺盛なので、意図しない場所にまで広がらないよう、レンガやブロックで見切りをつけてあげると管理が楽になります。
踏みつけにはあまり強くないので、人があまり立ち入らない場所に植えるのがおすすめです。手のかからない日陰の救世主として、初心者の方にも自信を持っておすすめできる植物です。
ヒューケラ

ヒューケラは「カラーリーフの王様」とも呼ばれるほど、葉の色のバリエーションが豊かな植物です。赤、紫、ライムグリーン、オレンジなど、その色彩はまるで絵の具のパレットのよう。
日陰の庭は暗い印象になりがちですが、ヒューケラをいくつか植えるだけで、空間がパッと明るく、おしゃれな雰囲気になります。雑草対策をしながら、ガーデニングの楽しみも味わいたいという方にぴったりですね。
もともと森林の下草として自生していた植物なので、強い直射日光は苦手。まさに日陰や半日陰が最適な環境です。株が密に茂って地面を覆ってくれるので、雑草抑制効果も期待できます。
初夏には、すっと伸びた茎の先に可愛らしい小花を咲かせるのも魅力の一つ。私の経験上、乾燥させすぎないように気をつけるのが上手に育てるコツです。
特に夏場は、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えてください。株分けで簡単に増やせるので、少しずつエリアを広げていく楽しみもありますよ。
ディコンドラ

丸いハートのような葉が連なって広がるディコンドラは、とても優しい雰囲気を持つグランドカバーです。特に人気なのが、銀色がかった葉が美しい「シルバーフォールズ」という品種。
日光に当たるとキラキラと輝き、日陰でもその明るい葉色が空間を彩ってくれます。地面を這うように密に広がり、雑草の侵入を防ぎます。
この植物は、駐車場のコンクリートの目地や、レンガの小道のアプローチ脇など、ちょっとした隙間の雑草対策に植えるのに最適です。
共働きで忙しいご家庭でも、一度根付けばほとんど手間いらずで管理できます。ただし、日本の高温多湿な夏は少し苦手で、蒸れて葉が枯れてしまうことがあります。
そのため、風通しの良い場所を選ぶのが長く楽しむためのポイントです。踏みつけにはそれほど強くありませんが、たまに人が歩く程度なら問題ありません。ナチュラルで可愛らしい景観を作りたい方におすすめです。
ハツユキカズラ

新芽がピンク色から白、そして緑へと変化していく様子が、まるで雪が積もったように見えることから名付けられたハツユキカズラ。その美しい葉色のグラデーションは、日陰の庭を明るく演出してくれます。
常緑のつる性植物なので、冬でも葉が落ちずに地面をカバーし続けてくれるのが大きなメリットです。
非常に丈夫で育てやすく、病害虫の心配もほとんどありません。日陰でも十分に育ちますが、日当たりの良い場所の方が葉の発色がより鮮やかになる傾向があります。
つる性なので、地面を覆うだけでなく、フェンスやブロック塀に絡ませて壁面緑化として楽しむこともできますよ。
成長が旺盛なので、伸びすぎたと感じたら、好きなタイミングで刈り込んで形を整えることができます。この管理のしやすさも、雑草対策として植物を選ぶ上で重要なポイントですよね。
和風・洋風を問わず、どんな庭にも合わせやすい万能選手です。
【踏みつけに強いグランドカバー】おすすめ植物
お子様やペットが元気に走り回る庭、駐車場から玄関へのアプローチ、洗濯物を干すための通路など、人が日常的に歩く場所は、植物にとって過酷な環境です。
ここでは、そんな踏圧にも負けずに、しっかりと地面を覆って雑草を抑えてくれる、タフなグランドカバー植物たちをご紹介します。
クラピア

「芝生に憧れるけど、手入れが大変そうで…」という方に、私が真っ先におすすめするのがクラピアです。在来種のイワダレソウを改良して作られた品種で、芝生の約10倍とも言われる驚異的な速さで広がります。
地面を緻密に覆う力はトップクラスで、一度広がってしまえば雑草が生える余地はほとんどありません。春から秋にかけて、白やピンクの可愛らしい小花が一面に咲くのも魅力です。
踏みつけに非常に強く、人が歩くことでさらに密度が増していくほどです。芝生のように頻繁な芝刈りは必要ありませんが、年に1〜2回、草丈が高くなりすぎたら刈り込むと、より美しい景観を保てます。
繁殖力が非常に強いため、植える際は隣家や道路に広がらないよう、境界にブロックや見切り材を入れるなどの対策が必須です。初期費用は芝生より少し高めですが、その後の管理の手間を考えれば、共働きで時間がないご家庭などには最適な選択肢と言えるでしょう。
タマリュウ

駐車場の目地や玄関アプローチの縁取りなどで、昔から定番として使われているのがタマリュウです。濃い緑色の葉が密生し、非常に丈夫で、ほとんど手入れを必要としません。
日陰、乾燥、そして踏みつけにも強いという、まさに三拍子そろった優等生です。一度植え付ければ、水やりや肥料もほぼ不要で、植えっぱなしで問題ありません。
その手のかからなさは、体力的に庭仕事が難しいご高齢の方のお宅の雑草対策にも最適です。ただし、タマリュウの最大の注意点は、成長が非常にゆっくりであること。
広い面積を覆うのには何年もかかってしまいます。そのため、庭全体を覆うグランドカバーとしてではなく、花壇の縁取りや、コンクリートの隙間、飛び石の周りなど、ピンポイントで雑草を抑えたい場所に使うのが最も効果的です。地味ながらも、その堅実な仕事ぶりは、プロの現場でも頼りになる存在です。
プラティア

星形をした小さな白い花が、まるで天の川のように地面いっぱいに広がるプラティア。その可憐な見た目とは裏腹に、非常に踏みつけに強いのが特徴です。
人が歩くことで茎が地面にしっかりと密着し、そこからまた根を出して広がっていきます。多少踏まれてもすぐに回復するので、お子様が遊ぶような庭にも安心して使えます。
春から初夏にかけての開花期は見事で、まさに「花のじゅうたん」という言葉がぴったりです。比較的湿り気のある土壌を好み、乾燥しすぎると弱ってしまうことがあります。
半日陰くらいの場所が最も生育に適していますが、日当たりが良くても土が乾かなければ問題ありません。私の経験では、レンガや枕木の小道の隙間に植えると、ナチュラルでとても素敵な雰囲気になりますよ。
雑草対策と、可愛らしい景観づくりの両方を叶えたい方におすすめの植物です。
セダム

セダムは多肉植物の一種で、その最大の魅力は乾燥に非常に強いことです。葉や茎に水分を蓄えることができるため、雨水だけでも十分に育つ品種が多く、水やりの手間がほとんどかかりません。
品種が非常に豊富で、葉の色や形、広がり方も様々なので、組み合わせることで個性的なグランドカバーを作ることができます。
特に、マンネングサの仲間は繁殖力が旺盛で、ちぎれた葉や茎からでも簡単に根付くほどです。この性質を利用して、雑草を抑制します。
ただし、セダムが最も嫌うのは過湿です。水はけの悪い場所に植えると根腐れを起こしてしまうので、必ず水はけの良い土壌に植えるか、土壌改良をしてください。
その特性から、ロックガーデンや、日当たりの良い乾きやすい斜面、屋上緑化など、他の植物が育ちにくいような過酷な環境の雑草対策として、その真価を発揮します。

【花が楽しめるグランドカバー】おすすめ植物
「雑草対策はしたいけど、庭が緑一色なのは少し寂しい…」そうお考えの方も多いのではないでしょうか。グランドカバーの中には、季節になると息をのむほど美しい花を一面に咲かせてくれる品種がたくさんあります。
ここでは、雑草をしっかり抑えながら、お庭を華やかな花畑に変えてくれる植物たちをご紹介します。
シバザクラ

春の風物詩として、公園や観光地でもよく見かけるシバザクラ。
その名の通り、芝生のように地面を覆い、桜に似たピンクや白、紫色の花を咲かせます。開花期の4月〜5月には、地面が見えなくなるほど花で埋め尽くされ、圧巻の景色を作り出します。
もともと乾燥や寒さに強い高山植物なので、非常に丈夫で育てやすいのが特徴です。
日当たりと水はけの良い場所を好み、一度根付けばほとんど手入れは要りません。この性質を活かして、日当たりの良い斜面や土手の土留めを兼ねた雑草対策としても非常に有効です。
花が終わった後に、全体を軽く刈り込んであげると、株の蒸れを防ぎ、翌年の花付きが良くなりますよ。DIYで庭づくりを楽しみたい方にも、比較的簡単に花のじゅうたんを実現できる、おすすめの植物です。
タピアン

「できるだけ長い期間、花を楽しみたい」という欲張りな願いを叶えてくれるのが、サントリーが開発したタピアンです。春から秋の終わりまで、非常に長い期間にわたって次々と花を咲かせ続けてくれます。
花のカーペットのように広がり、雑草が生えるのを防ぎます。耐暑性や耐病性にも優れており、日本の夏の厳しい環境でも元気に育ってくれるのが嬉しいポイントです。
花色もパープル、ピンク、ホワイトなどがあり、複数を混ぜて植えるとカラフルで楽しい雰囲気になります。日当たりが良い場所ほど花付きが良くなるので、南向きの庭には最適です。
私の現場の経験上、定期的に緩効性の肥料を与えてあげると、花の数が格段に増え、より見応えのある景観になります。手入れが楽で、かつ華やかな庭を求める、共働きで忙しいご家庭にもぴったりのグランドカバーです。
ベロニカ・オックスフォードブルー

早春、まだ他の花が眠っている時期に、吸い込まれるような鮮やかな青い花を咲かせるのが、ベロニカ・オックスフォードブルーです。
ナチュラルで野趣あふれる雰囲気が魅力で、イングリッシュガーデンのような庭を目指す方にも人気があります。非常に強健で、一度植えればほとんど放任で育ってくれる、いわゆる「植えっぱなしOK」な植物の代表格です。
花が終わった後も、密に茂る葉が雑草をしっかりと抑えてくれます。さらに、この植物のもう一つの魅力は、常緑性で、冬になると葉がシックなブロンズ色に紅葉すること。
一年を通して葉色の変化を楽しめるので、庭に深みを与えてくれます。半日陰でも育ちますが、やはり日当たりの良い場所の方が花付きは良くなります。手間をかけずに、季節の移ろいを感じられる美しい庭を作りたい方におすすめです。
リシマキア

明るいライムグリーンの葉が魅力のリシマキアは、植えるだけでその場をパッと明るくしてくれるグランドカバーです。
特に人気なのが「ヌンムラリア・オーレア」という品種で、その鮮やかな葉色はシェードガーデンの彩りとしても重宝します。初夏には、葉の間から可愛らしい黄色い花を咲かせます。
比較的湿り気のある土壌を好み、半日陰でも元気に育ちます。ハンギングバスケットや寄せ植えに使うと、垂れ下がるように伸びて素敵なアクセントになりますよ。
ただし、リシマキアを選ぶ上で一つ注意点があります。それは、非常に繁殖力が旺盛であること。地下茎でどんどん広がるため、植える場所をしっかり考えないと、他の植物の領域を侵食してしまう可能性があります。
レンガなどで区切るか、管理できる範囲で植えるようにしましょう。その性質を理解して使えば、とても優秀な雑草対策プランツです。
【ハーブ・虫除けになるグランドカバー】おすすめ植物
雑草対策をしながら、良い香りを楽しんだり、虫除けの効果も期待できたりと、一石二鳥以上のメリットがあるのがハーブ系のグランドカバーです。
特に、小さなお子様やペットがいて、できるだけ薬剤を使いたくないというご家庭には最適な選択肢。ここでは、丈夫で広がりやすく、香りも楽しめるハーブたちをご紹介します。
クリーピングタイム

タイムの中でも、地面を這うように広がる「クリーピングタイム」は、グランドカバーの代表的なハーブです。最大の特徴は、葉を軽く踏んだり、撫でたりすると、爽やかな良い香りが広がること。
庭仕事の合間に、ふと香る匂いに癒やされます。初夏にはピンク色の小さな花を密集して咲かせ、庭を可愛らしく彩ります。
乾燥に非常に強く、日当たりの良い場所を好みます。石畳の隙間や、乾きやすいロックガーデンなどにもぴったりです。
ただし、高温多湿には少し弱いので、梅雨に入る前に一度刈り込んで、風通しを良くしてあげるのが、夏を元気に乗り切るためのプロのコツです。
この一手間で、蒸れて枯れてしまうのを防ぐことができます。香り、花、そして雑草抑制と、多くの魅力を持つ人気のハーブです。
ローズマリー(ほふく性)

料理でもおなじみのローズマリーには、上に伸びる立性と、地面を這うように広がる「ほふく性」のタイプがあります。このほふく性のローズマリーは、雑草対策としても非常に優秀です。
常緑で一年中緑の葉を保ち、乾燥にめっぽう強く、一度根付けば水やりもほとんど必要ありません。その独特の強い香りは、虫除けの効果も期待できると言われています。
成長すると枝が木質化して硬くなるため、人が頻繁に歩く場所には向きませんが、花壇の縁取りや、日当たりの良い土手や斜面に植えると、枝垂れるように広がってダイナミックな景観を作ります。
成長は比較的ゆっくりですが、最終的にはかなり広がるので、植える際には十分なスペースを確保しておきましょう。手のかからない丈夫なハーブを探している方には、ぜひおすすめしたい植物です。
ローマンカモミール

「香りの芝生」とも呼ばれるローマンカモミールは、リンゴに似た甘く優しい香りが特徴のハーブです。
芝生のように密に広がり、踏みつけにも比較的強いことから、人が歩く小道などに植えられます。初夏に咲く、マーガレットに似た白い花も可愛らしいですね。
芝生のように使う場合は、花が咲く前に一度刈り込むのがポイントです。花を咲かせると株がエネルギーを使ってしまい、少し弱ってしまうことがあるからです。
高温多湿が少し苦手なので、水はけと風通しの良い場所を選んであげてください。ハーブティーとしても利用できるので、ガーデニングだけでなく、収穫の楽しみも味わえます。
優しい香りに包まれながら雑草対策ができる、とても魅力的なグランドカバーです。
【後悔しないために】グランドカバーで植えてはいけない植物とデメリット

グランドカバープランツは、雑草対策の強力な味方ですが、中にはその強すぎる生命力ゆえに、植えたことを後悔する原因になりかねない植物も存在します。
「手入れが楽になるはずが、逆に手に負えなくなった…」そんな悲しい事態を避けるために、私が現場で「これは安易に植えないでください」とお客様にお伝えしている植物を、その理由と共にご紹介します。
この知識は、あなたの庭づくりを成功させるための、いわば「転ばぬ先の杖」です。
植物名 | 危険度 | 主な繁殖方法 | 起こりうる問題 | プロの対策 |
---|---|---|---|---|
ミント類 | ★★★★★ | 地下茎 | 隣家への侵入、根絶が困難 | 地植え厳禁、鉢植えで管理 |
ドクダミ | ★★★★★ | 地下茎 | 庭全体を占領、独特の匂い | 絶対に植えない |
ヒメイワダレソウ | ★★★★☆ | 種子、茎 | タイルやコンクリート・道路の上にも伸びていく | 広い敷地以外は非推奨 |
クローバー | ★★☆☆☆ | 茎、種子 | 夏枯れ、害虫、蜂が集まる | デメリットを理解した上で検討 |
ミント類

爽やかな香りで料理やハーブティーにも人気のミントですが、これを庭に地植えするのは最も注意が必要なケースの一つです。
なぜなら、ミントは「地下茎(ちかけい)」という地下の茎を四方八方に伸ばし、そこから新しい芽を出して爆発的に増えるからです。その繁殖力は凄まじく、「ミントテロ」という言葉があるほどです。
私の経験上、コンクリートのわずかな隙間や、ブロック塀の下をくぐり抜けて、隣の敷地にまで侵入してしまったというトラブルは少なくありません。
一度庭に広がってしまうと、根絶するのは至難の業。土を掘り返して地下茎を徹底的に取り除かない限り、ちぎれた根の断片からでも再生してしまいます。
どうしても庭で育てたい場合は、必ず鉢植えにするか、プラスチックの板などで根が広がらないよう完全に囲った区画(根域制限)に植えるようにしてください。安易な地植えは絶対に避けましょう。
ドクダミ

「雑草のドクダミを、わざわざ植える人はいないのでは?」と思うかもしれません。
しかし、最近では白い八重咲きの花が美しい「八重咲きドクダミ」という園芸品種が出回っており、その見た目から植えてしまう方がいらっしゃいます。
ですが、これもミント同様、非常に危険です。園芸品種といえども、その驚異的な繁殖力と、独特の強い匂いは変わりません。
ドクダミも地下茎で増え、その生命力は雑草の中でもトップクラス。我々プロが根絶しようとしても、非常に骨が折れる相手です。
除草剤も効きにくく、完全に駆除するには土を丸ごと入れ替えるレベルの作業が必要になることもあります。雑草対策として植えたつもりが、最強の雑草を自ら庭に招き入れることになりかねません。
どんなに花が美しくても、ドクダミをグランドカバーとして利用するのは避けるべきだと、私は断言します。
ヒメイワダレソウ(場所を選ぶ理由)

先ほど「クラピア」をおすすめしましたが、その原種である「ヒメイワダレソウ」も、非常に強健で雑草抑制効果の高いグランドカバーです。
しかし、一般的なご家庭の庭に植える場合は注意が必要です。クラピアとヒメイワダレソウの決定的な違いは、「種ができるかどうか」です。
クラピアは品種改良によって種ができないようになっていますが、ヒメイワダレソウは種を作り、それを飛ばして増えることがあります。
つまり、植えた覚えのない場所にまで、いつの間にか広がってしまう可能性があるのです。特に、お隣との境界が近い庭では、種が飛んで迷惑をかけてしまうリスクを考慮しなければなりません。
管理の行き届かない広大な敷地や、公園の法面緑化などには適していますが、個人の庭で緻密な管理をしたい場合には、種で増えないクラピアを選ぶ方が圧倒的に安心です。
似ているようで性質が違う、ということを覚えておいてください。
クローバー(シロツメクサ)

幸せの象徴として知られるクローバー(シロツメクサ)も、グランドカバーとして利用されることがあります。確かに、緑の葉と白い花のコントラストは可愛らしいですよね。
しかし、これもいくつかのデメリットを理解しておく必要があります。
まず、クローバーは夏場の暑さで葉が枯れやすく、一時的に景観が悪くなってしまうことがあります。
また、花にはミツバチなどが集まるため、小さなお子様が裸足で遊ぶような庭では注意が必要です。さらに、アブラムシなどの害虫がつきやすいという側面もあります。
私の現場での見解としても、昔は緑化によく使われましたが、現代の家庭の庭では、一年を通して景観を保ちやすく、管理が容易な他のグランドカバーを選ぶ方が増えています。
ノスタルジックな魅力はありますが、こうしたデメリットを理解した上で、植える場所を慎重に検討することをおすすめします。

本当に手入れ不要?グランドカバーの基本的な植え方と管理方法

「グランドカバーを植えれば、もう何もしなくていい」と思われがちですが、美しい景観を保ち、雑草をしっかり抑制するためには、最初の植え付けと、その後のちょっとした管理がとても重要になります。
とはいえ、草むしりの大変さに比べれば、その手間はごくわずかです。ここでは、プロが実践している、失敗しないための基本的な植え方と管理のコツをご紹介します。この最初のひと手間が、後々の「楽」に繋がりますよ。
種まき・苗の植え付け時期と手順
グランドカバーを始めるには、種から育てる方法と、苗(ポット苗)を植える方法があります。手軽さで言えば、初心者の方には苗を植える方法が断然おすすめです。種からだと、発芽するまでに雑草に負けてしまうリスクがあるからです。
植え付けの最適な時期は、植物が根を張りやすい春(3月〜5月)か、秋(9月〜10月)です。真夏や真冬は避けてください。手順は以下の通りです。
- 徹底的な雑草処理: これが最も重要です。植える予定地の雑草を、根っこから完全に取り除きます。ここで手を抜くと、後から雑草がグランドカバーの間から顔を出し、取るのが非常に大変になります。
- 土壌改良: 土が固い場合は、腐葉土や堆肥を混ぜてよく耕し、ふかふかにしてあげます。水はけが悪い場合は、砂を混ぜるのも有効です。
- 植え付け: ポットから苗を取り出し、根を軽くほぐしてから植え付けます。推奨される植え付け間隔(通常、1㎡あたり4〜9ポット程度)を守り、均等に配置します。
- 水やり: 植え付け後は、根と土を密着させるために、たっぷりと水を与えます。
この最初の準備を丁寧に行うことが、成功への一番の近道です。
水やり・肥料のポイント
グランドカバー植物の多くは乾燥に強く、一度根付いてしまえば、頻繁な水やりは必要ありません。むしろ、水のやりすぎは根腐れの原因になるので注意が必要です。
基本的には、雨水だけで十分ですが、植え付け後の1ヶ月間や、真夏に雨が降らない日が続くような場合は、土の表面が乾いたらたっぷりと与えるようにしてください。
肥料に関しても、ほとんどのグランドカバーは痩せ地でも育つため、必須ではありません。
しかし、タピアンやシバザクラのように花をたくさん咲かせる品種は、春先の成長期に緩効性の化成肥料を少量与えると、花付きが格段に良くなります。
肥料の与えすぎは、葉ばかりが茂って花が咲かなくなったり、病気の原因になったりすることもあるので、「少し足りないかな?」くらいがちょうど良いと覚えておいてください。
手のかからなさが魅力のグランドカバーですから、過保護にしすぎないのが上手に付き合うコツです。
季節ごとのお手入れ(春・夏・秋・冬)
一年を通して美しい状態を保つためには、季節に応じた簡単なお手入れをしてあげると効果的です。
- 春: 新芽が動き出す季節です。冬の間に枯れた葉や枝があれば、取り除いてあげましょう。花を咲かせる品種には、この時期に追肥をするのがおすすめです。
- 夏(梅雨時期): 高温多湿で植物が蒸れやすい時期です。特にクリーピングタイムやシバザクラなど、葉が密集するタイプは、梅雨入り前に一度、風通しが良くなるように軽く刈り込んであげるのが、夏越しを成功させるプロのテクニックです。
- 秋: 多くの植物にとって過ごしやすい季節です。伸びすぎた部分があれば、この時期に切り戻して形を整えておきましょう。春と同様、植え付けや株分けにも適した時期です。
- 冬: 多くのグランドカバーは休眠期に入ります。常緑性の品種以外は地上部が枯れますが、根は生きているので心配いりません。枯れた葉が地面を覆い、保温や保湿の役割をしてくれるので、無理に掃除しなくても大丈夫です。
このように、季節の変わり目に少しだけ気にかけてあげるだけで、グランドカバーは元気に育ち、雑草からあなたの庭を守り続けてくれます。
実際の雑草対策で植物を使った事例

ここまで様々な植物や対策方法をご紹介してきましたが、「自分の庭では、結局どれを組み合わせればいいの?」と悩まれる方もいらっしゃるかもしれません。
実際の庭づくりでは、日当たりやご予算、ご家族の暮らし方など、様々な条件が複雑に絡み合います。ここでは、私たちが過去に手掛けた実際の事例をもとに、プロがどのように状況を整理し、お客様にとっての最適解を導き出すのか、その思考プロセスをご紹介します。
以前、奈良市にお住まいのT様から「庭の雑草を何とかしたい」とご相談をいただきました。お話を伺うと、「今まではお父様が草むきをしてくれていたが、ご高齢になり申し訳ない」「お孫さんが安心して遊べるスペースにしたい」「数年後には庭全体をリフォームする予定なので、今はあまりコストをかけたくない」という、複数のご要望をお持ちでした。
とても広いお庭で、全てを一つの方法で対策するのは現実的ではありません。そこで私たちがご提案したのは、庭全体を一つの方法で考えるのではなく、「お孫さんが遊ぶエリア」と「バックヤード(物置など)」というように、場所ごとに役割を分けて、それぞれに最適な対策を組み合わせるという考え方でした。
お孫さんが遊ぶメインのエリアには、コンクリートや砂利では転んだ時に危ないため、グランドカバー(イワダレソウ)をご提案しました。これなら、万が一転んでもケガをしにくく、夏場の地面の温度上昇も抑えられます。数年後のリフォーム時にも、撤去費用がほとんどかからないのが大きなメリットです。
一方、普段あまり人が立ち入らないバックヤードには、より確実な雑草対策として「防草シート+砂利」をご提案しました。
当初、T様はコストを考えて砂利だけにされるご意向でしたが、工事の途中で「砂利だけだと数年で雑草が生え、砂利も土に沈んでしまいます」と、プロの視点から改めてご説明し、最終的に防草シートを追加で施工させていただきました。
このように、雑草対策に「唯一の絶対的な正解」はありません。お客様の現在の暮らし、そして5年後、10年後の未来まで見据え、複数の方法を柔軟に組み合わせること。それこそが、私たちが最も大切にしている「現場での考え方」なのです。

グランドカバーの雑草対策でよくある質問(Q&A)
ここまでグランドカバーの選び方や育て方について解説してきましたが、実際に植えるとなると、さらに細かい疑問が出てくるものですよね。
ここでは、私がお客さまからよくいただく質問について、プロの視点からお答えしていきます。皆さんが抱える不安や疑問を解消する手助けになれば幸いです。
- 雑草に勝つ植物は?
「とにかく雑草に負けない、最強の植物はどれですか?」というご質問は非常によくいただきます。もし「雑草に勝つ」ことだけを最優先するなら、クラピアが筆頭に挙がるでしょう。
その圧倒的な繁殖スピードと、地面を緻密に覆う力は、他のグランドカバーと比べても群を抜いています。一度広がれば、スギナやチガヤといったしつこい雑草でさえ、生えてくるのを強力に抑制します。
ただし、「最強」の定義は庭の環境によって変わります。例えば、日陰の場所であれば、クラピアはうまく育ちません。その場合は、アジュガやヒューケラの方が「雑草に勝つ植物」と言えます。
また、踏みつけが多い場所ならタマリュウが最強かもしれません。大切なのは、単一の「最強」を探すのではなく、あなたの庭の環境にとっての「最強」を見つけることです。
この記事で紹介した選び方のポイントを参考に、ご自身の庭に最適なチャンピオンを選んであげてください。
- 草止めに使われる植物は?
「草止め」という言葉は、特に土手や斜面の土が崩れるのを防ぎつつ、雑草も抑えたい、という文脈で使われることが多いですね。
このような「土留め」と「草止め」を兼ねる目的で使われる植物には、根を深く、広く張る性質が求められます。
この用途で私がよく使うのは、シバザクラです。乾燥に強く、根をしっかりと張ってくれるので、日当たりの良い斜面の土留めに最適です。
春には美しい花のカーペットになり、景観も向上します。また、ほふく性のローズマリーもおすすめです。枝が木質化して丈夫になり、地面をがっちりと掴んでくれます。
常緑なので一年中緑を保てるのも大きなメリットです。これらの植物は、ただ地面を覆うだけでなく、土壌そのものを安定させてくれる力を持っています。
- グランドカバーは芝生の代わりになりますか?
はい、十分になります。むしろ、管理の手間を減らしたいのであれば、芝生よりもグランドカバーの方が適しているケースが非常に多いです。
芝生は美しい景観を保つために、定期的な芝刈り、水やり、肥料、エアレーション(穴あけ)、雑草取りなど、年間を通してかなりの手間がかかります。
その点、クラピアやタピアンといったグランドカバーは、芝刈りの頻度が格段に少なく、病害虫にも強い品種が多いです。踏みつけに強い品種を選べば、芝生と同じようにお子様が遊ぶこともできます。
もちろん、芝生特有のふかふかとした感触や、均一な美しさといった魅力もありますが、「ローメンテナンスで緑の庭を楽しみたい」という共働きのご家庭や、体力的に管理が難しい方にとっては、グランドカバーは芝生に代わる、非常に優れた選択肢と言えるでしょう。
- 植える前の雑草処理はどうすればいい?
これはグランドカバーを成功させる上で、最も重要な作業と言っても過言ではありません。ここで手を抜くと、後で必ず後悔します。
理想的なのは、スコップやクワを使って、土を掘り返しながら雑草の根を徹底的に取り除くことです。
特に、スギナやドクダミのような地下茎で増える雑草は、少しでも根が残っているとそこから再生してしまうので、執念深く取り除いてください。
体力的に難しい場合や、面積が広い場合は、除草剤を使うのも一つの手です。ただし、その場合は、土に成分が残らない「グリホサート系」の除草剤を選び、薬剤が分解されるまで(通常1〜2週間)待ってから植え付けを行うようにしてください。
いずれにせよ、「植える前が一番大変で、一番大事」と覚えておいてください。この最初の頑張りが、後々の楽に繋がります。
- 植えた後、雑草が生えてきたらどうする?
どんなに丁寧な下準備をしても、グランドカバーが完全に地面を覆うまでは、どうしても雑草が生えてきてしまいます。
ここで大切なのは、「見つけ次第、小さいうちに抜く」ことです。グランドカバーの隙間から生えてきた雑草は、放置するとあっという間に大きくなり、根がグランドカバーと絡み合って非常に抜きにくくなります。
特に、植え付け後の最初の1〜2ヶ月は、こまめに庭をチェックする習慣をつけましょう。グランドカバーが密に広がってしまえば、雑草が生える頻度は劇的に減っていきます。
それまでの辛抱だと思って、根気強く付き合ってあげてください。この初期管理をしっかり行うことで、その後の雑草対策の効果が大きく変わってきます。
- 完全に覆うまでどのくらいの期間がかかる?
これは植える植物の種類、植え付けの密度、そして庭の環境によって大きく変わります。
あくまで目安ですが、クラピアのような成長が非常に速い植物を、推奨される密度(1㎡あたり4ポット程度)で植えた場合、約2〜3ヶ月で地面がほぼ覆われます。
一方で、タマリュウのように成長が非常にゆっくりな植物は、完全に覆うまでに数年単位の時間がかかることもあります。
一般的なグランドカバー植物、例えばアジュガやクリーピングタイムなどでは、約半年から1年ほどで、ある程度雑草を抑制できるくらいには広がってくれるでしょう。
早く景観を完成させたい場合は、初期費用はかかりますが、植え付けの密度を高くする(苗の数を増やす)のが効果的です。
雑草対策で植物を植えたいけど、どうしていいか分からない人へ
奈良県にお住いの方へ
あなたが奈良県にお住いの方であれば、次のような経験がないでしょうか?
「ネットで検索して色々情報を調べたけど、自分のお庭の場合、どの方法が適しているのか分らない…」
「調べすぎてどうすれば良いのか分からなくなって、考える事がだんだん面倒になってきた…」
そう思っていませんか?
そこで、造園・外構業者さんにお願いしようと考えてはいるけど、、、
「ネットの情報だけでその業者さんを信用していいのか不安だ…」
「ポータルサイトや一括見積りサイトや地元の業者さんのホームページを見たけど、業者さんの対応が悪かったら嫌だな…」
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これらが分からないと、いくらお庭の問題を解決したくても、不安感から二の足を踏んでしまっていて、ずっと困ったまま過ごさざるを得なくなってしまいますよね。
そこで、もしあなたが奈良県にお住いの方なら、私たち「西原造園の無料相談」がお役に立てるかもしれません。
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まとめ:最適な植物で、手入れの楽な庭づくりを
今回は、雑草対策としてのグランドカバー植物について、選び方のポイントから具体的なおすすめ品種、そして注意点まで、幅広く解説してきました。
大切なのは、あなたの庭の「日当たり」や「使い方」といった環境を正しく理解し、それに合った性質の植物を選ぶことです。
日陰には日陰に強い植物を、人が歩く場所には踏みつけに強い植物を選ぶ。この基本さえ押さえれば、植物は元気に育ち、あなたの代わりに雑草と戦ってくれます。
そして、「植えてはいけない植物」の知識も、後悔しない庭づくりのためには不可欠です。その強すぎる生命力が、かえって管理の手間を増やしてしまうこともあるのです。
この記事でご紹介した植物たちが、あなたの「草むしりの悩み」を解決し、手入れが楽で、心安らぐ美しい庭づくりの一助となれば、これほど嬉しいことはありません。