| 項目 | 内容 |
|---|---|
| エリア | 奈良県奈良市 |
| お悩み | 新築の引き渡し後も庭が土のままで緑がなかった。天然芝にしたいが、夏の芝刈りの負担が気になって決められずにいた |
| 施工内容 | 芝と砂利の境目にレンガを据えて範囲を分け、固く締まった土をほぐしてバーク堆肥を混ぜてから、草丈が普通の高麗芝の半分ほどの天然芝TM9を張った。芝を張らない場所は防草シートと白川砂利で仕上げた |
| 結果 | 土だけだった庭が緑になり、芝刈りは年に1〜2回程度が目安に。芝を張らなかった場所の草抜きの手間も減った |
こんにちは、西原造園の西原です。今回は、奈良県奈良市のM様邸で、土のままだったお庭に手入れの負担が軽い天然芝を張った施工事例をご紹介します。
M様邸は新築を建てられたばかりで、お庭は土のままの状態でした。窓を開けても、目に入るのは土と物置だけ。せっかくの新しい住まいなのに、お庭だけが途中で止まっているような状態が続いていたんですね。
そこでM様は、緑を感じられるお庭にしたいとお考えになります。ただ、ここで迷われたのが人工芝か天然芝かということでした。
人工芝なら手はかかりませんが、冬になっても緑のまま変わりません。M様が求めておられたのは、季節で表情が変わる天然芝のお庭だったんです。
そこで今回は、天然芝のTM9を使った芝張りを行いました。天然芝と聞くと「きれいだけれど、夏の芝刈りが大変」と思われる方も多いと思います。
ただ、芝の種類の選び方と、芝生にする範囲の決め方を変えるだけでも、そのあとの手間は大きく変わってきます。
緑のあるお庭は欲しい。けれど、庭仕事に休日を取られるのは避けたい。そう感じておられる方に、参考にしていただける事例です。
【この事例はこんなお悩みの方にお勧めです】
- 天然芝のお庭にしたいけれど、夏の芝刈りが続けられるか不安な方
- 人工芝と天然芝で迷っていて、季節の変化は感じられるお庭にしたい方
- 新築の引き渡し後、お庭が土のままで何から手を付けるか決めかねている方
- 芝生を自分で張ろうか、業者に頼もうかで迷っている方
- お庭がそれほど広くないので、業者に相談してよいものか迷っている方

西原 智(西原造園 代表)
奈良県で庭リフォーム・外構工事を行う現役職人
奈良県を中心に庭リフォーム・外構工事を行う西原造園代表。
西原造園は1981年創業、奈良県内での施工実績は2000件以上。Google口コミでも多くのお客様から評価をいただいています。
これまで「雑草管理が限界になった庭」「人工芝を選んだ庭」「生垣をフェンスに変えた庭」など、個人宅の庭づくり・リフォーム工事を中心に奈良県特有の土壌・気候・生活背景を踏まえた庭の悩みを数多く解決してきた。
本記事で紹介している内容は、実際の施工現場で判断し、改善してきた事例・経験に基づくものであり、カタログや机上誌知識ではなく「現場で結果が出た方法」のみを解説している。
奈良新聞や全国紙「ガーデン&エクステリア」掲載歴あり。父は一級造園技能士、母は一級造園施工管理技士。地域に根ざし、「あとで後悔しない庭づくり」を第一に考えることを信条としている。
ご相談のきっかけ|緑の庭は欲しいが、芝刈りは避けたい
M様邸のお庭は、家の横にある細長い場所です。両側はブロック塀と目隠しフェンスに挟まれていて、奥に物置、家際に室外機があります。その地面が、土のむき出しのままでした。

リビングの掃き出し窓を開けても、目に入るのは土と物置だけ。M様も当時のお庭のことを、殺風景だったと振り返っておられました。新しい家に住み始めたばかりでこの眺めというのは、ちょっともったいないですよね。

緑を感じられるお庭にしたい。そうお考えになったとき、最初に迷われたのが、人工芝にするか天然芝にするかということでした。
人工芝であれば、芝刈りも水やりもいりません。ただ、一年を通してずっと同じ緑のままなんですね。冬になれば茶色くなり、春にはまた緑に戻る。M様が求めておられたのは、そういう季節の変化を感じられるお庭でした。
ただですね。天然芝を選ぼうとすると、どうしても避けて通れない問題が出てきます。芝刈りです。
一般的な高麗芝は、夏になると草丈が一気に伸びます。きれいな見た目を保とうとすれば、暑い時期に何度も刈り込まないといけません。
重い芝刈り機を出してきて、汗をかきながら刈り、刈り終わった芝を集めて袋に詰める。ようやく片付いたと思った頃には、また元通りに伸びているわけです。これを毎年となると、なかなかの負担ですよね。
緑のお庭が欲しいという気持ちと、庭仕事に休日を使いたくないという気持ちは、ご本人の中では矛盾していません。それでも天然芝を選ぶと、どちらかをあきらめることになりそうで、決めきれずにおられました。
そこでM様は、芝刈りを楽にする方法をインターネットで調べられます。その中で目にとまったのが、TM9という高麗芝でした。
ご自分で買って張ることも考えられたそうです。ただ、作業そのものが大変そうなことに加えて、もし失敗すれば結局また業者に頼むことになり、二重に費用がかかってしまう。
そう判断されました。かといって、この先ずっと土のままで過ごすのも耐えられない。そうして、庭リフォームを決められています。
業者選びでも、少し迷われたそうです。M様のお庭は、それほど広くありません。インターネットで調べると、意匠を凝らしたデザイン性の高い会社が上位に出てきます。
こんな風にしましょうと勧められて金額も上がるのではないか、うちの規模では対応してもらえないかもしれない。そう感じて、小規模なお庭にもきちんと対応してくれる地元の業者を探しておられたそうです。
ご提案内容|手入れの軽い天然芝で、範囲も絞る
M様が見つけてこられたTM9ですが、名前だけを聞いても、普通の高麗芝と何が違うのかは分かりにくいと思います。
実はこれ、トヨタ自動車が開発した高麗芝なんですね。
車のメーカーが芝生を作っているというのは、意外に思われるかもしれません。きっかけは、2000年に中部国際空港から寄せられた相談でした。
滑走路のまわりに広がる芝生を刈るのが大変なので、手入れを楽にできないか。そういう内容です。空港の滑走路まわりとなると、その面積は相当なものになります。そこから開発が始まりました。

普通の高麗芝との一番の違いは、葉の伸び方です。一般的な高麗芝は夏になると草丈が10〜15センチほどまで伸びますが、TM9はその半分ほどの5〜7センチまでしか伸びません。
つまりですね。芝刈りを楽にする道具を作ったのではなく、そもそもあまり伸びない芝そのものを作ったというわけです。
そのため、芝刈りは年に1回から2回程度が目安とされています。年に1〜2回減らせるという話ではありません。芝刈り自体を、年に1〜2回行えばよいということなんです。
ただ、ここは正直にお伝えしておきます。TM9も生きている天然芝です。雑草が生えれば取る必要がありますし、状況によっては水やりや肥料も必要になります。
手入れが全部なくなる芝ではなく、芝刈りの負担を大きく減らせる芝とお考えいただくのが、実際に近いところです。
そのうえで、私たちからは、お庭全部を芝生にしない形をご提案しました。
芝を張る範囲が広くなれば、その分どうしても費用はかかります。芝刈りが少ないTM9とはいっても天然芝ですから、面積が増えればそれだけ管理の手間も増えるわけです。だったら、芝生にする範囲そのものを絞ったほうが、予算も管理する面積も同時に抑えられますよね。
ですので今回は、普段あまり使わない物置まわりや家の際には芝を張らず、防草シートと砂利で雑草対策をすることにしました。緑を楽しむ場所と、手をかけなくてよい場所を、先に分けておく考え方です。
【今回ご提案した内容】
- お庭の中央に天然芝TM9を張る
草丈が普通の高麗芝の半分ほどの品種を使い、芝刈りの回数を抑えられるようにしました。 - 芝を張る前に土を作り替える
掘り返した土をほぐし、バーク堆肥をすき込んで、芝の根が張っていける状態に整えました。 - 物置まわりと家際は防草シートと白川砂利で仕上げる
普段使わない場所は芝を張らず、草の出にくい仕上げにして管理の手間を減らしました。 - 芝と砂利の境目にレンガを据える
高麗芝は地面を這って横にも広がるため、境目に縁を作り、砂利の側へ広がりにくくしました。
施工内容|芝が根を張れる土から作る天然芝の庭
ここからは、実際の工事の様子です。
芝生の工事というと、買ってきた芝を土の上に並べる作業を思い浮かべる方が多いと思います。ただ、M様邸で実際につまずいたのは、芝ではなく土のほうでした。
芝を張る場所と砂利の場所を分ける
まず最初に、庭の中にレンガを並べていきます。

「あれ、芝を張るんじゃないの?」と思われたかもしれません。実は今回、庭全部を芝生にするわけではないんです。芝を張る場所と、あとで砂利を入れる場所に分けて作っていきます。で、その境目になるところを、レンガで仕切るわけです。
じゃあ、なんでわざわざレンガで仕切るのか。実は高麗芝、上に伸びるだけではなく、地面を這うように横へも広がっていくんですね。
なので何も仕切らずにいると、あとで砂利を入れたところまで芝が入り込んでしまいます。そうならないように、先にレンガを並べて、芝が砂利のほうへ広がりにくくしておくわけです。

これで、芝を張る範囲が決まりました。
芝が根を張れる土に作り替える
あとはここにTM9を張っていけばいいだけ。と言いたいところですが、そうはいかなかったんです。
実はM様のお庭、表面には真砂土が入っていたのですが、地面がかなり固く締まっていたんですね。
これ、新築のお庭ではめずらしいことではありません。宅地を造成するときと家の基礎工事のときに重機が入るので、地面はしっかり締め固められているんですね。
家を建てるうえでは丈夫でよいことなのですが、見た目は土でも、その下は植物が根を下ろしていける状態になっていないことが多いんです。
芝は、張ったあとに根を伸ばして地面に根付いていきます。土がこれだけ固いままでは、根も広がりにくくなります。

なので、このまま芝を張るのではなく、まずはこの固く締まった土をほぐしていきます。そして、ほぐした土にはバーク堆肥を混ぜて、芝が根を張りやすい状態に整えていきます。

これで、ようやく芝を張るための下地が整いました。
お庭を見るときに覚えておいていただきたいのは、「土がある」ことと「根が張れる」ことは別の話だという点です。表面に土が入っていても、その下が締まっていれば、芝にとっては同じではありません。
そして、ここを飛ばしてしまうと、直すには張った芝を一度はがすことになります。芝生をご自分で張ろうかと考えておられる方が、最初につまずきやすいのもここです。
草を止めてから、TM9を張って仕上げる
「じゃあ、次はいよいよTM9ですね」と思われるかもしれません。ただ、その前にもう一つだけやっておくことがあったんです。
家のキワや物置まわりの雑草対策です。
今回、芝生にするのは庭の中央部分だけにして、家のキワや物置まわりには、あえて芝を張らないことにしました。普段あまり使わない物置まわりなどは、防草シートと砂利で雑草対策をしていきます。


これで、芝を張らないところの雑草対策もできました。
ここまでできたら、いよいよTM9を張っていきます。
ここで芝は、継ぎ目が十字に重ならないように、少しずつずらして張っていきます。

これ、ただ見た目のためにずらしているわけじゃないんですね。継ぎ目が十字につながっていると、雨が降ったときに水が目地に沿って流れて、あとで入れる目土も流れやすくなってしまいます。そうならないように、継ぎ目をずらしながら張っていくわけです。
端の部分は、庭の形に合わせて切っていきます。

こうして全部張り終わると、もう完成したように見えますよね。

でも実は、芝は並べただけではまだ終わりじゃないんです。
というのも、芝を単に置いて並べただけだと、地面との間にわずかな隙間ができて、芝がうまく根付いてくれないんですね。

なのでここで、コンパクターという機械を使って芝全体を上からしっかり押さえて、地面と圧着させていきます。
圧着が終わったら、仕上げに目土を入れていきます。せっかく張った芝の上から土を入れるので、ちょっと不思議に見えると思います。ただ、これにもちゃんと意味があるんです。

目土を入れることで、芝の端が乾燥するのを防いで、根付きやすい状態にしていきます。
そして最後に、たっぷり水をやったら、これで施工は完了です。

施工後の変化|土だけの庭が、眺める庭になった
工事を終えたM様邸のお庭が、こちらです。土のままだった場所に、TM9が広がりました。

M様が心配されていた芝刈りは、TM9を選んだことで、その負担をかなり減らすことができます。夏の間に何度も芝刈り機を出す、という使い方にはなりにくいです。
芝を張らなかった場所には防草シートと白川砂利を入れましたので、お庭全体の草むしりの負担も抑えられます。

天然芝には「きれいだけれど手入れが大変」というイメージがありますよね。ただ、今回のように芝の種類を選んだり、芝生にする範囲を少し工夫したりするだけでも、そのあとの手間は大きく変えられます。
M様のお庭では今、お子さんたちがお花を植えたりしながら、ご家族でお庭を楽しんでおられるそうです。窓を開けたときに目に入るものが変わると、家での過ごし方も変わってきます。これ、かなり大きな変化ですよね。

お客様の声|庭を見るのが楽しみになった
工事のあと、M様にお話を伺いました。
施工前のお庭については「今までが殺風景だった」と振り返っておられました。そして工事のあとは、「庭を見るのが楽しみになった」「家族としての楽しみが一つ増えた」と話してくださっています。芝生とあわせて植えたお花は、お子さんたちがご自分で選ばれたそうです。

思っていなかった変化もあったそうです。工事の前は土だけの状態でしたから、雑草が生えるたびに抜くことを繰り返しておられました。防草対策をしたことで、その作業がこれから大きく減りそうだと感じておられるとのことでした。
業者選びについても伺っています。お庭が広くないので、対応してもらえるかどうかを気にされていたそうです。打ち合わせで強く勧められることがなく、こちらの希望を先に聞いてもらえたことで、ご自分のペースで進められた。そう話しておられました。
同じようにお庭の広さを気にして、相談をためらっておられる方にも、参考になるお話だと思います。
奈良県内で天然芝や庭リフォームをお考えの方へ
- 天然芝のお庭にしたいけれど、芝刈りなどの手入れを続けられるか不安
- 新築のお庭が土のままで、何から手を付ければよいか分からない
- お庭が広くないので、相談してよいものか迷っている
こうしたお悩みがありましたら、一度ご相談ください。
天然芝が向いているのか、ほかの方法のほうが合っているのかは、お庭の広さや日当たり、地面の状態、それから普段のお庭の使い方によって変わります。今回のように、地面を掘ってみて初めて分かることもあります。
西原造園では、現場の状況を実際に見せていただいたうえで、お困りごと、お庭の状態、これからどんな使い方をしたいのかを一緒に整理しながらご提案しています。無料でお庭の診断を行っておりますので、まだ迷っておられる段階でも構いません。
お庭の広さの大小にかかわらず、できるだけ負担の少ない方法を、ご一緒に考えさせていただきます。















