「お金をかけない庭づくり」を始めようと情報を集めている共働きのご家庭で、新築一軒家の庭が手付かずのまま…そんな状況は少なくないですよね。
ネットで「激安」「簡単DIY」と検索すれば魅力的な言葉が並びますが、その裏で「安物の木材が2年で腐った」「素人作業で水はけが悪化し、結局やり直しで高くついた」という後悔の声も目にするのではないでしょうか。
「安物買いの銭失い」だけは避けたい、でも専門業者に頼むほどの予算はない…。
そんな板挟みの状態で、どうすれば10年後も後悔しない、賢い選択ができるのか、判断基準が分からず悩んでいませんか?
そこでこの記事では、造園業歴20年、2000件以上の現場を見てきたプロの視点から、目先の安さだけにとらわれない「本当の節約術」と、ご自身の状況に合わせた最適な庭づくりの判断基準を徹底的に解説します。
この記事を読むと以下のことがわかります:
- お金をかけない庭づくりに潜む「見えないコスト」の正体
- 10年後も後悔しないための、プロが実践する5つの節約術
- 砂利、人工芝、レンガなど7つの人気DIYアイデアの費用と実例
- DIYでできる範囲と、プロに任せるべき範囲の明確な判断基準
- 専門業者に頼んだ場合の本当の価値と費用感

西原造園の代表で職人歴20年以上の現役の造園・庭・外構の職人。施工実績500件以上。施主様の生活背景や状況を理解し戸建ての庭のリフォームをメインに外構・造園・エクステリアプランを作成したり、特にお庭の問題を解決するのが得意。全国紙ガーデン&エクステリアの掲載歴があり、父は一級造園技能士、母は奈良新聞にも掲載された一級造園施工管理技士。仕える事と書いた仕事ではなく、志す事と書いた「志事」をするがモットー。
お金をかけない庭づくり「安くておしゃれ」に潜む3つの落とし穴
新築や中古の一戸建ての庭を前に、「さあ、自分たちの手で安くおしゃれな空間を」と考えるのは、とても自然なことです。
しかし、多くのご家庭が最初に注目する「材料費」の安さの裏には、後から「こんなはずではなかった」と頭を抱えることになる、いくつかの落とし穴が存在します。
この章では、私が現場で何度も目の当たりにしてきた、お金をかけない庭作りで陥りがちな3つの典型的な失敗パターンについて、まずお話ししたいと思います。
落とし穴1|時間・労力・ストレスといった見えないコスト
「DIYなら材料費だけで済むから安い」…本当にそうでしょうか?
私がこれまでご相談を受けてきた中で、DIYに挑戦したものの、途中で挫折してしまったという方は少なくありません。その最大の原因が、材料費以外の「見えないコスト」を見過ごしていることです。
例えば、共働きのご家庭が週末だけを使って自宅の庭づくりをする場合、材料の選定や買い出し、道具の準備、そして実際の作業と後片付け…これらすべてに想像以上の時間と労力がかかります。
慣れない作業で身体は疲れ果て、休日が潰れてしまうストレス。「この作業、いつ終わるんだろう…」という精神的な負担は、決して無視できません。
私の現場経験から言えるのは、あなたの貴重な時間や家族と過ごす休日も、立派なコストであるということです。材料費の安さだけで判断すると、この最も大切なコストを支払うことになるかもしれません。
まずはこの「見えないコスト」の存在を認識することが、後悔しない庭づくりの第一歩と言えるでしょう。
落とし穴2|安い材料やDIYによる低品質と追加作業のリスク
前のパートで「見えないコスト」についてお話ししましたが、次に深刻なのが「品質」の問題です。
安さを追求するあまり、耐久性の低い材料を選んでしまうと、数年後に必ず問題が発生します。
私がこれまで見てきた現場で一番悲しいのが、「作ったものが数年でダメになり、結局やり直すハメになる」というパターンです。
例えば、防腐処理が不十分な安い木材を使ったウッドデッキは、腐食が進み、10年も経つと歩くと危険な状態になることも。また、薄すぎる防草シートはすぐに突き破られ、結局また雑草だらけの土の庭に戻ってしまいます。
そうなると、一度作ったものを解体・処分する費用と手間、そしてもう一度作り直すための材料費と労力がかかり、最初からプロに頼むより高くついてしまうケースも珍しくありません。
「安物買いの銭失い」とは、まさにこのことです。目先の数万円を節約したつもりが、将来的に数十万円の追加出費につながるリスクがあることを、私たちは現場で何度も見てきました。
落とし穴3|多くの人が間違える「お金のかからない雑草対策」
そして、庭づくりで最も多くの人が悩み、同時に間違った対策に手を出してしまうのが「雑草対策」です。
ネット上には「塩を撒けば安上がり」「熱湯をかければ枯れる」といった情報が溢れていますが、これはプロの立場から、はっきりと「やめておいた方が良い」と言わせていただきます。
というのは、「塩なら自宅にあるし、安上がり!」という考えがちですが、庭全体の雑草を枯らすには大量の塩を購入する必要があります。なので特に広い庭の雑草対策を行う場合、塩を使うよりも除草剤の方が安く済む場合がほとんどです。
また、庭に塩を撒くと、その土地は塩害で汚染され、雑草だけでなく育てたい木や花まで枯らしてしまいます。一度撒いてしまうと、土壌が回復するまでには何年もかかり、事実上、植物が育たない「死の土地」になってしまうのです。
熱湯も一時的な効果しかなく、広い庭の雑草を根絶やしにすることはできません。何より、大量の熱湯を運ぶのは非常に危険です。
これらは「お金のかからない雑草対策」ではなく、「将来、余計なお金と手間がかかる間違った対策」です。安易な情報に飛びつく前に、なぜその方法が推奨されないのか、その本質的なリスクを理解することが重要です。
雑草対策については下記を参考にしてください




お金をかけない庭づくりで後悔しない5つの節約術
前の章では、「お金をかけない」という言葉の裏に潜む3つの落とし穴についてお話ししました。
では、どうすればこれらの落とし穴を避け、10年後も後悔しない、本当に価値のある庭づくりができるのでしょうか。
この章では、私が20年の現場経験で培ってきた、プロが実践する「本当の節約術」を5つ、具体的にお伝えします。
これは単なるコストカット術ではなく、あなたの時間、労力、そして将来の満足度を守るための、いわば「思考のフレームワーク」です。
節約術0|計画を立て時間の無駄をなくす(SNSでのイメージ収集と設計図作成)

庭づくりで最も無駄なコスト、それは「行き当たりばったりで作業を進め、結局やり直す」ことです。これを防ぐ最強の武器が「計画」です。
まず取り掛かる前に、SNSや雑誌で「こんなガーデンにしたい」というイメージ写真をたくさん集めてみてください。
そして、簡単なもので良いので、庭の寸法を測り、どこに何を配置するかの設計図を描いてみましょう。
この一手間が、材料の買いすぎや買い間違いを防ぎ、作業の段取りをスムーズにし、結果的にあなたの貴重な時間を大幅に節約します。
私の経験上、計画に1日かけるだけで、実際の作業時間を3日以上短縮できることも珍しくありません。漠然と始めるのではなく、ゴールを明確にすること。これこそが、あらゆる節約術の基本であり、最も効果的な第一歩なのです。
節約術1|プロに任せる作業とDIYの簡単作業を切り分ける

賢い節約家は、すべてを自分でやろうとはしません。
庭づくりには、仕上がりの耐久性と美観を決定づける「プロに任せるべき作業」と、コスト削減のために「自分でやっても良い作業」があります。
この切り分けこそが、プロの視点から見た最も重要な節約術です。
例えば、土地の傾斜を調整する「整地」や、ウッドデッキの基礎となる「束石の設置」、フェンスの設置のような大規模なエクステリア工事は、少しのズレが後々の大きな問題につながるため、プロに任せるべき作業です。
一方で、砂利を敷いたり、レンガを並べたりする作業は、やり直しも比較的簡単なため、ご自身で挑戦しやすい任意作業と言えるでしょう。
すべてをDIYでやろうとして中途半端なものが出来上がるより、難しい所だけプロに任せ、残りをDIYで楽しむ方が、最終的な満足度もコストパフォーマンスも高くなります。
節約術2|廃材・廃品を活用する

材料費を抑える上で、新品を購入することだけが選択肢ではありません。
視点を少し変えるだけで、庭づくりに活かせる「お宝」は身の回りにたくさんあります。
例えば、古い庭を解体した際に出たレンガやタイル、使わなくなった枕木などは、花壇の縁取りや小道のアプローチに再利用できます。
また、最近では地域の掲示板サイトなどで、「ウッドデッキを解体したので引き取ってほしい」といった投稿が見られることもあります。
もちろん、耐久性や安全性の確認は必須ですが、状態の良いものであれば、材料費を劇的に抑えることが可能です。
創造性と少しの手間をかけることで、コストを削減しつつ、他にはないユニークで味のある庭をつくることができるのです。これも、知っている人だけが得をする、賢い節約術の一つですね。
節約術3|材料費だけでなく「総コスト」で判断する

これが、この記事で私が最もお伝えしたいことの一つです。本当のコストは「材料費」だけではありません。
賢い人は、「見えないコスト(あなたの時間や労力)」と「将来のコスト(5年後、10年後の補修費用)」を足した「総コスト」で物事を判断します。
例えば、8,000円の安い防草シートと、18,000円の高品質な防草シートがあったとします。目先の10,000円を節約して安い方を選ぶと、3年後に雑草が突き破ってしまい、もう一度シートを敷き直す作業が発生するかもしれません。
そうなると、材料費も労力も2倍かかりますよね。一方で、高品質なシートを選んでおけば、10年以上も雑草の悩みから解放されるかもしれません。
どちらが本当に「安い」買い物でしょうか? 初期費用が多少高くても、将来のコストを大幅に削減できる選択こそが、賢い投資であり、本当の節約術なのです。
節約術4|整地や防草シートなど見えない下地に投資する

前のパートで「総コスト」の話をしましたが、それを最も体現しているのが「下地」の重要性です。
庭づくりで最も節約してはいけないのが、完成後には見えなくなる、整地や防草シートといった地面の下の部分です。
どんなにおしゃれなレンガや高価な人工芝を表面に敷いても、その下の地面がガタガタだったり、すぐに雑草が生えてきたりすれば、全てが台無しになります。
私の現場経験上、DIYの失敗原因の実に8割以上が、この下地づくりの甘さに起因しています。
表面の材料は後からでも変更できますが、下地をやり直すとなると、一度すべてを剥がして一からやり直すという、膨大な手間と費用がかかります。
賢い節約術とは、完成後には見えなくなる部分にこそ、最もお金と手間をかける勇気を持つことです。ここへの投資こそが、5年後、10年後の庭の美しさと、あなたの満足度を保証してくれるのです。
節約術5|材料は品質と価格のコスパのバランスを見極める

下地の重要性をお話ししましたが、では全ての材料を高級品で揃えるべきかというと、そういう訳でもありません。
賢い人は、お金をかけるべき材料と、安くても良い材料をしっかりと見極めます。
例えば、先ほどお話しした防草シートや、ウッドデッキの構造を支える木材のように、耐久性や安全性が求められる部分には、絶対にコストをかけるべきです。
一方で、花壇の縁取りに使う小さなレンガや、装飾用の砂利、プランターなどは、100均やホームセンターの安価なものでも十分に役割を果たしてくれます。
大切なのは、「その材料が、庭のどの部分で、どのような役割を果たすのか」を考えることです。全てを安物で揃えるのではなく、適材適所でコストのメリハリをつける。
これこそが、限られた予算の中でおしゃれで長持ちする庭を実現するための、コストパフォーマンスを最大化する技術と言えるでしょう。
節約術6|時間を味方にして段階的に庭づくりを進める

節約術6|時間を味方にして段階的に庭づくりを進める
最後に、意外と見過ごされがちな節約術が「時間」の活用です。
焦って一度に全てを完成させようとすると、予算の都合でどこかに妥協が生まれたり、作業が雑になったりしがちです。
賢い節約家は、時間をかけて庭を育てる「段階的プランニング」を取り入れます。
例えば、「1年目は、まず最重要課題である整地と雑草対策だけを完璧に行う」「2年目は、リビング前のメインスペースに砂利を敷く」「3年目は、玄関アプローチに花壇を作る」といった形です。
このように計画を分けることで、一つ一つの作業に集中でき、品質が向上します。また、予算も分散できるため、無理のない範囲で、かつ妥協することなく、理想の庭に一歩ずつ近づけていくことができます。
庭づくりは、家づくりと同じで、長い時間をかけて楽しむもの。時間を味方につけることこそが、精神的にも金銭的にも最も負担の少ない、賢い進め方なのです。
お金のかからない庭づくりDIYアイデア7選
さて、前の章で後悔しないための節約術を学んだところで、いよいよ具体的なDIYのアイデアを見ていきましょう。
共働きで忙しいご家庭でも、体力に自信のない方でも、ご自身の状況に合わせて選べるよう、7つの代表的な方法をご紹介します。
ここでは、それぞれの費用目安や、どんなお庭を目指す方に合っているのか、私が現場で見てきた経験を交えながら解説していきます。あなたの理想の庭づくりのヒントが、きっと見つかるはずです。
方法 | 費用目安(DIY) 注:面積や材料による | DIY難易度 | メリット | デメリット・注意点 |
---|---|---|---|---|
砂利敷き | 3万円~ | ★☆☆☆☆(簡単) | 雑草対策効果が高い、費用が安い | 歩きにくい、落ち葉の掃除が大変 |
人工芝 | 1万円~ | ★★☆☆☆(やや簡単) | 手入れ不要、子どもやペットが安全 | 初期費用が高い、夏場に熱くなる |
レンガ・タイル | 5万円~ | ★★★☆☆(普通) | デザイン性が高い、おしゃれ | 水平を取るのが難しい、手間がかかる |
固まる土 | 6万円~ | ★★☆☆☆(やや簡単) | 歩きやすい、雑草対策効果が高い | 水はけの確保が重要、ひび割れの可能性 |
ウッドデッキ | 10万円~ | ★★★★☆(難しい) | おしゃれ、くつろぎの空間になる | 基礎工事が難しい、定期的な塗装が必要 |
グランドカバー | 5万円~ | ★☆☆☆☆(簡単) | ナチュラル、費用が非常に安い | 完全に広がるまで時間がかかる |
花壇づくり | 1万円~ | ★☆☆☆☆(簡単) | 手軽に始められる、華やかになる | 継続管理が必要 |
① 砂利敷き|雑草だらけの庭を綺麗にする雑草対策

「とにかく、この雑草だらけの庭をどうにかしたい…」そんな切実な悩みをお持ちの一軒家にお住まいの方に、私がまずお勧めするのが砂利敷きです。
これはお金のかからない雑草対策として非常に効果的で、DIY初心者の方でも挑戦しやすいのが大きな魅力ですね。
高品質な防草シートを下に敷き、その上に砂利を3cmほどの厚みで敷き詰めるだけで、見た目もすっきりとし、雑草の悩みから解放されます。
私の現場では、特に日当たりが良く雑草が育ちやすい南向きの庭や、家の裏手、通路などで採用することが多いです。
砂利の種類も白やグレー、茶系など様々で、落ち着いた和風の庭を目指すなら黒系の那智黒石なども良いでしょう。建物の外壁の色と合わせると、ぐっと統一感が出ておしゃれな雰囲気になりますよ。
費用を抑えつつ、雑草対策と景観向上を両立できる、まさに一石二鳥の方法と言えるでしょう。
防草シート+砂利の施工例とお役立ち情報
砂利敷で失敗した事例もあります↓






② 人工芝|手入れのいらない庭を低コストで実現

「子どもやペットが裸足で走り回れる、青々とした芝生の庭に憧れる。でも、天然芝の手入れは絶対に無理…」そんな子育て中の共働き家庭に最適なのが人工芝です。
最近の人工芝は非常に質が良く、本物の芝生と見間違えるほどリアルな見た目です。
何より、水やりや芝刈りといった日々のメンテナンスが一切不要なのが最大のメリットですね。
DIYで敷設する場合、初期費用は砂利敷きより少し高くなりますが、その後の手間や維持費を考えると、「手入れのいらない庭」を実現するための非常にコストパフォーマンスが高い選択肢と言えます。
特にリビングから続く主庭に敷くと、部屋が広く見える効果もありますよ。ただし、これも砂利と同じく、下地となる整地と防草シートの施工が品質を左右することを忘れないでください。
人工芝の施工例とお役立ち情報





③ レンガ・タイル敷き|ホームセンター材料でおしゃれな庭

「無機質な庭は嫌。もう少し温かみのある、おしゃれなカフェのような雰囲気にしたい」という方には、レンガやタイルを使ったDIYがおすすめです。
ホームセンターで手に入る材料だけで、本格的な石畳風のアプローチや、BBQスペースを作ることができます。
特に、玄関アプローチや駐車場の脇の土のスペースなど、比較的小さな面積から始めると、失敗も少なく達成感を得やすいでしょう。
私の経験上、デザインのコツは、きっちり並べるだけでなく、少し曲線を描かせたり、レンガの間にグランドカバープランツを植えたりすることです。それだけで、ぐっとプロのような仕上がりになります。
ただし、水平を保ちながら一つずつ並べていくのは、意外と根気のいる作業です。体力と時間に余裕がある方向けの方法ですが、完成した時の満足感は格別ですよ。
タイルレンガ敷きの施工例とお役立ち情報
レンガを使った雑草対策



④ 固まる土舗装|雑草防止と歩きやすさを両立する方法

「砂利だと歩きにくいし、車椅子やベビーカーの出入りがあるから…」そんな高齢者や小さなお子様がいるご家庭に喜ばれているのが、「固まる土」です。
これは、見た目は自然な土なのに、水を撒いて固めるとカチカチになり、雑草も生えてこなくなるという優れものです。
表面がフラットに仕上がるので、歩きやすさと雑草対策を両立できるのが最大の強みですね。
施工も比較的簡単で、平らに均して水を撒くだけなので、DIY初心者の方でも挑戦しやすいです。
最近では防塵防水効果を謳った製品もあり、ホコリが立ちにくく、雨の日のぬかるみを防ぐ効果も期待できます。
ただし、注意点が一つ。それは「水はけ」です。しっかりと地面に勾配をつけておかないと、雨が降った時に水たまりができてしまい、コケやカビの原因になります。DIYで施工する場合は、この水勾配の確保だけは慎重に行ってください。
固まる土の施工事例とお役立ち情報





⑤ ウッドデッキ設置|低予算でも映える庭づくり

「リビングの延長として使える、くつろぎのスペースが欲しい」という夢を叶えるのがウッドデッキです。
業者に頼むと高額になりがちですが、キット製品を使えば低予算でのDIYも可能です。
庭に高低差が生まれ、空間に立体感が出るので、一気におしゃれな雰囲気になります。
天気の良い日に、ウッドデッキで朝食をとったり、お子様のビニールプールを置いたり…庭の活用方法がぐっと広がりますよね。
ただし、ウッドデッキのDIYは、これまでの方法に比べて難易度が高く、特に基礎部分の設置は非常に重要です。
水平が取れていないと、数年後にガタつきや軋みの原因になります。
私の現場では、「基礎だけはプロに任せて、上の床板張りは自分でやる」というハイブリッドな方法を選ぶお客様もいらっしゃいます。安全性が何よりも重要なので、少しでも不安があれば、無理せず専門家に相談することをお勧めします。
ウッドデッキの施工事例やお役立ち情報




⑥ グランドカバー植物|ナチュラルで管理が楽な庭DIY

「コンクリートや砂利で固めてしまうのは少し寂しい。緑も楽しみたいけど、手入れは楽な方がいい」そんな方に最適なのが、地面を這うように広がるグランドカバープランツです。
一度根付けば、雑草が生える隙間もないくらい密に地面を覆ってくれるので、ナチュラルな景観と雑草対策を両立できます。
日陰に強い「ヒメイワダレソウ」や、踏まれても丈夫な「クラピア」、ハーブの香りが楽しめる「クリーピングタイム」など、植える場所の環境に合わせて種類を選べるのも魅力です。
一度植えれば毎年花を咲かせる多年草を選べば、植え替えの手間もありません。
苗をいくつか購入して植えれば、あとは時間をかけて自然に広がっていくのを待つだけ。初期費用が安く、体力的な負担も少ないので、高齢者の方や、ガーデニング初心者の方でも安心して始められる庭DIYと言えるでしょう。
グランドカバーの施工事例やお役立ち情報




⑦ 花壇づくり|初心者でも楽しめる低コストガーデニング

庭づくりの楽しさを最も手軽に味わえるのが、花壇づくりではないでしょうか。
ホームセンターで売っているレンガやブロックを並べるだけで、庭の一角に素敵な見せ場を作ることができます。
予算に限りがある中でも、季節の花を少し植えるだけで、庭全体がパッと華やかになります。
私がよくお客様におすすめするのは、レイズドベッド(立ち上げ花壇)です。地面より少し高くすることで、土の管理がしやすく、水はけも良くなります。
腰をかがめずに作業ができるので、高齢者の方のガーデニングにも最適です。
いきなり庭全体をどうにかしようと気負わず、まずは小さな花壇から始めてみる。そこから少しずつ理想の庭を育てていくというのも、とても素敵な庭との付き合い方だと思いますよ。
花壇や家庭菜園の施工事例やお役立ち情報



【判断基準】お金をかけずに庭をDIYでできる範囲とプロに任せる範囲
ここまで、お金をかけない庭づくりの様々なアイデアや節約術についてお話ししてきました。
具体的な方法を知ることで、「これなら自分でもできそう」「ここをこうしたらおしゃれになりそう」と、夢が膨らんできたのではないでしょうか。
しかし、ここでもう一度立ち止まって考えていただきたいのが、「本当に、すべてを自分でやるべきか?」ということです。
この章では、この記事の核心である、DIYで挑戦しても良い範囲と、ここはプロに任せるべき、という明確な判断基準について、私の経験から具体的にお話しします。
判断項目 | DIY向きの考え方 | プロ依頼を検討すべき考え方 |
---|---|---|
品質 | 「手作り感も味」として楽しめる | 毎日見る場所なので、完璧な仕上がりを求める |
時間・労力 | 休日を数日使って、じっくり取り組むのが好き | 貴重な休日は家族と過ごしたい、時間は買いたい |
リスク | 失敗しても数千円の損失で済む作業 | 失敗すると数十万円のやり直し費用がかかる作業 |
初心者でも安心して挑戦できる庭DIY作業範囲
「庭DIY」と聞くと、難しそうに感じるかもしれませんが、初心者の方でも安心して、かつ楽しみながら挑戦できる作業はたくさんあります。
私がお客様にも「ここならご自身でやってみても良いですよ」とよくお伝えするのは、「やり直しが比較的簡単にできる作業」です。具体的には、以下のような作業が挙げられます。
- 砂利敷きや置くだけのレンガ・タイル敷き:もし気に入らなくても、また拾い集めてやり直すことができます。
- 花壇づくり:レンガを並べるだけならすぐにレイアウトを変えられます。
- グランドカバープランツの植え付け:植える場所を間違えても、また掘り起こして移植が可能です。
これらの作業は、失敗のリスクが低く、費用もそれほどかからないため、DIYの第一歩として最適です。
まずはこういった小さな範囲から始めて、「自分で庭をつくる楽しさ」を実感してみてはいかがでしょうか。
失敗リスクが高い!プロに任せるべき庭工事
一方で、「これは安易に手を出すべきではない」と私が断言する作業もあります。
それは、「一度失敗するとやり直しが非常に困難、もしくは危険を伴う作業」です。特に、庭の機能性や安全性に直結する部分は、プロに任せるのが賢明です。例えば、、、
- 整地と水勾配の確保:庭全体の品質を左右し、やり直しには全てを剥がす必要があります。
- 高さが1mを超える構造物の設置(ウッドデッキなど):倒壊の危険性があり、専門的な基礎工事が不可欠です。
- コンクリートを使った基礎工事:一度固まると修正がほぼ不可能で、専門技術が求められます。
これらの作業は、まさに庭全体の品質を左右する「聖域」であり、後悔しないためには初期投資を惜しまず、専門家に依頼すべきだと私は考えています。
DIYかプロ依頼か?迷った時の判断チェックリスト
「自分のやりたいこの作業は、果たしてDIYでできる範囲なのだろうか…」と、どうしても判断に迷ってしまうこともありますよね。
そんな時に、ぜひ使っていただきたいのが、この「判断チェックリスト」です。以下の3つの質問に、ご自身で正直に答えてみてください。
- 【品質】その仕上がりに、10年後も満足できる自信はあるか?:
「手作り感も味」と思える範囲か、それとも毎日見る場所だからこそ「プロの完璧な仕上がり」を求めるか。 - 【時間・労力】その作業に、貴重な休日を何日も費やす覚悟はあるか?:
あなたの時間も大切なコストです。慣れない作業で何週間もかかるなら、その時間をプロに「買う」という選択肢もあります。 - 【リスク】もし失敗した場合、金銭的・精神的なダメージは許容範囲か?:
数千円の材料費で済む失敗か、それとも数十万円のやり直し費用がかかる可能性がある失敗か。
この3つの質問すべてに「はい」と答えられない作業は、一度プロに相談してみることを強くお勧めします。それが、後悔しないための最も確実な道しるべになりますよ。
プロに頼むと何が違う?費用に含まれる本当の価値

ここまでDIYを前提にお話を進めてきましたが、「やはり自分には難しそうだ」「失敗するリスクを考えると不安だ」と感じられた方もいらっしゃるかもしれません。
そこでこの章では、私たちプロの造園業者に依頼した場合、一体何が違うのか、そしてその費用にはどのような「価値」が含まれているのかを具体的にお話しします。
これは単なる宣伝ではありません。あなたがDIYとプロ依頼を天秤にかける上で、正しく判断するための重要な情報提供だとお考えください。
仕上がりと耐久性を左右する「作り方」の差

プロの仕事とDIYの最も大きな違い、それは「仕上がりの美しさ」と「10年後を見据えた耐久性」です。
そして、その差を生み出しているのが、目に見えない部分での「作り方」の違い、特に下地処理に対する考え方と技術です。
例えば、整地一つとっても、私たちはただ地面を平らにならすだけではありません。
その土地の土質を見極め、水はけが悪ければ砂利や暗渠(あんきょ)を入れて水脈を確保し、将来的な地盤沈下が起きないように専用の機械で地面を固く締め固めます(転圧)。
この一手間をかけるかどうかで、数年後の地面の凹みや水たまりの発生率が全く変わってくるのです。
DIYでは難しい、専門的な道具と経験に裏打ちされた「見えない部分」へのこだわり。これこそが、プロの施工費用に含まれる最も大きな価値の一つであり、長期的な満足度を保証する源泉なのです。
時間や手間・労力が削減できる

前の章でも触れましたが、あなたの貴重な時間、労力、そして精神的な負担を削減できること。これもプロに依頼する非常に大きなメリットです。
庭づくりは、想像以上に多くの工程があります。
計画を立て、ホームセンターで何十キロもある砂利やレンガを何度も車で運び、慣れない道具で作業をし、大量に出る残土や廃材を処分する…
これを共働きのご家庭が週末だけでやろうとすると、数ヶ月かかることもザラです。その間、休日はなくなり、庭は常に工事中の状態。ご家族のストレスも溜まっていきますよね。
私たちプロにご依頼いただければ、これらの作業を数日で、安全かつ高品質に完了させることができます。
あなたが本来家族と過ごすはずだった休日や、仕事の疲れを癒す時間を「買う」という考え方。これも、費用に含まれる重要な価値ではないでしょうか。
専門家によるおしゃれなデザイン提案とトータルコーディネート

ご自身で庭のデザインを考えるのはとても楽しい作業ですが、一方で「なんだか素人っぽくなってしまう…」という悩みもよくお聞きします。
プロに依頼するメリットは、単に作業を代行するだけではありません。あなたの漠然としたイメージを、専門家の知識と経験で「おしゃれで、かつ機能的なデザイン」に昇華させることができます。
例えば、私たちは、建物との色合いの調和、日当たりや風通しを考慮した植栽の配置、お子様の成長や将来のライフスタイルも見据えたゾーニング(空間分け)など、庭だけでなくフェンスなども含めたエクステリア全体でトータルでコーディネートします。
また、「こんな植物を植えたいけど、手入れは楽なものがいい」といったご要望にも、奈良の気候風土を熟知した上で、最適な樹種をご提案できます。
自分では思いつかなかったようなデザインや、長期的な使い勝手まで考慮されたプロの提案。これも、費用を支払うことで得られる、大きな付加価値の一つなのです。
FAQ:お金をかけない庭づくりでよくある質問
記事の最後に、これまでお話ししきれなかった、お客様からよくいただくご質問について、Q&A形式でお答えしていきます。
具体的な疑問を解消することで、あなたの庭づくりがよりスムーズに進むお手伝いができれば幸いです。
100均のアイテムだけでもおしゃれな庭は作れますか?
はい、結論から言うと工夫次第で作ることは可能です。
特に、花壇のちょっとした飾り付けや、小さなプランター、ソーラーライトなど、庭のアクセントとなるアイテムは100均でも質の良いものがたくさんあります。
これらをうまく活用すれば、低予算でも十分おしゃれな雰囲気を演出できます。
ただし、注意していただきたいのは「構造に関わる部分」や「耐久性が求められる部分」には、100均のアイテムを使うのは避けるべき、ということです。
例えば、地面に敷く防草シートや、少し高さのある花壇の土留めなどは、やはり専門のメーカーが作った製品の方が圧倒的に長持ちします。
「見せる部分」は100均で賢く節約し、「見えない部分・重要な部分」にはしっかり投資する。このメリハリが、100均アイテムを上手に活用する最大のコツですね。
手間のかからない庭の作り方は?
「庭は欲しいけど、とにかく手入れはしたくない」…これは、私が最も多くいただくご要望の一つです。
「手間のかからない庭」を作る上で最も重要なポイントは、「土の面積をいかに減らすか」ということです。
土が露出していると、どうしても雑草が生え、定期的な草むしりが必要になります。
これを解決する最も効果的な方法は、防草シートを敷いた上に、砂利や人工芝、レンガ、タイルなどを施工することです。
これにより、雑草が生える原因を根本から断ち、水やりや芝刈りといったメンテナンスからも解放されます。
また、植栽を取り入れたい場合は、乾燥に強く、剪定の手間が少ない常緑樹(例えばソヨゴやハイノキなど)を選ぶと、緑を楽しみつつ管理の手間を最小限に抑えられますよ。
お金のかからない雑草対策ってありますか?
「お金のかからない雑草対策」と聞いて、多くの方が塩や熱湯を思い浮かべるかもしれませんが、先ほどお話しした通り、これらは土地に深刻なダメージを与えるため絶対におすすめできません。
本当に「お金のかからない」とは、「将来的に余計な費用と手間がかからない」という意味で捉えるべきです。
その観点から、私が最もコストパフォーマンスが高いと考える方法は、「高品質な防草シート+砂利敷き」です。
初期費用はかかりますが、一度正しく施工すれば、10年以上も雑草の悩みから解放されます。
草むしりにかかる時間や労力、除草剤を買い続ける費用を考えれば、結果的にこれが最も「安い」対策と言えるでしょう。もし初期費用を抑えたいなら、まずは玄関周りや通路など、一番気になるところから少しずつ始めてみてはいかがでしょうか。
雑草対策で最強の方法は?
これはお客様から非常によく聞かれる質問ですね。「最強」の定義は人それぞれですが、もし「効果の持続性」「手間の削減」「あらゆる場所への対応力」という3つの観点で考えるなら、私は「コンクリート舗装(土間コンクリート)」が最強の方法だと考えています。
物理的に地面をコンクリートで覆ってしまうので、雑草が生える可能性はほぼゼロになります。また、掃除も非常に楽で、車を置くこともできます。
ただし、デメリットはその費用の高さと、一度施工すると簡単には元に戻せないという点です。また、夏場は照り返しが強くなることも考慮しなければなりません。
「もう二度と雑草の顔は見たくないし、家庭菜園などをする予定もない」という強い覚悟がある方にとっては、これ以上ない「最強」の対策と言えるでしょう。
雑草だらけの庭をリフォームするにはいくらかかりますか?
「雑草だらけの庭」の状態や、どのような状態にリフォームしたいかによって、費用は大きく変動するため、一概に「いくらです」とお答えするのは非常に難しいです。
ただ、一つの目安として、30㎡(約10坪)の庭を想定してお話しします。
もし、ご自身でDIYで草むしりをし、防草シートと砂利を敷くのであれば、材料費だけで5万円〜10万円程度が目安になるでしょう。
一方で、私たちプロが同じ作業を行う場合、草の処分費や整地の費用も含めて15万円〜25万円程度が相場となります。
もし、さらにウッドデッキを設置したり、人工芝を敷いたりする場合は、30万円以上の費用がかかってきます。
正確な費用を知るためには、一度専門業者に見積もりを依頼するのが一番です。多くの業者が見積もりは無料で行っていますので、まずは相談してみることをお勧めします。
雑草が生えない庭にしたいのですがどうすればいいですか?
「雑草が生えない庭」を実現するための方法は、これまでお話ししてきたことの集大成になります。ポイントは以下の3つに集約されます。
- 光を遮断する:高品質な防草シートを隙間なく敷き詰めることが、最も基本かつ重要な対策です。
- 地面を物理的に覆う:防草シートの上に砂利や人工芝などを施工し、種が飛んできて根付くのを防ぎます。
- 下地処理を完璧に行う:丁寧な「整地」でシートの効果を最大限に引き出し、美しい状態を長持ちさせます。
この3つの原則を守れば、あなたの庭は必ず「雑草が生えない、手入れの楽な庭」に生まれ変わります。
庭造りどうすればいいのか分からなくなった人へ
奈良県にお住いの方へ
あなたが奈良県にお住いの方であれば、次のような経験がないでしょうか?
「ネットで検索して色々情報を調べたけど、自分のお庭の場合、どの方法が適しているのか分らない…」
「調べすぎてどうすれば良いのか分からなくなって、考える事がだんだん面倒になってきた…」
そう思っていませんか?
そこで、造園・外構業者さんにお願いしようと考えてはいるけど、、、
「ネットの情報だけでその業者さんを信用していいのか不安だ…」
「ポータルサイトや一括見積りサイトや地元の業者さんのホームページを見たけど、業者さんの対応が悪かったら嫌だな…」
「結局、工事金額はいくらかかるの?」
そう思っていませんか?
これらが分からないと、いくらお庭の問題を解決したくても、不安感から二の足を踏んでしまっていて、ずっと困ったまま過ごさざるを得なくなってしまいますよね。
そこで、もしあなたが奈良県にお住いの方なら、私たち「西原造園の無料相談」がお役に立てるかもしれません。
毎月5名限定なので、今すぐ次のボタンをクリックして詳細を確認してみてください。
今月はあと4名
お問合せフォーム受付時間:24時間 年中無休
まとめ
この記事では、20年以上の現場経験を持つプロの視点から、「お金をかけない庭づくり」で後悔しないための本質的な考え方と具体的な方法について、詳しく解説してきました。
目先の材料費の安さだけにとらわれると、「見えないコスト」や「品質の問題」といった大きな落とし穴にはまってしまう可能性があります。
大切なのは、あなたの時間や労力、そして5年後、10年後まで含めた「総コスト」で物事を判断し、ご自身の状況に合わせた賢い選択をすることです。
DIYには素晴らしい魅力がありますが、すべての作業をご自身で抱え込む必要はありません。専門的な知識が必要な「聖域」はプロに任せ、ご自身で楽しめる「任意」の作業に集中するというハイブリッドな方法も、満足度の高い庭づくりを実現するための非常に有効な手段です。
この記事が、あなたの庭づくりが「安物買いの銭失い」で終わることなく、ご家族にとって本当に価値のある、10年後も愛せる素敵な空間を創り上げるための一助となれば、これほど嬉しいことはありません。もし判断に迷われた際は、いつでも私たちのような専門家にご相談ください。